「日本の畳を世界へ」GOKAIDO様のYouTubeで樋口畳商店の製作風景が紹介されました

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樋口裕介の写真
樋口 裕介(ひぐち・ゆうすけ)
一級畳製作技能士樋口畳商店 代表
京都市にある黄綬褒章を受章した現代の名工の店「沢辺畳店株式会社」で修業後、東京都江戸川区にて樋口畳商店を独立開業。
京都畳競技会 京都府知事賞優勝/国家資格 一級畳製作技能士 取得。
2021年10月27日(水)、TOKYO MX「バラいろダンディ」に出演し、畳職人としての技術やこだわりが特集されました。
東京都江戸川区の神社仏閣から一般住宅、お茶室や屋形船、ゲストハウスまで幅広い施工実績。
一級畳製作技能士 資格証 京都畳競技会 優勝トロフィー

日本の畳文化を、メキシコから世界へ。

このたび、メキシコを拠点に海外へ畳を販売されている 「GOKAIDO(ゴカイドウ)」様 に、
私・樋口裕介が畳を製作する様子を撮影していただきました。

Gokaido LLC:https://tatami-shop.com/

動画はYouTubeで公開されており、京都での6年間の修行経験をもとにした 伝統的な畳づくりの工程 を、
一つひとつ丁寧にご紹介いただいています。

📺 動画はこちらからご覧ください
👉 YouTube:GOKAIDO × 樋口畳商店(Part 1)


動画の見どころ

動画では、畳職人としての手仕事を細やかに追いかけてくださっています。

  • 採寸・角出し(00:40)
     畳の角を正確に90度に仕上げるための、緻密な測定作業。
  • 縫い合わせ(07:45)
     畳表を丁寧に縫い合わせていく手仕事。
  • 作業台と道具へのこだわり(09:07〜11:32)
     自作の回転台や作業台、木材を削って作った特注の道具など、職人の工夫が光ります。
  • 穴を閉じる“引きかけ”作業(10:32)
     い草が水で膨らむ性質を生かした、伝統的な修復技術。
  • 全立てと補強(13:31)
     畳縁が下がらないように、紙を差し込んで補強する昔ながらの技。
  • 畳縁の選定(15:21)
     お客様の好みに合わせて選ぶ縁(へり)の色と柄。
  • 平しわ・目のり(18:29〜18:37)
     美しい仕上がりに欠かせない、畳表のしわ伸ばしと目合わせ。
  • 海外向けの仕上げ処理(21:36〜22:41)
     防虫・防カビ処理を施し、海外出荷に対応した最終工程。

海外に広がる「日本の心」

動画の最後では、私の想いも紹介していただいています。
畳という日本の伝統文化を、もっと多くの国の方々に知っていただきたい。

これまでに オーストラリア、オランダ、メキシコ などへ畳を送り出してきました。
また、海外の住宅事情に合わせた 「折りたためる畳」や「軽量畳」 などの開発にも力を入れています。


ぜひご覧ください

GOKAIDO様の素晴らしい映像技術と編集によって、
畳職人の現場の空気をそのまま感じていただける動画になっています。

もし動画を気に入っていただけたら、
YouTubeでの「高評価」や「コメント」で応援していただけると嬉しいです。

📺 GOKAIDO × 樋口畳商店 YouTube動画はこちら

次回、第2弾の動画も公開予定とのことです。どうぞお楽しみに!

【追記】第2弾動画「畳の表替え作業」公開のお知らせ

メキシコを拠点に海外へ畳を広めている GOKAIDO(ゴカイドウ)様 とのコラボ動画、
第2弾がYouTubeで公開されました!

📺 動画はこちらからご覧いただけます
👉 GOKAIDO × 樋口畳商店(Part 2)「畳の表替え作業」


🔹今回のテーマ:「畳表替え(おもてがえ)」とは?

今回の動画では、畳の芯材(畳床/たたみどこ)はそのままに、
表面の 畳表(たたみおもて)だけを新しく張り替える「表替え」 の工程を紹介しています。

畳をまるごと交換するよりも費用を抑えられるため、
昔から一般家庭でもよく行われてきた伝統的な方法です。


表替えの繊細な手仕事

動画では、単に畳表を取り替えるだけでなく、
古い畳床を整えながら新しい表を縫い付けていく職人の技が映し出されています。

  • 糸の緩みを調整(05:06〜)
     経年で緩んだ糸の締め加減を、針の感触で見極めながら修正していく繊細な作業。
  • 伝統的な油技法(09:07〜)
     針の通りを良くするために、あごの下の油(人の皮脂)を使うという昔ながらの知恵も紹介。
  • 古い畳表の再利用(07:14〜)
     裏面がきれいな場合は「返し」や「死んだめの返し」と呼ばれる再利用の技も登場します。

畳床の寿命とメンテナンス

動画で使用されている畳床は、なんと約40年もの歴史を持つ古いもの。
現代の畳には青いビニールシートが付いていますが、これはそれ以前の貴重な仕様です。

  • シミやダニ、カビなどが発生しなければ、畳床自体は何十年も使い続けることが可能
  • ただし、湿気がこもりやすい場所ではカビが発生しやすく、
     そのような環境では 大建(ダイケン)や積水(セキスイ)製の化学畳 が推奨されると説明しています。

また、表替え後の畳表は 使い方によって約15年持つ とされていますが、
一般家庭では 5〜7年ごとの交換 が目安とのことです。


い草の違い:国産 vs 中国産

今回の動画の中でも特に注目していただきたいのが、
「国産い草」と「中国産い草」の違いについての解説です。

  • 匂いの違い(02:40〜)
     中国産い草には独特の“酸っぱい匂い”があり、炭シートで包んでも完全には消えません。
  • 乾燥工程の違い(12:19〜)
     国産い草は長時間かけて自然乾燥させるのに対し、
     中国産は石炭を使って短時間で高温乾燥させるため、
     その“石炭のにおい”が残ってしまうのだそうです。

畳の香りが好きな方にとって、この違いはとても興味深い部分かもしれません。


🌏日本の伝統を世界へ

動画の最後では、第1弾でも語られた「海外への挑戦」にも触れています。

これまでに オーストラリア・オランダ・メキシコ などへの輸出実績があり、
海外の住宅事情に合わせた 「折りたためる畳」や「軽量畳」 の開発も進めています。

📩 購入やお問い合わせは、YouTube概要欄のフォームから受け付けています。


第1弾・第2弾あわせてご覧ください

  • 第1弾では、畳づくりの基本工程や道具へのこだわりを。
  • 第2弾では、畳を長く使い続けるための「表替え」の知恵を。

どちらの動画も、日本の職人の技と心が込められています。
ぜひ両方あわせてご覧ください。

📺 第1弾を見る
📺 第2弾を見る