【自作木工作業台】畳職人がDIYで作った!畳が回転する作業台

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樋口 裕介(ひぐち・ゆうすけ)
一級畳製作技能士樋口畳商店 代表
京都市にある黄綬褒章を受章した現代の名工の店「沢辺畳店株式会社」で修業後、東京都江戸川区にて樋口畳商店を独立開業。
京都畳競技会 京都府知事賞優勝/国家資格 一級畳製作技能士 取得。
東京都江戸川区の神社仏閣から一般住宅、お茶室や屋形船、ゲストハウスまで幅広い施工実績。
一級畳製作技能士 資格証 京都畳競技会 優勝トロフィー

皆さん、こんにちは!畳職人の樋口です。今回は畳職人がDIYで作った!畳が回転する作業台を紹介します。これまでの作業台と何が違うのか、畳を作る作業がどう変わるのか紹介できたら幸いです。

そもそも畳職人の作業台とは?

畳職人の作業台とは畳を作る際に使う台のこと

。畳職人の作業台は一般的な作業台に比べて丈も幅も長いのが特徴です。ただし、畳を作る際に正座をして作業するため、台の高さは低いのも特徴のひとつです。

また、一般的な作業台に比べて丈夫です。藁の畳は一枚40キロを超えるものもあります。その畳を表に返したり、裏に返したり何回もするわけですから丈夫なものでないと壊れてしまいます。

ちなみに画像に写っている畳作業台は出仕事用の折りたためる作業台です。出仕事用の作業台でも丈夫な作りになっています。

畳職人の作業台へのこだわり

畳職人はこだわりが強い人が多いです。例えば、道具へのこだわり。縫う針一本購入するのにも重春が良い!澤田が良い!玉井が良い!とこだわります。畳包丁なんかもっとすごいです。

当然、

畳を作る作業台へのこだわりも強い

。一番は作業台の高さですね。人によって座高が違いますから低かったり高かったりすれば力が入らず、畳作りに支障をきたします。

私自身ももちろん作業台へのこだわりは強く、畳作業台を作ろうと決めたその時から沢山設計図を書いてイメージを膨らませました。

では、私がDIYで作った作業台にどんなこだわりが詰まっているのか紹介していきたいと思います。

【自作木工作業台】畳職人がDIYで作った!畳が回転する作業台

この

自作木工作業台最大のこだわりは、畳を回転させることができる回転台

です。

回転台の土台は、梃子の原理と足踏みペダル型ゴミ箱を参考に作りました。

畳を持ち上げる円形の回転台は、クたってしまっている畳も擦れることなく持ち上がるように、なるべく大きいサイズで作り安定性を実現。

重たい藁床の畳も軽い建材床の畳もどちらも簡単に持ち上がり、二回転まわしても安定して回転させることができます。

これにより畳を作る作業効率はアップ↗︎。さらに畳を持ち上げる動作が減少するので、腰への負担も軽減されます。

畳作業台の高さのこだわり

続いての畳作業台のこだわりは作業台高さです。

私が京都で修行していたお店では台の高さが高い作業台が一台だけ置かれて使われていました。その作業台は現在の社長さんの専用台、私たち丁稚はほとんど使ったことがありません。

私はある日、面白半分にその作業台で畳を作ってみることにしました。すると、めちゃくちゃ作業がしやすい。と言いますか、腰が楽なんです。

台の高さを少し高くするだけでこんなに楽になるなんて。いつか自分でお店を開業したら絶対この台と同じくらいの高さにしようと思いました。

ただ、少しミスがありました。測り間違えと言いますか台の高さが10㎝近く高くなってしまったのです。

もう少し低ければ完璧だったのに。初めての自作木工作業台なので仕方ないと諦めて使っていこうと思います。

ちなみに使っている木材はヒノキです。畳は霧吹きを使ったり、濡れたもの作業台で乾かしたりするので湿気に強いヒノキを使いました。

あとは作業をしやすいように道具を配置し、飲み終わったレッドブルやモンスターを小道具の入れ物代わりにしてこだわりは終了。

仕事しやすい環境が整いました。

最後に

一般的には畳作業台はお世話になっている大工さんに頼みます。自分もはじめはそうしようと思いました。ただ、自分の場合こだわりが強すぎて逆に面倒がられるのではと思い、DIYで作ることにしたのです。

工期は二日程度で終わりました。難しかったのは台の高さ調整ぐらいですかね。何はともあれ出来上がって良かったです。

読んでいただきありがとうございました。

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