この畳どうなってんの?
せっかく高いお金を払って新しい畳にしてもらったのに、お客様に納得のいく畳にならなかった事は少なからずあります。
無論、私どものミスによる失態であれば全力でサポートさせて頂きたいのですが、一概そう言えない場合もあります。
そこで今回はこの畳どうなってんの?畳のクレームランキング【お客様の不満足な声】を紹介します。
畳を張り替える前、畳を張り替え終わった後に読んでもらえたら嬉しいです。
畳のクレームランキング【お客様の不満足な声】
第六位:畳の傷
第五位:畳の色
第四位:畳の匂い
第三位:音鳴り
第二位:ダニ
第一位:カビ
第七位 畳の硬さ
昔の畳と言えば、藁床の畳が一般的でした。
しかし、藁の減少と高騰で藁床の値段が跳ね上がり、もっと安価な商品が求められるようになったのです。
それが木製のチップを圧縮したボード+スタイロフォームの建材床と呼ばれる商品です。
藁床に比べ遥かに安く、納品の際にゴミなども出ない事から現在では建材床が主流になりました。
ただ、建材床にもデメリットがあります。
それは耐久性と硬さです。
ただ木製のチップを圧縮しただけですから藁床に比べて畳が硬いと感じる方は多いです。
今はソフト素材を付ける事も出来ますが、ソフト素材を付けるとそれなりに値段が上がるので結局は高いものになってしまいます。
安価で柔らかい畳を作るためには、まだまだ改良が必要です。
第六位 畳の傷
綺麗な畳に傷がついてる!そんなショックな事が極稀にあります。
施工途中、納品時の配達途中に傷つけてしまったのでしょうか。
お客様にお詫びの気持ちしかありません。
ただ、傷ではないものもあります。
例えば藺草の折りシワ。
写真だと分かりにくいですが、現物を見るとかなり黒い筋が見えます。
これは傷ではなく、ただ藺草の折れ目なだけなので、(霧吹きをかけてローラーを当てたら)次第に消えていくものです。
また傷っぽく見える線も同様で、藺草自体に傷がついていなければ霧吹きをかけてローラーを当てれば基本的には次第に消えていきます。
ご心配なく。
第五位 畳の色
この畳は二種類の藺草を使って製造された畳ではありません。
一種類の藺草で作られたものです。
とは言え、なんか色が違いますよね。
これは畳を縦横にし、光の反射を利用する事で1つの空間デザインにしているのです。
光の反射によって色が違って見える事が畳の面白さでもあり、自然の織り成す美しさでもあります。
その点、ご理解のほどお願い致します。
第四位 畳の匂い
匂いに関して主観ですから畳の匂いが好きだ!という人もいれば嫌いだ!という人もいます。
もう現物の匂いを嗅いで、臭いと感じるか感じないか調査するしか方法はありません。
特に中国産藺草は乾燥過程が国産と違うので匂いが少し酸っぱい香りになっています。
匂いに敏感な方でしたら畳替えを行う前に必ず匂いを嗅ぐ必要があると思います。
▼畳の匂いについてはこちら:い草の匂いが臭い原因は?|畳の匂いを消す3つの方法
ただ、最近あった事ですが、国産の畳でも「畳が臭い」と言われてしまいました。
この理由はわかりませんが、国産であっても鼻が敏感な方は一度畳の香りを嗅いだ方がいいかもしれません。
▼畳の香りについての考察:【い草が臭い】なぜ畳が臭いと言われてしまうのか理由を考えてみた
第三位 床鳴り
床鳴り問題には2つあります。
1つは昔の建材床を使っている場合です。
昔の建材床は今の建材床と違い、糸とスタイロフォームの相性が悪く、かなり床鳴りがしていました。
こちらを治す方法は一度表を剥がして油を指すか、新畳に替えるかどちらかで解決できます。
もう1つは畳と畳が当たる音です。(畳の丈と丈。出合い)
音が鳴って迷惑な思いをしている方にこんな事を言うのは申し訳ないのですが、畳と畳が丁度当たっているというのは、キチンとした畳が作られている証拠で、まず畳自体に大きな問題があるとは言えません。
とは言え、音が迷惑だと言うのであれば、畳を縮めて丈と丈の間を開ける事で解決できます。
他の方法としては、蝋(ろう)を塗る方法もありますが、建具なら効果的でも藺草にはそこまで効果は期待出来ません。
手っ取り早いのは縮めてしまう事が一番です。
第二位 ダニ
痒くて辛い思いをさせて申し訳ないのですが、原因としては畳が全てではありません。
仮に畳の中にいるダニを排除しても部屋(もしくは屋根裏や床下)にダニがいた場合、また刺される可能性があります。
昔ある製薬会社が畳の中にいるダニを駆除するスプレーを売る為に、ダニの本拠地は畳である的なCMを流していましたが、あれは彼らのマーケティング戦略であり、科学的根拠はありません。
https://youtu.be/OruvrOsFAuw
私たちは企業のマーケティング戦略に踊らされてしまったと言うことです。
無論、畳の中にはダニがいます。
ただ、ダニは布団の中にもいるし、タンスの下にもいるし、ソファの中にもいるし、天井にも床下にもいます。
何も畳だけはないのです。
私が言いたいのは畳の責任転換ではなく、元となるもの(ネズミの死骸やホコリ、食べカス、人間の髪の毛、ペットの毛など)をキチンと処理する事が大切だと言うことです。
皆さま畳に凄い怒るけど、原因はもっと根本的なところにあると言うことだけ覚えておいてもらえたら嬉しいです。
▼畳のダニについて詳しくはこちら:畳のダニ駆除はどうしたらいい?|畳にダニが湧いた時の対処法
第一位 カビ
梅雨の時期、畳にカビが生えたと言うクレームは非常に多いです。
特に湿気の多い地域(京都など)や川に近い家、山に近い家などは細心の注意を払う必要があります。
定期的な換気をすること、除湿機や除湿機能を使って湿気を減らすこと、畳を水拭きしないことなどが求められます。
▼カビの除去に関してはこちら:畳にカビが生えたらどうすればいいの?|和室のカビ予防と対策を紹介
また、梅雨時期でなくてもカビが発生する可能性は十分にあります。
例えば12月〜2月。エアコンと加湿器を使う季節ですよね。
部屋の温度を25度以上、湿度を70%以上にしているとカビが発生する可能性があります。
畳の部屋でエアコンと加湿器を使う際には、気をつけてご使用ください。
▼適切な加湿器の使い方はこちら:畳の部屋で加湿器は使っていい?|和室の正しい加湿方法
以上、この畳どうなってんの?畳のクレームランキング【お客様の不満足な声】でした。
最後に
いかがでしたか。
なんか責任転換に感じましたか。
勿論そんなつもりはもちろんありませんよ。畳が悪いところは悪いところで猛省し、改良しなければならないと思っています。
ただ、謝るだけでなく言うべき事はしっかりと主張しなければいけない!と私は思います。
読んで頂き、ありがとうございました。