職人技で畳を作る
YouTube動画で人気が高い動画と言えば、職人技と早技ですが、実は私も恥ずかしながら職人技と早技を投稿しています。他の職人の職人技や早技と比べるとインパクトが弱いような気もしますが、ぜひ多くの方に見てもらえたら嬉しいです。
というわけで今回は【職人技で畳を作る】畳職人の早技YouTube動画を紹介します。何の為の技なのかも紹介していこうと思いますのでお付き合いのほど宜しくお願いします。
【職人技で畳を作る】畳職人の早技YouTube動画
※こちらの動画は全てiPhoneで撮影をしています。画質は綺麗ではありませんが、ぜひ見てもらえたら嬉しいです。
畳職人の早技 からくり
こちらの早技動画は、京都ならではの職人技である端止(からくり、かがり)という技です。からくりやかがりとも呼ばれ、畳表の縦糸を麻糸を使って括って止める職人技になります。(下画像は六本芯)
動画だと少し距離があってわかり難いかも知れませんが、一回輪っかを作って四本の縦糸を括ります。その後二回目で結び締め付けます。
この時、縦糸が出っ放しにならないように、しっかりとからくって後ろ側に倒しておく事が必要です。こうしてしっかりとからくっておく事で畳表が締まり、長期間使用しても解けてこない畳が作れます。
この職人技が生み出された背景には京都ならではの理由があります。
京都は盆地な為に湿気が抜け難い街です(ちなみに奈良県も湿度は高い)。なので、裏返し(畳表を変えずにそのまま裏面を使用する事)をすると湿気のせいでカビが発生してしまい、裏曲げ(畳の裏まで曲げて厚さを作る方法)が出来なくなってしまいます。
そこで、昔の京都の職人は畳表をからくって止めて、畳床の厚さ丁度で作ろうと考えます。
こうする事で万が一裏面にカビが生えても裏返しをする事が可能になります。
このからくりという職人技は、京都に修行に来た丁稚が一番最初に習う基本中の基本で、からくりが早く綺麗に出来る職人は畳を作るのも上手いと畳職人の先生たちは言っていました。
私にとってからくりは地味な職人技ですが、とても大切な作業の一つで、麻綿双糸もしくは麻麻双糸の場合は必ずからくるようにしています。なので、他のサイトで自己紹介動画を投稿した際には、このからくり動画を自己紹介として投稿しました。
今後、畳を交換する事がありましたら、ぜひこういった敷き込んで見えない部分にも注目してもらえたら有難いです。
畳職人の早技 框縫い(うわ綴じ)
こちらの職人技は畳の框縫いになります。框縫いには二つの種類があります。一つは際どい厚さを調整しながら藁を入れて框を綴じていく伏せ框という手法。もう一つがこの職人技動画で紹介した上綴じという手法です。
伏せ框は主に新畳を作る時の手法で、上綴じは主に表替えもしくは裏返しの時の手法です。ただ、この動画を見てもらってわかる通り、新畳を作る際にも上綴じをする場合があります。(私の場合は・・・。理由は聞かないでください)
そもそも、なぜ畳表を糸で縫って止めた方がいいのか。
これは職人技というより畳職人の自己満足みたいなものです。畳に用いられる技術なんてのは先ほどのからくりもそうですが、全部が自己満です。別にタッカーで止めたって、ボンドで止めたって、敷き込んでしまえばバレないのだから適当で良いですよね。
でも、それで納得できる人もいれば、納得できない人もいます。お客様の為に!なんてカッコつけるわけじゃありません。ただ、自分が京都で学んできて納得できる仕事ができないなら畳を作るのなんてやめた方がマシだと私は思うのです。
それはお金にならないかもしれない。誰にも気づかれないかもしれない。
それでもいい。自分が納得できる仕事ができないなら、職人なんてやらない方がいい。と私は思います。職人技や早技などの技術、技能もすごく大切な事ですが、一番大切な事はそれをちゃんと使っていく想いです。
資本主義社会で私のような考え方は逆行しているかもしれませんが、読んでくださる一部の読者様に共感してもらえたら幸いです。
以上、【職人技で畳を作る】畳職人の早技YouTube動画でした。
最後に
いかがでしたか。
畳職人の早技、職人技はわかりましたか?
今回の記事では、畳職人の技術や技能について解説しました。(最後に私の想いもちょっとだけ・・・。)
ただ、これは畳を作る職人技のほんの一部です。これからも動画を撮影して投稿していきたいと考えていますので、もし良ければYouTube動画のチャンネル登録とイイネボタンを押してもらえたら嬉しいです。
もちろん、こちらのブログも引き続き宜しくお願いします。
読んでいただきありがとうございました。