畳を踏むと音が鳴る原因は?
畳の上を歩いていると「キュキュ」と音が聞こえることが極稀にあります。この音の原因は一体何なのか?畳から音が鳴った場合どう対処したら良いのか。
そこで今回は、畳を踏むと音が鳴る原因は?畳から音鳴りがした場合の対処法を紹介します。
畳が音鳴りして困っている方の参考になれば嬉しいです。
畳を踏むと音が鳴る原因は?
畳を踏むと音が鳴る原因は主に以下の三つです。
・畳縁とよせの木が擦れる音
・畳床と縫糸との兼ね合い
畳と畳が擦れる音
畳を踏むと音が鳴る原因の一つは、畳と畳が擦れる音。つまり藺草が擦れる事により音が鳴ることが考えられます。
特に新しく畳替えをした畳は床板に馴染んでおらず畳が反り上がった状態になっていることがあります。これは床板が真っ直ぐな場合であれば、反り上がるリスクも減るのですが、多くの場合根太が上がっているなど床板が真っ直ぐなご家庭は少ないのが現状です。
畳が反り上がった状態で片方の畳を踏めば畳は下がりますから触れている畳に対して摩擦が生じ、音が発生します。
畳縁とよせの木が擦れる音
二つ目の畳を踏むと音が鳴る原因は、畳縁とよせの木との摩擦が生じ、音が鳴ってしまうことです。
畳縁(純綿縁)の場合、よせの木(木材)との相性が悪い(品質的なものではなく、あくまで音に関して)と畳を踏む度に音が発生してしまうことがあります。
先ほどの藺草が擦れる音もそうですが、ピッタシに作っているからこそ鳴る音なので畳屋さんの技術的なレベルが低いわけでは無いことは述べておきます。
畳床と縫糸との兼ね合い
今から30年前くらいですかね。値上がりする藁床の代わりに建材床と呼ばれる商品が登場しました。建材床は木製のチップを圧縮して作ったボードとカネライトフォームを間に挟み糸で縫い上げた畳床材なのですが、登場した当初は糸とボードとカネライトフォームの相性が悪く音鳴りが凄くしました。
それから時を経て、今は殆ど音が鳴らないまでに改善されたのですが、一部で当時敷き込まれた畳が残っていたり、間違えて紛れてしまったりなどの事例があると聞きました。
これは出回っているごく一部の例なので、このような畳が沢山出回っているとは考え難いですが、畳を踏むんで音がなると困っている方の中に、もしかしたらこのような畳が使われている可能性があるかもしれません。
畳が音鳴りがした場合の対処法
それでは畳がお隣した場合の対処法を紹介します。ただ、その前に・・・。
基本的に畳を上げたり敷き込んだりするので、信頼できる畳屋が近くにいるなら畳屋さんに頼んでしまった方が早いと私は思います。
畳屋さんに頼みたく無いという方は以下ご覧ください。
・畳床と縫糸との兼ね合い→床穴に植物性の油をごく少量垂らす
ロウを塗る
畳と畳が擦れて音が鳴る場合、畳縁とよせの木が擦れて音が鳴る場合におすすめな対処法がロウを塗ることです。
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畳と畳が擦れる部分、畳縁とよせの木が擦れる部分に良くロウを塗ると滑るので音が減少します。こちらの方法は私たち畳職人が一般的に行う方法で、私自身も何回も試したことがありますが、音は殆ど気にならない程度になりました。
また、畳をハンマーで叩いて縮めてしまう手法を使う方もいます。私は全くお勧めしませんが、ロウを塗っても音が気になるという方は試してみて下さい。
最後に、畳は使っているうちに馴染んできます。馴染んでくれば次第に音は止んできますし、気にならなくなります。神経質になると疲れてしまうので、いつか馴染むと考えて気楽な気持ちで使っていきましょう。
床穴に植物性の油をごく少量垂らす
畳床と糸との相性が悪い場合は畳を裏返しにして畳床の穴に油を少量注ぐと音は軽減されます。これは最初に言った通り、畳屋さんに頼んだ方が良いですが、もし御自分でされる場合は、油を入れる量に要注意して作業して下さい。
油を入れ過ぎると畳表にまで浸透しシミを作ってしまう可能性があります。
もし、それでも畳の音が止まない場合は、畳を新畳に変えるしかありません。その分お金は掛かりますが、床穴に油を入れるよりお勧めの方法です。
以上、畳を踏むと音が鳴る原因は?畳が音鳴りがした場合の対処法でした。
最後に
いかがでしたか。
畳を踏んだ時に鳴る音の原因&対処法はわかりましたか。
参考になれば幸いです。
音は気にしない方が良いと書きましたが、一度気になると直るまで気になってしょうがないのが人間の性というものです。出来ればお客様の耳を汚す不快な音が消えてくれることを祈っていますが、どうしても無理な場合は、畳を変えるかフローリングにするか選択するしか無いです。(とはいえ、フローリングにしたからと言って音鳴りしないわけではありません)
最悪のケースとして覚えておいて頂けたら幸いです。
読んでいただきありがとうございました。