雨の日に畳替えはいけないの?
雨の日に畳替えって出来ますか?と聞かれることはよくあります。もちろん、お客様が望むのであれば畳替えを行い納品させていただきます。
それは私だけでなく、多くの畳屋さんも同意見でしょう。
とはいえ、雨の日に畳替えをすることはおすすめしていません。その理由は何なのか。
そこで今回は、雨の日に畳替えはいけないの?雨天の畳替えがお勧めできない理由を紹介します。
雨の日に畳替えを検討している方の参考になれば嬉しいです。
雨天の畳替えがお勧めできない理由
・畳が湿気を含んでカビやすくなる
・現場を汚してしまう可能性がある
雨で畳が濡れる
雨天の畳替えがお勧めできない理由は、雨で畳が濡れるからです。畳は自然物です。小雨程度の雨であれば、濡れても全く問題ありませんが、強い豪雨であれば藺草の色が変色してしまう可能性があります。
時間が経てばある程度乾いてくるのですが、完璧に元に戻るかと言えば・・・微妙です。畳は陽の光にあたれば焼けて変色します。焼けてしまえば、変色した色は目立たなくなりますが、せっかく新しくした畳の一部が変色したら気になることは間違いありません。
なので雨の日の畳替えはお勧めできないです。
畳が湿気を含んでカビやすくなる
雨天の畳替えがお勧めできない理由は、畳が湿気を含んでカビやすくなるからです。私たちは梅雨の時期の畳替えを要注意としています。その理由が湿気です。高温な湿度はカビが発生する原因と言われるので梅雨の時期になると細心の注意を払って畳替え工事をしています。
実は、梅雨以外にも畳替えで注意すべき時期はあります。それが冬です。「え?冬は寒いから大丈夫でしょ?」と思う方も多いのですが、寒いからこそ暖房器具を使うし、喉が痛くならないように加湿器を使いますよね。
もし、その環境をずっと保ち続ければ、カビが発生する可能性は十分に考えられます。しかも畳の納品時に雨が降っており、畳が湿気を大量に含んでいたら・・・。
なので雨天の畳替えはお勧めできません。
現場を汚してしまう可能性がある
雨天の畳替えがお勧めできない理由は現場を汚してしまう可能性があるからです。私たち畳職人の多くはお客様の室内と外を行き来するのでサンダルやスリッパ(もしくは踵が無い作業靴)などを履いています。
雨であれば、靴下が汚れる可能性があり、お客様の大切なお家を汚してしまう可能性があります。もちろん、そういったことを考慮して、それぞれの畳屋さんが対策を講じていますが、土砂降りの雨であれば無意味でしょう。
したがって、雨天の畳替えはお勧めできません。
では、雨の日に畳替えをしてはいけないのか。
雨の日に畳替えはいけないの?
それは一概には言えず、雨と言っても雨量のレベルによって答えは変わります。小雨や霧雨なら殆ど問題ありませんし、雪や霙なら対応可能です。(例外的な雪や霙は不可能な場合もある)
逆に一時間の雨量が3ミリ〜5ミリ超過の場合は、畳の引き上げ&納品はお勧めできません。ちなみに20ミリ〜30ミリ超過の雨量であれば、畳の引き上げ&納品は絶対にやめた方がいいです。(ただ、駐車スペースに屋根がある場合は可能かもしれませんが。どちらにせよそれだけ湿気が溜まった状態で畳を納品することはお勧めできないので、後日に延期できるのであれば、延期しましょう)
とは言え、雨はいつか止みます。一日中降っていることも多いですが、午後から晴れたり、夕方には曇ったりするケースも多々ありますので、納品時間をなるべく決めずに天気と相談しながら畳を納品させて頂けたら幸いです。
以上、まとめ。
一時間の雨量が3ミリ未満の場合であれば、畳替えは問題なくできる
一時間の雨量が3ミリ〜5ミリ超過の場合であれば、畳替えはお勧めできない
一時間の雨量が20ミリから30ミリ超過の場合であれば、畳替えは絶対にやめておいた方がいい
最後に
いかがでしたか。
なぜ雨天の畳替えがお勧めできないのかわかりましたか。雨の中での畳替えを検討している方の参考になれば幸いです。
勿論、この記事の内容に当てはまらない例外もあります。
例えば、最近販売されている洗える畳なんかは雨に濡れようが、雪に当たろうが関係無いので、いつでも納品できます。また、地下駐車場から納品する場合もそこまで雨の心配は無用かと思います。
他にも小さい置き畳などは大きい袋に入れて運ぶことが可能なので、こちらも雨天の納品は可能になります。つまりケースバイケースと言ったところです。
その都度、畳屋さんとよく相談をして決めて頂けたらいいと思います。
読んでいただきありがとうございました。