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昨今、修行に対して否定的な意見が相次いでいる。

 

「長い年数を下積みだけに費やす若者が可哀想だ」「修行は時間の無駄。起業した方が学びになる」「下積みをさせるのは、すぐにお店を開かせたくない修行先の思惑だ」などなど色々な批判がある。

 

修行した立場から言えば、至極真っ当な意見だと思う。

 

反論も全くない。

 

1つだけあるとすれば、このような発言を外部の方にさせるのではなく、それぞれを総括する立場の人間が発言すべきことだったと思う。

 

それなら修行したことを後悔してる?

 

私は約4年間修行した。

 

飯炊き三年、握り八年に比べたら少ない方だが、大学と同じ年数と考えるとそれなりの時間を費やしているのは間違いない。

 

では、そんな長い年数を修行に費やしたことを後悔しているのかと言うと全く後悔していない。

 

矛盾しているように感じるかも知れないが、先ほどの批判が「修行」に対する全ての真実ではないからだ。

 

では、私が修行によって得たものは一体何なのか紹介したいと思います。

 

この記事でわかること
・言葉の重みが違う
・コミュニティに入れない
・修行したお店がバックに付いてくれる

 

①言葉の重み

 

私の仕事は畳の依頼を受け、施工し、お客様の元へ運び、納めるまでが仕事。

 

お客様とは信頼で出来上がっていると言っても過言ではない。

 

特に私はまだ若い。

 

お客様から「大丈夫?」なんて心配されることだってある。

 

私が「信頼して下さい!大丈夫ですから!」と意気揚々に言ったところで実績なき言葉は軽い。

 

誰も信頼など寄せてはくれないだろう。

 

でも「京都の黄綬褒章と現代の名工を受賞したお店で修行した」「修行時代、宮内庁の仕事を請け負っていた」「京都畳競技会で優勝した」の言葉を聞くとお客様は安心される。

 

最近では本物の職人として工務店や不動産会社の相談を受けるようにもなった。

 

過去の経験が実績になって認められるのだ。

 

私が畳について語れば「若いのに畳の事をよく勉強されている」とマイナスイメージだった若さがプラスに変化する。

 

修行した経験は言葉に重みをもたせ、お客様との信頼関係構築に一役買ってくれるのは間違いない。

 

「畳職人の話でしょ」と思われるかもしれないが、これは私だけの話ではないと思う。

 

職人の仕事は基本的にどれも同じだろう。

 

信頼で成り立つ商売であり、お客様との信頼関係をどう構築するか非常に重要なところと思う。

 

であれば修行によって得られる信頼を軽視することは勿体無いと言わざる終えない。

 

②コミュニティに入れない

 

私たち畳職人には畳職人の繋がり「コミュニティ」が存在する。

 

そこでは内輪だけで話される有益な情報、仕事の紹介も行われる。

 

入っていて損するコミュニティではない。ただ飲み会も多いし、無駄に話が長いお爺様方のお話を聞かなくてはいけないのは癪だが・・・。

 

大概そういったコミュニティは、修行した方しか入れないようになっている。

 

厳密に言えば、先生や修行した兄弟子からの紹介だったりするので存在自体知られていない可能性もある。

 

とはいえ、本音を言えばそういう内輪だけのコミュニティは好ましく思えない。

 

「情報を外部に漏らしたくない!」は一子相伝の頃の名残だろうか。

 

情報化社会で育ったミレニアル世代の私には、その価値観は理解出来ないのです。

 

情報革命と言われ情報が社会の構造を変化させるこの時代に、内輪だけで情報を交換したって業界がよくなるわけがない。

 

そんな昔ながらの保守的な考えの人たちより、関係ないところから突っ込んで来て業界を革新させようという革命家の方が面白い情報を有しているように思えます。

 

しかし、業界はそう言った人間を排除しようとする。まさに馴れ合いの文化の悪習と言えるだろう。

 

これは人ごとではありません。もしかしたらあなたの業界も同じかもしれないんですから。

 

③バックにお店がついてくれる

 

修行して一番のメリットは普通だったら入ってこない材料を取引できること。

 

畳の材料「畳表(天然国産い草)」は年々下降傾向にあるのはご存知の通りかと思います。

 

原因は畳需要の低下と中国産い草の台頭、農家さんの高齢化です。

 

これにより畳表の生産数は大幅に減少しています。

 

そうなると、もの凄く綺麗な畳表は限られた畳屋さんにだけ運ばれる仕組みになってしまいます。

 

「商い」で考えたらそりゃそうですよね。

 

”いつもたくさん買ってくれる畳屋さんに良い畳表を卸す”

 

商売としては至極当然のことです。

 

本来であれば私みたいな新規参入の若者に綺麗な畳表なんて卸すわけがないんです。

 

新参者で信頼もない、実績(請け負った工事)もなければ、購入も少ない。ありえませんよね(笑)

 

でも私のところには良い畳表も良い床も特殊な材料も全て入ってきます。

 

何もメチャクチャ交渉上手で交渉して手に入れたわけでもありませんし、裏金払ったわけでもありません。

 

修行したお店の社長が材料屋に「この子にも分けてやってや」と言ってくださっただけです。

 

本当に有難いです。

 

良質な畳表は他店にない強みになるし、交渉に余計な時間を使わないで済むので助かる。

 

さらに支払いも2ヶ月後とかでいいので本当に有難い(畳業界では初めて取引する場合、即金が当たり前。)

 

これらのことは修行先のお店次第だが、長く修行し、腕が認められたら?かはわからないが、素晴らしいメリットであるのは間違いありません。

 

最後に

 

いかがだったでしょう。

 

修行に関して理解が深まったでしょうか。

 

人生の選択は「何を大事にしたいか」で変わっていきます。

 

例えば世界で畳を売りたい!そんなことを考えている人は修行するより海外に出て畳を売ってみる方が勉強になるだろうし、国内のマンションの受注を沢山とり大量生産で畳を作って販売したい!と思っているなら修行するより不動産会社に売り込んでみた方がきっと早い。

 

今回紹介した修行で得られる3つはそれら事業にメリットとして当てはまらないのは明白だ。

 

であるなら事業をスタートさせた後の方が学びになる。優先順位は間違いなく「やること」の方が先だろう。

 

でも例えば私みたいに畳を作ることが好きで好きでしょうがない。

 

多くの人が思っている畳に対するイメージを変えていきたい。という目標?夢?を持っている人は修行したっていいと思う。

 

これは自分を正当化させているのではなく、道を選択する時に自分が「何を大事にしたいのか」考える必要性があるのです。

 

SNSを見ていると頭の良い有名人が言ったからその通り生きようとする若者がたくさん見受けらます。

 

それも人生の選択の1つですが、自分の人生くらい自分で考え決めた方が絶対にいいと思います。

 

確かに自分で考えるのはしんどい。生き方を教えてもらう方が全然楽でいいです。現在まで宗教が残っているのもそう言った迷いびとがいるからでしょう。

 

でもネットの中の教祖様はあなたが困った時助けてなんてくれませんよ。言いっ放しで終わりです。

 

自分で考え、自分で決断し、失敗し、また進む。

 

起業してよくわかったのは失敗を繰り返すことでしか、前には進んで行かないということです。

 

もし自分の信じた道を進んで間違ってると思ったら戻ればいい。

 

本当に大事なのは「何をしてきたか」のプロセス話ではなく「何をしたいのか」「お客様に何を提供したいのか」「何を大事にしたいか」未来志向なのだから。

 

読んでいただきありがとうございました。

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