畳がかゆい!ダニかもしれない!
しつこいかゆみ。ダニに刺されるとイライラしますよね。そんなダニと格闘するだけでも精神的にダメージを受けてしまいます。
「畳にダニがいるんだけど:(;゙゚'ω゚'):なんとかして((((;゚Д゚)))))))」
そこで今回は畳とダニの関係性、ダニが湧いた時のダニ駆除法、ダニが湧かない為の環境づくりについてご紹介します。
畳屋さんに相談する前に読んでもらえたら幸いです。
・ダニが出た時の対処法
・ダニが出ない為の対策
ダニって何?
ダニの話をするだけで痒くなりそう:(;゙゚'ω゚'):。まぁ仕方がないですが・・・。
まずはダニとは何かについてご紹介します。
マダニやノミ、南京虫などは別ですが。一般的にダニがいる!!!と言ってもほとんど目で確認できるサイズではありません。
ダニは、だいたい1ミリも満たないサイズの動物です。
ダニの生息範囲は広く、家の中の隅々に渡り棲息しています。代表的なのが、カーペット、布団、クッション、ソファー、押入れ、そして畳!などです。
これらの場所は、ホコリがたまりやすい箇所で、主にチリダニと呼ばれるダニが棲息しています。ところが、ほとんどのチリダニは人を刺す、痒くするといった外傷を与えるダニではありません。
あなたをかゆくする悪いダニは、チリダニなどを食べる別のダニです。とはいえ、人を刺さない、かゆくしないからといってチリダニを駆除しなくても良いわけではありません。
チリダニは外的な症状を与えなくてもアレルギーや気管支喘息の原因になる可能性はあります。
アレルギー疾患に関係するダニ
ダニはただ痒いだけでなくアレルギー疾患に影響を与えているようです。
チリダニ科ヒョウヒダニ属の「コナヒョウヒダニ」と「ヤケヒョウヒダニ」は気管支喘息やアレルギーの原因になる!と研究で紹介されています。
これらのダニは、先ほどのダニがいる代表的な場所に棲息しており、フンや死骸によってアレルギー性の喘息や皮膚炎を引き起こす原因(ダニアレルゲン)となってしまうとのこと。
人を刺すことはなくても十分に注意する必要はあります。
痒みの元凶ツメダニとイエダニ
では痒くなるダニとは何なのでしょうか。
それはツメダニとイエダニです。
ツメダニ
※閲覧注意
ツメダニとはコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニの体液を吸って生きているダニです。
元々数が多いダニではありませんが、コナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニが多く棲息する場所には大量発生する可能性はあります。
実は積極的に人を刺すダニではありません。
刺して痒くなるというよりツメダニの体液などでアレルギー反応を起こして痒くなってしまうとのこと。
しかも、ツメダニの場合、痒くなると長引くのが特徴で一週間から十日程痒みが続きます。一番増える時期が6〜9月の高温多湿な時期と言われているので注意が必要です。
イエダニ
イエダニとはイエネズミが大好きなダニで、繁殖もイエネズミの巣で行います。イエネズミに寄生し、ネズミの血を吸うことで生きています。
常にネズミにくっついて生活していますが、大好きなネズミが死んだ時にはネズミの元を離れ人間を襲いにきます。そこまでネズミが好きなら一生そこにいろ!人間界にくるな!って思いますよね(ㆀ˘・з・˘)
イエダニは刺す力が弱いらしく、人間の柔らかい場所を狙って刺しにきます。
痒みの感じ方は人それぞれですが、あまりに掻きすぎると「とびひ」する可能性があるので、早急に市販の軟膏などを患部に塗布して、かゆみや皮膚の炎症を抑えましょう。
イエダニもツメダニと同様に6〜9月の高温多湿な時期に一番増えると言われています。注意が必要です。
ダニと畳の関係
嘘つけ!畳職人だから、えこひいきしてるんだろ!
もちろん、多少のえこひいきはしていますが・・・・。とはいえ、事実であるのは間違いありません。
※2021年更新、東京都立衛生研究所 医動物室 主任研究員の吉川翠先生のYouTube動画が削除されていました。
畳にダニは住みにくい
東京都立衛生研究所 医動物室 主任研究員の吉川翠先生は畳とダニの関係についてこう語ります。
化学床(建材床)の場合、ツメダニなんかは潜って生活しよう、潜って湿度をもらおうにも潜れませんので。被害が激減して今現在はほんとにツメダニの被害がなくなった。これは都会の傾向だと思いますけどね。
さらに吉川先生はコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニについてこう語ります。
コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニの二種類はですね。ゴミの中のふけ垢を食べるんです。一番チリダニが多いのは寝具なんですよね。
先生が仰ったことを総括すると「そもそも畳はダニが住む環境ではない(都会では)。畳の上にいるダニは寝具などを敷いた時に畳に移ったダニの可能性が高い」とおっしゃっているのです。
また、吉川先生の発言の中で化学床(建材床)という言葉が出てきました。
化学床とは木製のチップを細かくして圧縮した物と断熱材スタイロフォーム(発泡スチロールの一種)をサンドイッチした畳床になります。
最近は藁の取れる数が減少したこともあって価格が上がった為、化学床(建材床)を使った畳が圧倒的に増えました。
踏んだ感触は藁床より板に近い感触で硬め、また藁床に比べて耐久性は圧倒的に低いです。
ちなみに最近の藁床も防虫性能が改良されているので、昔と違ってダニが湧きやすい藁床ではないと言えます。
和室にダニが湧いた時の対処法
畳とダニの関係性について話をしてきましたが、ダニがいて痒かったら、畳がどうだ!とか、寝具がどうだ!とかもはや関係ない!ですよね。
ダニをどうにかしないと夜もゆっくり眠れません。
そこでまずはダニが住みやすい環境とはどんな場所かご紹介します。
東京都立衛生研究所 医動物室 主任研究員の吉川先生がおっしゃるにはダニの発生する環境条件は3つあるとのこと。
高温多湿
ダニが住みやすい室内の温度は25度〜28度前後。湿度が70%〜80%前後の高温多湿な環境がダニが住みやすい環境と言われています。主に6月〜9月が最もダニが発生しやすい期間と言われていますが、実は冬の雨量が多い時期も注意しないとダニは大量発生してしまいます。その原因は加湿器とエアコンです。和室でエアコンを使うことも、加湿することも別に構いませんが、ずっと長い時間室温と湿度を高めたらダニが発生しやすい環境になってしまいます。和室で暖房器具や加湿器を使う際は注意してください。
▼和室の加湿器についてはこちら:畳の部屋で加湿器は使っていい?|和室の正しい加湿方法
ダニの餌が必要
ダニは生き物です。生き物は何か餌を食べなければ成長しませんし、繁殖することができません。つまり、ダニが住みやすい環境とは餌が豊富にある場所のことです。では、ダニの餌とは何でしょうか。ダニの餌とは、それぞれのダニによって違いますが、主に人間のフケや垢、表皮、食べかすやカビなんかもダニの餌になります。人間が生きている以上どうしても出てしまうものばかりですよね。小まめに掃除をしてダニの餌を減らす必要があります。
▼カビについてはこちら:畳にカビが生えたらどうすればいいの?|和室のカビ予防と対策を紹介
産卵できる暗い場所
ダニが産卵できるくらい場所とは、例えば布団をしまう押入れも当てはまりますし、ソファの下、畳の下やカーペットの下などが産卵できるくらい場所となります。その中でも特に注意が必要なのが、押入れです。起きたあとすぐに布団を畳んで押入れにしまうと布団に染み込んだ汗が蒸発して、押入れの中に湿気が溜まってしまいます。そういった場所こそダニが最も好きな環境なので注意が必要です。
これらの条件が揃うことによってダニが大量に発生してしまうのです。
では本題であるダニを駆除する方法に移りたいと思います。
まずは薬品を使わずにダニを駆除する方法をご紹介します。
・カーペットや絨毯
・畳
寝具は専用の乾燥機へ
寝具専用の乾燥機でダニを駆除しよう
そもそも人間は寝ている間に物凄く汗をかくと言われています。
6〜9月の高温多湿な時期に汗が染み付いた布団を畳んで、そのまま押入れにしまってしまえば、吉川先生がおっしゃったダニが発生する環境条件に当てはまってしまいます。
まずは寝具を乾燥させましょう。
しっかりと乾燥させた後で、寝具に掃除機またはレイコップをかけましょう。
レイコップとは先進的な布団専用掃除機です。
普通の掃除機では取りきれないハウスダストやダニのフンや死骸を吸い取ってくれる高性能な布団専用掃除機です。
さらにレイコップはメンテナンスのし易さも嬉しいところ。
ハウスダストやダニのフンや死骸をためておくダストボックスは簡単に外れ、水洗い可能なのでいつも清潔にしておけます。
ダニにお悩みの方は購入を検討してみてはいかがでしょう。
価格:19,440円 |
購入者の声
▼畳を掃除するのにはレイコップかダイソンのどちらが優れているか:【畳の掃除】ダイソンVSレイコップ|畳を綺麗にするのはどっち?
カーペット&絨毯は天日干し
カーペット&絨毯は天日干しをしてダニを駆除しよう
よく晴れた日にカーペットと絨毯は天日干しをしましょう。
天日干しをしている時にダニを落とそうと布団叩きで叩こうとする人がいますが、逆に中に入ってしまう可能性があります。
叩くより、手で優しく撫でるように落とした方が効果的です。
天日干しでカラっからに乾燥させたら掃除機でダニの死骸やフンを吸い込んでいきます。
当然ながらカーペット&絨毯を敷いていた場所にも念入りに掃除機はかけておきましょう。
畳のダニ駆除の仕方
畳の表面に掃除機を念入りにかけて、畳を持ち上げて畳の間に空気を通します。その時に床下を掃除機で掃除できたら尚良い。
吉川先生の話にもありましたが、ダニがいるのは畳の中ではなく表面上です。
まずしっかりと掃除機をかけましょう。
しかしこれだけだと畳の隙間から床下にいるダニの駆除は出来ません。
そこで畳を持ち上げましょう!
私には無理!!!という方もご安心下さい。全部持ち上げるわけでは半分くらいで大丈夫です。
畳を持ち上げる道具は手鉤などをご利用ください。
手鈎 手鉤 ノンコ 90mm (手かぎ 手カギ てかぎ) 父の日 価格:3,000円 |
わかりにくかったらすいません(T . T)
写真では一帖だけですが六帖全て持ち上げておくと良いです。
持ち上げる際に重たい家具などが邪魔で持ち上げられない場合は少し家具を移動させて後ろ側だけでも掃除機を通すことをオススメします。
畳を持ち上げたら空き缶などを挟み込み空気を通して乾燥させてください。
よく晴れた日で半分半日+半分半日で丸一日くらいを目安にお願いします。
その際は無用心になりますが、窓を開けていただき、空気がよく入るようにお願い致します。
加えて可能であれば掃除機をあててダニの駆除をお願いします。
ダニの駆除におすすめの掃除機はダイソン・コードレス!
ダイソン Dyson V8 Fluffy サイクロン式 コードレス掃除機 SV10FFCOM2 アイアン 2017年モデル 価格:46,481円 |
購入者の声
寝具にしろ、カーペット&絨毯にしろ、畳にしろダニの駆除には自然の力だけでなく化学薬品の力も必要かと思います。
ダニ取りシートやダニ駆除スプレーなど色々売っていますので合わせてご利用いただいたら満足のいく結果になるかと思います。
天井にネズミの死骸
何をしてもダニが駆除できないと思ったら屋根裏を疑おう!
これは実体験の話です。
ある日の夜、痒くて痒くて眠れない夜を過ごしました。
赤く腫れた皮膚を見たとき、すぐにダニだ!と思い、翌日ダニ駆除に励みました。
上記に記したことは全てやり、薬品(バルサン)をたき夜を迎えました。
ですが、その日の夜も、次の日の夜も、また次の日の夜も刺されてしまったのです。
困った私は両親に相談しました。
すると両親は「屋根裏かも」と言い、業者を呼んで天井を開けて見てもらいました。
実際には見ていませんが、屋根裏にはネズミの死骸が数匹あったとのこと。
全部綺麗にしてもらった結果、ダニに刺されることはなくなりました。
もし何をやってもダニ駆除できない場合は屋根裏を疑うことをお勧めします。
和室にダニが湧かない為の環境づくり
吉川先生のお話では①高温多湿②餌が必要③産卵できる暗い場所の3つがダニの発生する環境条件だとおっしゃっていました。
②餌が必要
③産卵できる暗い場所
つまりは3つの条件を満たせない場所こそダニが発生できない環境となります。
高温多湿でない環境をつくる
雨量が多く、蒸し暑い6〜9月はなるべく窓を開けて換気しましょう
暑いのは自然現象なのでどうしようもないですが、多湿はある程度防ぐことができます。
例えば除湿機!
我々、畳屋にとって除湿機は相棒と呼べる存在です。
畳の湿気をとってお客様の元へ運ばなければならないので工場は常に除湿機を回しています。
ぜひ皆さんも和室のメンテナンスに除湿機を購入してみてください。
価格:13,800円 |
コチラは楽天の中でも超人気商品です。少し高いですが、性能はイチオシです。オススメの商品です。
購入者の声
餌が無い環境をつくる
定期的に掃除をしよう。布団やカーペット&絨毯や畳の上に食べカスを落とすのはやめよう。
ダニの餌となるものは人間が生活していると必ず出てしまうものばかりです。
それは防ぎようがありません。
ですが、キチンと掃除することによってダニの発生率を抑えることは出来ます。
一日一回でも良いので和室に掃除機をかけるようにお願い致します。
ただ布団やカーペット&絨毯や畳の上でお菓子を食べ、ボロボロ下に落とすのはやめましょう。
食べカスはダニの餌になります。
産卵できない明るい場所をつくる
畳の上にカーペットや絨毯を敷くのはやめましょう。布団の敷きっぱなしは気をつけましょう。畳の下(床上)に防虫シートを敷こう。
畳が痛んできたからという理由で、カーペットや絨毯を敷いていらっしゃる方がおりますが、ダニに好都合な暗い空間を作ってあげているようなものです。
加えて、畳は自然物です。
目には見えませんが、畳は呼吸をして和室の空気を清浄にしてくれています。
その上にカーペットや絨毯を敷いてしまうと畳が呼吸しにくくなってしまいます。
最悪の場合、湿気が溜まってしまいカビの原因などにもなりますので、カーペットや絨毯を敷くのはやめましょう。
ちなみにい草の上敷きの場合も同様の理由ですが、湿気の方は上敷きのい草が吸ってくれるので多少軽減されるかと思います。
布団の敷きっぱなしも同様によくありませんが、起きてすぐ布団を畳むのもよくありません。
起きたばかりの布団は人間の汗による湿気が溜まっている状態になっています。
布団を少し乾燥させてから畳んで、押入れにしまうのがよいと思います。
また、押入れの中も定期的に掃除しましょう。
ダニにお困りの方はぜひ知っておいて欲しい商品があります。
それが畳の下に敷く防虫シートです。
防虫シートとは畳と床の間に敷くシートで、畳替えのタイミングで注文される商品になります。
防虫シート自体は、畳屋さんが持っている業務用の防虫シートで3〜5年くらいは防虫効果があります。値段もお手頃で一帖500円〜1500円くらいで販売されています。
一般的に販売されている防虫シートよりは値段が高くなってしまいますが、一番効果があると思います。(2020年現在、こちらの防虫シートは手に入らなくなりました。違う種類の防虫シートになりましたのでご了承ください。)
ちなみにネットでも購入できるのでチェックしてみてください。
防虫・防ダニ・防カビシート 6帖用 日本製 畳 押入れ ウッドカーペットの下に 防虫紙 防虫シート 防ダニシート 価格:3,960円 |
最後になりますが、ダニが住みにくい環境づくりは、こまめな掃除やこまめな換気で出来ます。
忙しい時間をお過ごしかと思いますが、ダニ駆除の為に頑張りましょう。
最後に
いかがだったでしょう。
少しでもダニ駆除の参考になれば幸いです。
ダニの痒みって本当にしつこいんですよね。
夜も痒くて眠れませんし、イライラします。
でも日々のメンテナンスでダニの発生率を抑えられるなら是非やった方が良いと思います。
私自身も和室に暮らして長いですが、ダニからの攻撃はほとんど受けていません。
一緒に頑張りましょう!
読んでいただきありがとうございました。