なぜ20代で畳屋を開業したの?東京江戸川区で畳店をはじめた理由

何で20代という若さで畳屋を開業したの?東京江戸川区で畳店をはじめた理由は?これらはお客様から実際に受けた質問です。

今回はブログ記事でもこれら質問に答えていきたいと思います。

なぜ20代で畳屋を開業したの?

そもそも畳職人には2通りの道があります。ひとつは、従業員として畳屋で働くこと。もうひとつは、畳屋を開業すること。この二つが畳職人として生きる選択肢になります。

私は消去法で畳屋を開業するに至りました。

というのも従業員としてどこかの畳屋で働くにしても、修業したお店のレベルより低いところで働きたくなかった。京都で修業したお店のレベルが高すぎた問題はありますが、それでも他畳屋さんに見学に行ってここで働きたいとは思えなかったのです。

だったら自ずと答えはひとつになります。自分で理想とする畳屋を開業すること。20代で少し早いなとは正直思いましたが、失敗しても何とかなるだろうと思い挑戦することにしました。

とはいえ、そんな甘い世界ではなく厳しい現実が待ち受けていました。

畳の仕事がない

私は京都で畳の修業をしました。ですので、東京に帰っても顧客はおろか材料屋さんも知りません。全てゼロからの出発でした。

まずは畳屋さんのところにお邪魔し、下請けをもらえないか交渉したり、建築士さんや工務店、不動産などに営業に行ったりと畳を触れない日々が続きました。

朝早く起きて交流会に参加、昼は営業、夜は飲み会。そんな毎日を繰り返しても畳の仕事は増えず、お金だけが減っていく。畳の仕事がなくて本当に辛くて何度かやめようかと思ったこともありました。

下請けの仕事をもらえても・・・

畳屋さんのゴミ捨て代行や畳屋さんのホームページ制作の手伝いなどして少しづつ信頼を作っていき、ようやく下請けの仕事をいただけるようになりました。

私としては前進した。そう思っていたのですが、下請け仕事はそんな甘いものではありませんでした。

というのも、下請け仕事はこちらからお願いして仕事をもらった場合、一枚あたりの単価を叩かれるからです。つまり下請け仕事は安いのです。どれだけやっても安い。儲からない。

これは理想的な畳屋イメージとはかけ離れているものでした。

畳屋は畳でお金を稼ぐ必要がある

私の理想では、畳屋は畳でお金を稼がなければならないと思っています。それは高級車に乗りたいから、大きな家に住みたいから、美味しいものを毎日食べたいから(それはちょっとある)という理由ではありません。

畳屋は稼げない、職人は儲からないというイメージがついているからです。

私が畳の仕事を始めた頃、地元の知り合いに散々言われました。畳なんか儲からない。職人なんて稼げないと。私は悔しかったですが、それ以上にそういうイメージが付いた業界では後継者は育たず、新規参入も見込めません。

つまり日本の伝統文化的産業が廃れていく一方になることを表しています。

それは畳職人だけでなく日本人としても許せないことです。だから畳屋は稼げないといけない。日本の伝統文化を守る為にお金を儲けないとならないのです。

しかし、現実は厳しく下請け仕事ではお金を稼ぐことはできませんでした。

東京江戸川区で畳店をはじめた理由

転機が訪れたのは2020年4月頃のことです。コロナウイルスが蔓延しロックダウンが叫ばれている時、私の耳にある情報が入ってきました。

東京都で結構な数の畳屋が廃業する

私はチャンスだと思いました。実家の駐車場をDIYで改装し工房に変え、京都に行って知り合いの畳屋さんにお願いして機械や道具をもらいました。

京都で修業したお店に頼んで材料屋さんも紹介してもらいました。

そうして2020年11月東京都江戸川区で畳店を始めました。情報のとおり江戸川区でも廃業した畳屋(移転した畳屋)が結構な数があり、取引先を探している業者様やお客様が数多くいらっしゃいました。

オフラインとオンライン両方で宣伝し、工事件数を大幅に増やすことに成功したのです。

もちろんまだまだです。これからもお客様に喜んでもらえるように商品サービスのパフォーマンスを上げたいと思っています。

ただ、もしあの時動いていなかったら私はまだ下請け仕事だけをしてつらい毎日を送っていたかもしれません。そう考えたら情報は新鮮なうちに行動に移すことが重要だと思います。

何か起業したい、開業したいと思っている方は参考にしてもらえたら幸いです。

ちなみにですが、下請け仕事は儲からないと言いましたが、仕事をいただいたことに大変感謝しています(ブログを見ているかもしれないから言っているのではなく心からの本心です)。

あの時、仕事をもらえていたから頑張ることができた。それは紛れもない事実です。

その証拠に、あの時仕事をくださった方は今も下請け仕事を相手方の言い値で受けています。どんなに安くても絶対に断りません。(最近は仲良くなって以前よりプラス料金でくれるんですけどね笑)

あの頃お世話になった感謝の気持ちを忘れず、これからもお付き合いしていきたいと思っています。

読んでいただきありがとうございました。

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