畳コーナーっている?
いらない?
皆さんは畳コーナーをご存知ですか?
畳コーナーとは洋室の一角に畳を敷いた空間を作ることを言います。
従来、畳を敷くというと「和室」を作るのが普通のスタイルでした。
それが最近では、和室を作らずに「畳コーナー」と題し、リビングの一角に設けたり、寝室の一部に設けたり、書斎&勉強部屋の一部に設けられています。
今、人気の畳コーナーですが、畳代に予算を掛けてまで本当に必要でしょうか。そこで今回は小上がり式&床にフラットな畳コーナーのメリットとデメリットを紹介します。
畳コーナーを作ろうかやめようか迷っている方の参考になれば幸いです。
小上がり式&床にフラットな畳コーナーのメリット
床にフラットな畳コーナーのメリット
・リラックスするスペース
・家事をするスペース
育児をするスペース
畳は適度なソフト性が有り、子供に優しい床材です。
子供はよく転びます。
中には、激しく転んだ拍子に頭をぶつけて怪我をしたなんて例も。
そこでオススメなのが床にフラットな畳コーナーです。
畳は子供たちが転倒した際の怪我を防いでくれることが期待できます。
島根大学教育学部の調査によれば、平成22年度11月〜12月より島根県内の保育園と幼稚園、認定こども園の畳の使用状況の調査を行なった結果、敷き畳は 7 割近くの施設に、置き畳は 6 割近くの施設に設置されていたことがわかりました。
要するに子供を育てる専門家である保育士も畳の重要性には高い関心を寄せているわけです。
また、子供をお昼寝させる際にも畳コーナーは役立ちます。
「寝る子は育つ」と俗に言いますが、子供においてお昼寝は重要な意味を成します。(3〜4歳ぐらいまで)
できれば子供が寝そうなベストなタイミングで、すぐに準備を整えてお昼寝モードに入りたいですよね。
畳コーナーがあれば、最悪ふとんを敷かずに枕だけ用意して、後で掛け布団をかけてあげればいい。
一人で育児をしている忙しい主婦の方には、畳コーナーはとても助かるスペースだと思います。
リラックスするスペース
寝っ転がったり、お昼寝をしたり、ストレッチしたり、と畳コーナーでリラックスできるのは子供ばかりではありません。
大人もまた、心と体を休めるスペースとして高い評価を受けています。
畳の香りにはフィトンとバニリンという成分が含まれているため、畳の香りを嗅ぐだけで、森林浴をしているかのようなリラックス効果が期待できます。
畳コーナーの上でリラックスしながら、野球観戦、DVD鑑賞、音楽鑑賞なんてどうでしょう。ビールがあれば尚最高ですよね。
また、最近では瞑想やヨガが、アメリカのIT企業の間で注目を集めているそうです。中にはオフィスの一角に畳コーナを設けて瞑想やヨガをする会社まであると聞きます。
▼瞑想についてはこちら:マインドフルネス瞑想をするのにおすすめの場所とは?|最高の休息法
畳コーナーの世界的規模の広まりに嬉しさと驚きを感じますが、是非とも日本でも注目されてくれたらと思います。
家事をするスペース
皆さんは洗濯物を取り込んだ後、どこで畳んでいますか?
フローリングの上?ソファの上?カーペットの上?椅子の上?机の上?でしょうか。
私は畳の上で畳むことをお勧めします。
畳は自然素材なので吸湿効果があり、い草には抗菌作用があります。
洗濯物に残った僅かな湿気も吸い取ってくれますし、匂いを発生させる嫌な菌から守ってくれる効果が期待できます。
▼い草インソールはこちら:【い草インソール】靴の臭いが気になる方に人気おすすめイグサの中敷
また、地面から近い場所でアイロンを当てることができたり、地面と接しながら子供の為の縫い物が製作できます。
他にも畳コーナーの使い道は、仕事をしたり、勉強したり、と様々な用途で使用できます。
小上がり式の畳コーナーのメリット
・清潔なスペース
・高齢者に優しいスペース
収納スペース
子供のおもちゃ、思い出の品、友達からもらったプレゼント、すべて大切な品で捨てられず、置き場所に困っている。そんな声も多いかと思います。
小上がり式の畳コーナーは、多くの場合で収納スペースが付いています。
ちょっとした大きさの物であれば収納できますし、夏用冬用の服やラグなどの置く場所に困る敷物も整理できます。
また、旦那の趣味のDVD、昔買ったCD、大好きな本や漫画も収納することができ、リビングがスッキリ片付くことでしょう。
近年、お部屋のサイズが小さくなる中、収納に困っている主婦の皆様に向けた収納本が注目を集めています。
収納本。つまりお片づけ術には色々なテクニックが必要です。
が、小上がり式の畳コーナーは畳の下にしまうだけなので楽チンにできてしまいます。
これからますます部屋は小さくなる中で、収納の重要性度合いは上がっていくこと間違いなしです。
リビング付近にあってたくさんの収納ができる小上がり式の畳コーナーは主婦にとってありがたいスペースになることでしょう。
清潔なスペース
皆さんはホコリが舞う高さはどれくらいかご存知ですか。
だいたい床から30センチぐらいまでの場所にホコリが舞っていると言われています。
それより下はホコリゾーンとなり、長時間ホコリ吸い込み続けると、気管支喘息を発症したり、アレルギーを引き起こす可能性があるので注意が必要です。
小上がり式の畳コーナーはホコリゾーンよりか高い場所に位置している(大工さん次第ですが)ケースが多い為、床にフラットな畳コーナーやフローリングに比べると清潔であると言われています。
子供をお昼寝させる際は、小上がり式の畳コーナーで寝かしつけてあげるのがいいかもしれませんね。
高齢者に優しいスペース
高齢者の方は立ったり座ったりと、脚の上げ下げがすごく大変だと聞きます。
なるべくなら脚に負担をかけさせない形で畳に親しんでもらいたい。
そこでおすすめなのが小上がり式の畳コーナーです。
小上がり式の畳コーナーは高さがあるので高齢者の方でも楽に腰掛けることができますし、踏み台を使えば簡単に上り下りすることもできます。
日常的な生活空間として、または寝室としても利用していただける汎用性が高い畳のコーナーになります。
「和室が欲しいけど・・・。」と悩んでいる高齢者の方には小上がり式の畳コーナーがおすすめです。
小上がり式&床にフラットな畳コーナーのデメリット
フラットな畳コーナーのデメリット
・メンテナンスがめんどくさい
・フローリングに比べて傷つきやすい
お金が掛かる
床にフラットな畳コーナーは結構お金がかかります。
大体ですが、畳半帖一枚あたり8千円〜1万4千円前後(畳の種類、グレードによって差が生じる)×畳の枚数+床の工事費用(後日大工さんに聞いてみます。)=総額なので安く見積もってもそこそこの金額にいってしまいます。
畳が一般的なものより高い理由は、畳の薄さにあります。
和室に敷き込まれている畳は、45ミリ〜60ミリぐらいの厚さが一般的です。
しかし、床にフラットな畳はフローリングを加工して作るために15ミリぐらいの厚さの畳になってしまいます。
15ミリの厚さの畳は材料代が高く、施工に技術が必要な(時間がかかる)ために料金が上がってしまうのです。
そんな方におすすめなのが置くタイプの畳、貼るタイプの畳です。
▼置き畳はこちら:置き畳のおすすめって何?|置き畳のメリット&デメリットについて紹介
▼貼る畳はこちら:【DIY】貼る畳のメリットデメリットは?|おすすめマット花たたみHAL
工事せずに設置することができるので低予算で済みますし、ネット(楽天)で購入できるので簡単です。
ただ、床とフラットな畳というわけではありません。その点はご了承ください。
メンテナンスがめんどくさい
畳は基本的に掃除がめんどくさい敷物です。
ホコリは隙間に詰まりやすいし、い草は水拭き(がおすすめ)できないし、畳の目に沿って掃除機をあてないとホコリが取れにくいしで大変です。
また、水場が近い、換気が悪い、湿気がたまりやすい、などの環境下ではカビやダニが発生する心配もあります。
畳のメンテナンスは凄くめんどくさいですが、畳コーナーを設置される際には頑張って掃除をしましょう。
▼カビについてはこちら:畳にカビが生えたらどうすればいいの?|和室のカビ予防と対策を紹介
▼ダニについてはこちら:畳のダニ駆除はどうしたらいい?|畳にダニが湧いた時の対処法
カビ予防&ダニ予防の参考になれば幸いです。
フローリングに比べて傷つきやすい
畳はフローリングに比べて耐久性が低く、傷つきやすい床材です。
畳の材料は木材をチップにして圧縮したボードとい草(和紙表、化学表)を縫い合わせて作られています。
無垢のフローリングは別として、基本的には畳の方が圧倒的に耐久性が低いです。
なので、フローリングの延長線上に敷いてある畳をフローリングのように使う(椅子や机を引きずったり、爪で引っ掻いたり、飲み物をこぼして放置したり、重い物を落としたり、などなど)行為は、畳の寿命を縮めてしまうことに繋がります。
注意深く大切に!とまでは言いませんが、乱暴に扱わないようにはお願いします。
小上がり式の畳コーナーのデメリット
・部屋が狭く感じる
・お掃除ロボに対応できない
子供を遊ばせるのは不安
子供は夢中になって遊んでいると周りが見えていません。
床で遊ばせていて、多少転倒した!頭ぶつけた!ぐらいならまだいいのですが。小上がり式の畳コーナーは高さがあるため、自由に遊ばせていると気づかない間に落ちて怪我をしてしまう可能性も。
子供が落下するのは危険ですので、小上がり式の畳コーナーの上では遊ばない(はしゃいで走り回らせない)ように気をつけてください。
私、個人的な意見では、少し見栄えは悪くなりますが小上がり式の畳コーナーの前に段差をつけることをおすすめします。
段差の角はクッション性の保護材(ホームセンターで購入可能)とクッションシート(こちらもホームセンターで購入できます)で補強することで転倒しても怪我を防ぐことが期待できます。
DIYしなくても大工さんに言えば、すぐ付けてくれると思うので、一度聞いてみるのがいいかもしれません。
部屋が狭く感じる
リビングは開放的にしたい!
最近は西洋建築のように、空間を仕切らずワンスペースで生活したいという方が増えたように思えます。
おそらく、家事をしながら仕事をして、子供を見なければいけないという主婦の忙しい生活環境に寄り添うスタイルなんだと推測します。
そんな開放的な空間に小上がり式の畳コーナーを併設すると、どうしても圧迫感があるのは否めません。
実際「小上がり式の畳コーナーを設置したよ!」という方の中には「部屋がちょっと狭く感じた」との意見もありました。
開放的なリビングは広くて落ち着かないという方には小上がり式の畳コーナーがおすすめですが、部屋を広く開放的な空間として使いたいという方は床にフラットの畳コーナーの方がおすすめかもしれません。
お掃除ロボに対応できない
最近流行りのお掃除ロボ。
自動で勝手に掃除をして、自分の充電器のところまで戻ってくれる優れものです。
ウチでも一回の玄関からリビングまで勝手に掃除してもらっています。めちゃくちゃ便利です。
しかし、小上がり式の畳コーナーはお掃除ロボを使うことができません。
おそらく、これから出てくるであろう次世代型自動掃除ロボも使用できないと思います。
小上がり式の畳コーナーの高さはメリットもあればデメリットもありますね。
2021年更新、小上がり式の畳コーナーはDIYで後付け可能となりました。私のブログ記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
▼小上がり式の畳コーナー:ユニット畳とは?堀コタツで収納できる人気おすすめ高床式ユニット畳
▼堀こたつ式畳コーナー:堀コタツが工事無しで作れる?|冬に人気おすすめユニット工法の堀炬燵
以上、小上がり式&床にフラットな畳コーナーのメリットとデメリットでした。
最後に
いかがだったでしょう。
床にフラットの畳コーナーと小上がり式の畳コーナーのメリットとデメリットはわかりましたか。
畳コーナーをつけようかな?と思っている方の参考になれば嬉しいです。
今回、畳コーナーの紹介をさせてもらいましたが、本音を言えば「和室」が増えることが一番嬉しいことです。
というのも畳コーナーは実用的過ぎるのです。
え?いいじゃん!と思うかもしれませんが、家は個人の思想が反映される場所。和室は日本人の思想が一番反映されるべき場所です。
どうしたら豊かに住めるか。
昔と今の日本人が考えて作ってきた家づくりを外観も含めて紡いでいく使命があると私は思っています。
ただ私の考えを人に押し付ける気はありません。
あくまで、お伝えしたい。そう思っています。
読んでいただきありがとうございました。