和室って何に使う部屋?畳職人がオススメする和室の活用法

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樋口 裕介(ひぐち・ゆうすけ)
一級畳製作技能士樋口畳商店 代表
京都市にある黄綬褒章を受章した現代の名工の店「沢辺畳店株式会社」で修業後、東京都江戸川区にて樋口畳商店を独立開業。
京都畳競技会 京都府知事賞優勝/国家資格 一級畳製作技能士 取得。
2021年10月27日(水)、TOKYO MX「バラいろダンディ」に出演し、畳職人としての技術やこだわりが特集されました。
東京都江戸川区の神社仏閣から一般住宅、お茶室や屋形船、ゲストハウスまで幅広い施工実績。
一級畳製作技能士 資格証 京都畳競技会 優勝トロフィー

・和室って何に使う部屋なの?
・和室のオススメの使い方は?

こんにちは。畳職人の樋口です。
皆さんのお宅に「和室」はありますか?

「和室があるけど、結局物置部屋になっている…」という声をよく聞きます。
しかし、それはとても もったいないこと です。

和室には畳が敷かれており、クッション性や吸音性、い草の香りによるリラックス効果など、他の部屋にはない魅力がたくさんあります。今回は、畳職人の視点から 和室のおすすめの使い方 をご紹介します。

和室って何に使う部屋?

そもそも和室は何に使う為に作られた部屋なのでしょうか。和室の原型となるのは書院造りです。

書院造りは武士が学問を学んだり、華道を学ぶ、今で言う勉強部屋でした。

安土桃山時代になると、茶道の影響からお客を招く部屋「客間」として使われるようになりました。江戸時代には和室も庶民に普及し、リビングとして寝室として使われるようになったのです。

和室の使い方の歴史を見てみると、多様な使われ方をしているのがわかります。つまり、和室は何に使ってもいい部屋使い勝手が良い部屋とも言えるかと思います。

新しい令和の時代、皆さんのライフスタイルも著しく変化していくことでしょう。和室はその人にあった使い方をしていただくのがいいのではないかと思います。

畳職人がオススメする和室の使い方

1. 寝室として使う

畳はクッションが入っているため、床が柔らかく、マットレスがなくても快適に眠ることができます。特に和布団を敷くと、寝返りがしやすく、朝すっきりと目覚められるという声も多いです。


2. 客間として活用する

急な来客でも、和室があればすぐにおもてなしが可能です。布団を敷けば宿泊もでき、応接用に座布団やローテーブルを置けば、多目的に使える便利な空間になります。


3. 子供の遊び部屋にする

畳は柔らかいので、子供が転んでも怪我のリスクを軽減できます。さらに、畳には吸音性があり、走り回る音が階下に響きにくいのも大きなメリットです。小さなお子さんがいるご家庭には特におすすめです。


4. 勉強部屋にする

畳の材料である「い草」には集中力を高める効果が期待できると実験でも証明されています(参考記事:朝日新聞)。静かな和室で勉強すれば、学習効果も高まるでしょう。


5. 瞑想・ヨガ・ストレッチ

い草には「バニリン」や「フィトンチッド」という成分が含まれており、森林浴のようなリラックス効果が得られるとされています。和室でヨガや瞑想をすれば、心身のバランスを整えるのに最適です。


6. 筋トレルームとして

畳は適度なクッション性があるため、腕立てや腹筋、ストレッチなどの軽い筋トレにぴったりです。実際に私も畳の部屋で週3日筋トレをしていますが、膝や肘を痛めにくく快適です。


7. リモートワークスペース

コロナ禍以降、リモートワークで畳の需要が増えています。小さな机や座椅子を使えば、和室が簡易的なオフィスに早変わり。集中しやすく、オン・オフの切り替えもしやすいのが魅力です。


8. ゲーム&ゴロゴロ部屋

和室は「とにかくリラックスしたい」時に最高の空間です。畳に寝っ転がりながらゲームをしたり、漫画を読んだり…最高の贅沢ですね。ヨギボーなどのビーズソファを置けば、さらに快適なゴロゴロ部屋になります。


9. 畳職人がおすすめする和室の活用法

私のおすすめは「季節ごとに使い方を変える」ことです。

  • 夏は涼しい畳の上でゴロ寝
  • 冬はこたつを置いて家族団らん
  • 春と秋は窓を開けてい草の香りを楽しみながら勉強や読書

和室は、ライフスタイルに合わせて柔軟に使える万能な部屋なのです。

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まとめ

和室は「物置部屋」にしてしまうにはあまりにももったいない空間です。
寝室、客間、子供の遊び場、勉強部屋、ヨガや筋トレのスペース、リモートワーク用の部屋、さらにはゲームやゴロゴロ部屋まで、暮らしに合わせて自由に使うことができます。

畳職人として強く思うのは、和室はただの空き部屋ではなく 生活を豊かにするための大切な空間 だということ。ぜひ一度、ご自宅の和室を見直して、新しい活用法を取り入れてみてください。