今回は畳職人がおすすめする畳のダニ退治方法を紹介します。
高温多湿なこの季節。ダニが最も繁殖しやすいと言われています。
畳の問題は畳職人が解決したい!そう思って今回は記事を書きました。ダニに困っている方々の参考になれば嬉しいです。
畳職人がおすすめする畳のダニ退治方法
・【ダニ駆除シート】ダニシラズEシートを畳に装着する
・畳の下の床板を乾燥&掃除する
・殺虫剤を使用する
押入れを乾燥&掃除をする
今回、畳のダニ退治方法としてブログ記事を書きましたが、まず一番最初にやって欲しいのは押入れの掃除と乾燥です。皆様の中には、何故だか畳の上にだけダニがいると思っている方がいらっしゃいますが、ダニの生息地は薄暗くて湿気があって、暖かいところ。さらに人間の髪の毛や皮膚、垢などのダニの栄養になるものが豊富にある場所にダニは生息しています。
つまり、ダニが沢山いる場所は畳だけではないのです。
この点を勘違いされて「畳をなんとかすればダニがいなくなる」と思っている方が大勢いらっしゃいますが、それは間違いなのです。
押入れだって、ソファだって、クッションだって、カーペットだって、布団にだって、枕にだってダニは存在します。なので、痒くなったらダニが生息しそうな場所を全て綺麗にする必要があります。
特に、布団には注意が必要です。布団には人間の汗が染み込んでいますし、寝ている間に抜けた髪の毛などが多くこびりついています。もし乾燥も掃除せずにそのまま押入れにしまったらダニが繁殖するのは当然です。
畳のダニを退治する前に、布団を干したり、押入れの中を掃除したり、乾燥させるといったことが必要になります。
もし、可能であれば掃除&乾燥の際に、押入れの床下に抗菌調湿シートを敷いておくとダニ対策には効果的だと思います。抗菌調湿シートとは炭の力で湿気を吸い取ってくれるシートの事で、高湿度の防止に繋がります。
そういった抗菌調湿シートは畳屋で購入できます。(畳屋は面倒だという人はネットで購入して下さい)
●楽天で買える炭入りの防湿シート
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注意
この防湿シートを押入れに敷いたからといってダニがいなくなるわけではありません。これはあくまで防湿シートです。高湿度を防止する為のシートだと思って下さい。
ちなみに私は、畳表のカビ防止の為に防湿シートを使用しています。値段の割にはちゃんと効果があるので(カビが発生していない)、お買い得な防湿シートだと思います。
【ダニ駆除シート】ダニシラズEシートを畳に装着する
※画像は畳資材メーカー有限会社佐々井商店さま
畳職人がおすすめする畳のダニ退治方法は、ダニ駆除シートであるダニシラズEシートを畳に装着することです。ダニシラズEシートとは、畳機械メーカーの東海機器工業株式会社様とオハイオ州立大学大学院昆虫学部卒業の農学博士である吉川翠先生の共同で開発されたダニの防虫シートになります。
ダニシラズEシートの成分は殺ダニ効果のあるホウ素系化合物。それをコーティングした不織布がダニシラズEシートになります。
ダニシラズEシートは、防虫紙独特の匂いがほとんどない無臭シートであり、人間の健康にも害がない安心安全なダニ駆除シートです。また、ダニシラズEシートの持続する効果も8年〜10年ほどもつと言われ、他のダニ駆除シートに比べても長持ちします。
これらの事からダニシラズEシートは、畳屋から絶大な信頼を得ているダニ駆除シートになります。
ただ、残念なことにダニシラズEシートにもデメリットがあります。
まずダニシラズEシートは、ネットで購入することができません。畳屋に注文して工事が必要になるダニ駆除シートです。工事というのは、ダニシラズEシートを畳表と畳床の間に敷く工事で、簡単な施工ではあるのですが、どうしてもある程度のお金と時間が掛かってしまいます。
ダニシラズEシートには、そういったデメリットがある為、世間での認知度が非常に低いダニ駆除シートになってしまっているのですが、私は畳職人の仕事をやって来て、何度もこちらのダニシラズEシートに助けられました。
「ダニが出た!痒い!」と怒っていたお客様も「ありがとう。ダニ駆除シートを敷いてもらってからダニがいなくなったみたい」と喜んでもらえたのです。
畳の上のダニに困っている方にはダニシラズEシートが是非おすすめです。
▼防虫シートの効果についてはこちら:防虫シートはどれくらい効果があるの?|畳や敷物に人気おすすめ防虫紙
ちなみにですが、畳職人のダニ退治の方法はダニシラズEシートを敷いて終わりではありません。
こういった防虫、防カビ材をスプレーにして畳床に吹き掛けたり、畳床の掃除と乾燥もします。
これは私だけでなく、多くの畳屋さんが行なっている防虫防カビ処理なので、和室のダニやノミ、カビなどにお困りでしたら畳屋さんにお尋ねすることをおすすめします。
畳の下の床板を乾燥&掃除する
畳職人がおすすめする畳のダニ退治方法は、何もダニ駆除シートだけではありません。
なるべくお金が掛からない方法もあります。
まず、畳を手鍵か何かで持ち上げて、その間に空き缶などの厚みがあるものを挟み込みます。畳と床板の高さはある程度調整してもらって、掃除機を入れて掃除をします。掃除は全体的にしてもらっても良いのですが、主に畳と畳の間である四方を中心的に掃除してもらえれば大丈夫です。
これを一枚ずつ繰り返します。
出来れば畳の下の床板も乾燥させたいので、掃除した場所は空き缶を取らずにそのままの状態で放置しておくと良いでしょう。(画像では分かりやすいように真ん中の畳を持ち上げていますが、最初は奥の畳から掃除&乾燥をしていくと段取りが良いです)
そもそもダニは明るいところから暗いところに移る習性があります。その習性を利用し、掃除機でダニを吸い上げてしまおうという作戦です。
これだけでもダニ退治への効果が期待できます。
その後で、例えば市販で購入できるダニ退治のスプレーを吹き掛けてもらっても良いのですが、せっかく畳を乾燥させたわけですから、ダニ退治のスプレーを吹き掛けた後、もう一度乾燥させましょう。
このダニ退治方法は、晴れの日に作業をして頂くことをおすすめします。
殺虫剤を使用する
ここまで畳職人がおすすめする畳のダニ退治方法を紹介してきましたが、何をやってもダニが退治できない場合には、バルサンなどの殺虫剤を使用することをおすすめします。
②コップや食器などは別の部屋に移動する
③仏壇や寝具(布団などは外に干す)、衣類などはビニール袋に包み直接殺虫剤の霧が触れないようにする
④ペットや観葉植物などは別の部屋に移動する
⑤火災報知機はビニール袋で覆う
バルサンなどの殺虫剤を使用した後は、よく換気をしてから掃除機を全体的に掛けてください。使ってワンシーズンはダニに刺される心配もなくなるかと思います。
とは言っても、やっぱり殺虫剤は使いたくないですよね。そんな人におすすめなのがダニオフ ファブリックスプレーです。
価格:1,650円 |
私は殺虫剤を使うと喉が痛くなる体質?であまり使いたくない。そんな敏感な私でもこちらのスプレーは全く影響はありません。しかも、殺虫するような匂いではなく、普通に良い香りなので気兼ねなく枕などに吹きかけることができるので、本当におすすめです。
もし、これら全ての方法を試してもダニが退治できない場合には、屋根裏にネズミの死骸がある、もしくは床下に野良猫の死骸がある可能性があります。
そういった場合には、原因になっている元を駆除しなければダニ退治はできないかと思います。工務店もしくは大工さん、害虫駆除の専門業者に依頼する他ないです。
参考になれば幸いです。
以上、畳職人がおすすめする畳のダニ退治方法でした。
最後に
ダニの発生条件は室内の温度が25度〜28度前後。湿度が70%〜80%。ダニにとっての豊富な栄養がある。これらが揃うとダニは繁殖し、増殖していくと言われています。
それはこれからの季節(6月〜9月頃)です。
ピークを迎える前に対策し、ダニに食われて痒くなっても焦らずダニを退治して欲しいと思います。
まずは換気と掃除です。よろしくお願いします。
読んで頂きありがとうございました。