日本的な職人

芸術家と職人は違う。芸術家はアート性を重要視し、職人は人に使ってもらうことを重要視する。多くの職人は人に使ってもらうことを前提にすると、アート性は生まれないと考えています。

でも、これは日本的な職人の考え方なのかなと最近思います。

例えばイタリア。イタリアは職人の国として伝統産業が盛んである。クレモナのバイオリン、チェロなんて有名です。他にもヴェネチアングラスや家具、服、革靴なんかも世界では名が知れ渡っています。

では、イタリアのものづくりはアート性がないのか。確かにバイオリンやチェロは形が決まっているのでアート性よりも演奏家が演奏しやすいよう作られていますが、ヴェネチアングラスや家具、服、革靴は人に使ってもらうことも前提にして、アート性が強く反映されています。

どう?俺の作品かっこいいでしょ?作品の数々からそんな声が聞こえてきます。

私個人的にはイタリアの考え方に共感します。人に使ってもらうことを前提にものづくりをするのは本当に大切なこと。お客様に長く使ってもらえることが職人の喜びだと思っています。

ですが、その思想をあまりに大切にし過ぎて、「俺の作りたいもの」っていう意思を失ってはいないだろうか。もっとカッコつけて良いし、もっと遊びを入れて良い。

そうでなければ日本のものづくり(伝統工芸)は未来に進めないと考えています。読んでいただきありがとうございました。

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