
こんにちは、樋口畳商店の樋口です!
今回はなんと…東京都でありながらも、船で七時間半掛かる伊豆七島のひとつ御蔵島へ畳の張替えに行ってきました!この記事では伊豆七島の御蔵島でどうのように畳を張り替えたのか、他の伊豆七島も対応できるのか、伊豆七島への畳張替え出張はいくらぐらいか、ご説明します。伊豆七島に住んでいる方で畳の張替えを諦めている方に読んでもらえたら幸いです。
御蔵島で畳を張り替えてきました!

東京都から船で七時間半、断崖絶壁に囲まれた自然豊かな島「御蔵島(みくらじま)」。
海にはイルカが泳ぎ、山には珍しい鳥(オオミズナギドリなど)や昆虫(ミクラミヤマクワガタなど)が生息しています。
そのような場所で畳替えの仕事ができるのは、とても光栄なこと。一枚一枚一生懸命作らせていただきました。
とはいえ、東京江戸川区で畳屋を営んでいる畳職人が、御蔵島で畳替えってどうやってやるの?と疑問に思いますよね。まずは、順を追って説明していきたいと思います。
畳の材料と道具を伊豆七島に送る

今回の仕事は畳の表替え、つまり畳表を張り替える仕事ですから畳の材料は畳表と畳の縁、畳を縫う糸、縁下紙、かまち紙などです。道具は畳張替えに必要な道具一式。それとポータブルの平刺し機械一台。
これらを段ボールに詰めて乾燥剤を入れて、竹芝にある東海汽船の貨物を乗せる場所まで軽トラックで運びました。住所はお客様の住所を入力し、あとは東海汽船が運んでくれました。
材料も道具もお客様の家までに指定しますので、港まで取りに行く必要はありません。荷物が届いたらお客様には湿度の低い場所で保管してもらえるようにお願いしました。(いぐさの畳表は湿度が高いとカビが発生してしまうため)
これで材料と道具の発送は完了です。
伊豆七島の御蔵島までの行き方

次は自分がどのようにして御蔵島まで行ったのかご説明します。
伊豆七島の御蔵島までのルートは大きく分けて三つあります。ひとつめは竹芝から東海汽船の大型客船(橘丸など)で向かう方法、ふたつめは竹芝から高速ジェット船で伊豆大島まで行き、そこからヘリコプターで御蔵島まで向かう方法、みっつめは羽田空港から飛行機で八丈島まで行き、八丈島からヘリコプターまたは船で御蔵島まで行く方法。
これ以外にも調布飛行場からセスナで向かう方法がありますが、樋口畳商店は江戸川区にある畳屋なので遠回りですし、セスナは揺れるから嫌いなので使いません。
一番安く、一番楽なのは大型客船で御蔵島に向かうルートですが、御蔵島には桟橋がひとつしかなく、船が着かない確率が高い。そこで今回は、高速ジェット船で伊豆大島まで出て、ヘリコプターで御蔵島まで向かいました。
御蔵島に着いて仕事の手順

では次に御蔵島に着いた後の仕事の様子を説明します。
御蔵島に到着後、お客様の家に向かい材料と道具の確認、現場の確認を行います。ヘリコプターで向かった場合、到着が夕方になるので、一日目は現調と段取りだけで終了です。
2日目は朝8時から取り掛かりました。その日は大雨で外で作業する予定でしたが、急遽変更して空き部屋を使わせていただいて畳替えをしました。空き部屋がないというお客様も心配はいりません。六畳のスペースがあれば畳替えができるので、和室の畳を引き上げて掃除をしてブルーシート敷いてそこで作業することもできます。
お昼休憩をはさんで、だいたい16時頃には六畳一間終了。あとはきれいに掃除をして17時には別のお宅に向かいます。17時から作業することはありません。ご挨拶と翌日の段取りをして終わりです。
3日目も同じです。朝8時から作業を始めてお昼休憩をはさみ夕方に終了。こんな感じで畳替えをしていきます。ただ、十帖敷の和室の場合、畳が10枚あるので、一日で終わらない可能性もあります。そのため、一日は必ず予備日をいただきます。もちろん終わればそのまま帰りますし、終わらなければ一日分の宿泊費用が加算されますので、ご注意ください。
御蔵島での畳替えの方法

私たち畳職人の用語でお客様の家で畳替えをすることを出仕事と言います。出仕事は基本的に伊豆七島だろうが京都だろうが、外国だろうがやり方は同じです。
手で縫う。これだけです。
私が樋口畳商店を始めた時は機械がありませんでした。道具もホームセンターで木を買ってきて、自分で作ったくらいです。
お店があっても出仕事のような環境でずっと作ってきたので、むしろ得意です。なので、畳が多少痛んでいても何も心配は要りません。
樋口畳商店についてはこちら↓
樋口畳商店とは?京都で修業した一級技能士が畳・襖・障子・網戸張替え
ちなみに余談ですが、手縫い出来る職人が本当に減りました(手縫いは出来ても出仕事ができない職人)。悲しいことですが職人の力が失われているのをとても感じます。
ご飯を食べるために手縫いをする。こんなことができるのは、もしかしたら私の時代が最後になるかもしれません。残念なことですが、島で生活をされている方は覚悟した方がいいかもしれません。
御蔵島での宿泊&食事について

今回は御蔵島に親戚が暮らしているので、親戚の経営する宿泊施設に泊めていただき、叔母にご飯も用意していただきました。
もし、御蔵島に親戚が住んでいなかったと仮定した場合の畳替えですが、基本的には食事が付いている宿泊施設を予約し、お昼はお弁当を購入することになります。御蔵島ではお弁当屋さんがありますので心配はいりませんが、伊豆七島の中にはお弁当屋さんがない島もあるかと思います。その場合は、ご飯屋さんを探すか最悪のケースお客様にご用意をお願いすることもありますので、ご注意ください。
お世話になった私の親戚について

私の親戚は御蔵島で西川商店というスーパー兼お弁当屋さん兼宿泊施設を経営しています。御蔵島で生鮮食品を取り扱っている店は二つしかなく、西川商店はそのうちのひとつです。生鮮食品のほかに冷凍食品やパンが豊富に取り揃えてあり、アイスクリームはサーティーワンをはじめ数多くの種類があります。
海を眺めながら食べるアイスクリームは東京で食べるアイスクリームとは全く違うおいしさがあります。
叔母の作ったお弁当もとても美味しいです。タコライスや明日葉をご飯に混ぜてスパムをのせたおにぎりなど、地産のものを使って作られています。
宿のほうはイルカウォッチングをする方が数多く泊まっている宿になります。そもそも御蔵島はイルカと泳げると有名な島です。イルカと泳ぐとヒーリング効果があったり、うつ病や自閉症に効果が期待できると言われているそうで、日本人はもちろん海外から数多く訪れています。
私は小学生のころイルカウォッチングを体験しましたが、泳ぎが苦手なので海の中でただバタバタしていただけでした。
それも良い思い出です。
西川商店は皆とても賑やかな人達が集まっています。観光客の方々にも優しいアットホームなお店なので、御蔵島にお越しの際にはぜひ行ってみてください。

かわいい猫ちゃんがたくさんいて癒されますよ。
他の島でも畳張替えの出張はできるの?
もちろん畳替え出張致します!伊豆大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島の伊豆七島、式根島と青ヶ島も喜んで作業させていただきます。
段取りは今回お話しした内容と同じですが、一軒だけの畳替えだと交通費や宿泊費をその人だけで負担しなければならなくなり、金銭的な面でも大変だと思います。
もし可能なら何件かで畳替えを頼んでくだされば、皆んなで交通費や宿泊費を負担するのでお得に畳張替えができますよ。ご検討ください。
ちなみに八丈島にも親戚が住んでいます。
島に出張した場合のお値段はいくらぐらい?
畳の値段は東京江戸川区で施工した時と変わりません。畳替えの値段についてはこちらのチラシを参考にしてください。

ただ、島までの交通費と宿泊費、食費が掛かります。どこの宿泊施設を予約するか、何で島まで向かうのか、どうやって帰るのかによって値段はだいぶ変わると思いますが、基本は東海汽船を利用します。必要であればヘリコプターや飛行機を利用します。
なるべく安く行けるようにお客様とご相談しながら話を進めていきますので、ご安心してお問い合わせください。
島出張に関するお問い合わせ方法
まずは樋口畳商店へお問い合わせください!
📞 電話 :080-3802-8084
💬 LINE :こちらをクリック
📧 メール :higuti.0708.w@gmail.com
📩 お問い合わせフォーム :こちらをクリック
お問い合わせ時にお伺いする内容
1.お名前
2.ご住所
3.畳の枚数
4.施工内容(新畳か表替え)
お客様の個人情報はオンライン上では一切管理していません。オフラインで厳重に保管していますので、ご安心ください。
皆様からのお問い合わせ心からお待ちしております。
最後にまとめ
■ 御蔵島での畳張替えの概要
- 東京都の離島「御蔵島」で畳の張替えを実施。
- 船で7時間半の距離にある自然豊かな島での仕事は貴重な体験。
■ 材料・道具の準備と発送
- 畳表・縁・糸などの材料と道具一式を段ボールで梱包し、東海汽船の貨物便で発送。
- 荷物はお客様の自宅に直送。湿気対策として保管方法も依頼。
■ 島までの移動方法
- 主なルートは船または飛行機+ヘリ。
- 今回は高速ジェット船+ヘリのルートを選択(確実に到着できるため)。
■ 現地での作業の流れ
- 到着初日は材料確認と現場調査のみ。
- 翌日から作業開始。空き部屋や6畳程度のスペースがあれば作業可能。
- 六畳間なら1日で張替え可能。十畳などは予備日が必要。
■ 出仕事の強みと職人技
- 畳を現地で手縫いで仕上げる「出仕事」に対応。
- 出仕事と手縫いができる職人は減少しており、貴重な存在。
- 京都で修業した経験を活かし、どんな場所でも丁寧に対応可能。
■ 宿泊と食事
- 今回は親戚宅に宿泊。食事も用意してもらえた。
- 一般の場合は宿泊施設を手配し、昼食は現地の弁当店等を利用。
- 島によっては食事の準備が難しい場合もあるので要相談。
読んでいただきありがとうございました。