【畳の海外発送】畳を海外に送るにはどうしたらいいの?畳の海外輸出の手順

みなさん、こんにちは!樋口畳商店の樋口です。今回は、畳を海外に送りたい!でも、畳の輸出ってどうしたらいいかわからない方へ向けた記事になります。主に畳屋さん向けの記事ですが、日本から畳を海外に販売したいバイヤーさんや畳の海外輸出について気になる方の参考になれば幸いです。

畳を海外に送るにはどうしたらいいの?

畳を海外に送る手順

・日本国内の植物防疫所に連絡する(輸出可能かどうか、検疫が必要かどうかの確認)
・輸出する国の植物防疫所にお客様から連絡してもらう(輸入可能かどうかの確認)
・日本郵便や日本通運、FedEx、DHLなど複数社に見積もりを依頼する
・HSコードを確認する
・貿易登録をする
・リアルタイム口座を開設する
・PayPalを導入する
・コマーシャルインボイス&原産地証明&サイン証明&成分証明書を準備する
・畳を梱包して一番安い配達業者に依頼し発送する

畳を海外に輸出する手順をひとつずつ説明する前にまず知っておいてほしいことがあります。畳の海外輸出でわからないことがあっても絶対にジェトロや商工会議所に相談してはいけません

その理由は、ジェトロも商工会議所も畳の海外発送については素人で何もわからないからです。たらい回しにされて無駄に待たされて、時間だけが奪われます。

私も初めて畳の海外輸出をする時、誰に相談したらいいのかわからず、知り合いからジェトロと商工会議所を紹介されました。その結果、「担当者に聞いてみます」「担当が違うのでこちらの電話番号にかけてください」と言われ、電話を掛けると「わからない」と返ってきました。

1ヶ月近く返答を待たされたこともありました。

せっかく海外のお客様から畳の注文をいただいても、何日も何十日も待たされたら嫌になってしまいますよね。ですので、畳の海外輸出についてわからないことがあってもジェトロと商工会議所には聞いては絶対にダメです。もし畳の海外輸出でわからないことがあったら、過去に畳を海外輸出したことがある畳屋さんや植物防疫所、日本通運さんに聞きましょう。

日本国内の植物防疫所に連絡する(輸出可能かどうか、検疫が必要かどうかの確認)

まずは日本国内にある植物防疫所に電話して輸出可能かどうか、検疫が必要かどうかの確認をしましょう。海外輸出したことのある畳屋さんがネットにも掲載してくれていますが、国の輸出入事情は結構変化します。その都度必ず確認をした方がいいので、面倒くさがらず電話して確認しましょう。

▽植物防疫所HP:https://www.maff.go.jp/pps/index.html

輸出する国の植物防疫所にお客様から連絡してもらう(輸入可能かどうかの確認)

次に輸出する相手国の植物防疫所に確認を取りましょう。ただ、自分で確認するより現地に住んでいるお客様に確認してもらった方が確実なのでお客様に連絡先をお伝えして確認してもらいましょう。相手国の植物防疫所の連絡先は日本の植物防疫所のHPに掲載されています。

▽植物防疫所(各国の防疫所一覧):https://www.maff.go.jp/pps/j/search/detail.html#kakkoku

相手国の防疫所に確認してもらう際に、どのような証明書が必要なのかも聞くと取引がスムーズになりますので、忘れずお伝えしておきましょう。

日本郵便や日本通運、FedEx、DHLなど複数社に見積もり依頼を出す

輸出入ができることが確定したら運送会社に見積もりを出して運送会社を決めます。この時、必ず複数社に見積もりを出すようにしましょう。というのも畳は大きさによって特殊貨物扱いになります。場合によってはかなり高額になる可能性もあります。運送会社によって値段もだいぶ違うので、必ず複数社見積もりを取るようにしましょう。長さ150㎝以下、重さ30キロ以下であれば日本郵便の国際郵便が一番安いです。

HSコードを確認する

HSコードとは、国際貿易商品の名称および分類を世界的に統一する目的のために作られた6けたのコード番号であり、貨物を輸出入する際の品目分類に用いる輸出入統計品目番号のこと

https://www.post.japanpost.jp/intmypage/faq/047.html

HSコードの入力は必須ではありませんが、確実に送る為にはHSコードを入力した方がいいと言われています。ネット上では、過去に海外輸出したことがある畳屋さんがHSコードを掲載してくれていますが、国によって若干HSコードが異なっていることがあります。輸出相手国の通関に必ず確認するようにしましょう。(その際に安全データシートが必要になりますので、準備しておきましょう。安全データシート作成は成分の割合をメーカーに聞かないといけないのが面倒ですが、他の記入欄はチャットGPTを使えば簡単に作れます)

貿易登録をする

貿易登録とは東京商工会議所が、「商工会議所原産地証明書等貿易関係書類認証規程」に基づき、申請者または代行業者の本人確認を行うもの

東京商工会議所

海外輸出する際に、貿易関係証明(原産地証明・インボイス証明・サイン証明)が絶対に必要になるのですが、取得するには貿易登録が必要になります。貿易登録はお近くの商工会議所の証明センターに必要書類を揃えて提出すればいいのでそこまで面倒ではないのですが、貿易登録をするのにオンラインで書類を作成したり、住民票や印鑑証明などを区役所に取りに行ったりとちょっと面倒でした。2年ぐらい有効期限があるみたいなので、一度登録を済ませてしまえばその後は楽になりますので、我慢して登録してください。

※貿易登録へのお問い合わせは、お近くの証明センターか商工会議所にお問い合わせください。

ただ、海外輸出代行の会社に頼む場合は貿易登録が必要ないので、面倒な手続きが嫌いな人は海外輸出代行の会社に頼むのもありかと思います。

リアルタイム口座を開設する

リアルタイム口座は、 輸入 ( 納税 ) 申告等と同時に 、 関税、消費税、とん税等を納税者の一般口座から直接納付することが可能となる口座です。

NACCS掲示板

詳しいことはわかりませんが、輸入申告都度の納付手続きが不要なため、輸入貨物の迅速な引取りが可能になるそうです。運送会社に口座開設してくれ!と言われたのでよくわからないまま開設しました。詳しく知りたい方は運送会社に尋ねましょう。

PayPalを導入する

PayPalとは、世界で最も使われているオンライン決済サービスのことで、かの有名なイーロンマスクとピーターティールが率いた会社になります。

世界で最も使われているだけあって、どの国でもほとんど決済できるし、とても簡単だし、手数料も安いし、安全に取引できます。

現在は決済代行サービスなどもあるので、そこにPayPalが含まれていることも多く、わざわざPayPalと直接契約しなくてもいいのかなと思います。(スクエアやSBペイメントサービスなど)

コマーシャルインボイス&原産地証明&サイン証明&成分証明書を準備する

畳の海外輸出で一番めんどくさいのが証明書作成です。一度作ってしまうとテンプレート化できるのですが、作るまでが本当にめんどくさい。今はチャットGPTもありますからだいぶ楽に作れるようになりましたが、かなりの時間が消費されます。

▽各種申請フォームのダウンロード:https://www.tokyo-cci.or.jp/shomei/download/

Macは対応していないのでご注意ください。

証明書についてわからなかったら畳を海外輸出したことある畳屋に聞きましょう。

畳を梱包して一番安い配達業者に依頼し発送する

畳を海外輸出する際に重要なのが梱包です。まず畳を防水シートに包み、ダンボールなどで頑丈に梱包します。ちゃんと梱包しないと畳に傷がついてしまいますし、梱包し過ぎると大きくなってしまって運賃が上がってしまいます。気をつけましょう。

梱包が終わったら畳を発送するだけなのですが、ここで植物検疫についてお話しします。い草を使った場合、多くの国で植物検疫が必要になります。ただ、それを自分でやるのか運送会社に代行してもらうのか二つパターンがあります。

私の場合、東京都江東区に植物防疫所の支社がありますので、自分で行った方が近いかもしれませんが、他の畳屋さんはそうじゃないですよね。運送会社に代行してもらった方がおそらく楽だと思います。

忙しくて面倒だなという時は、日本通運さんなどに確認して代行してもらうようにしましょう。

以上が畳の海外輸出の手順です。少しは参考になったでしょうか。

樋口畳商店では畳を海外に発送する際には、敷き込む畳でも置き畳でも折りたたんで送れるように特殊な技術で施工しています。

輸送コストを大幅に抑えることができるので、通常より安く配送できます。寸法も厚さも自由、もちろん材料を何使っても大丈夫です。一般のお客様はもちろん、バイヤー、畳屋さんからの依頼も喜んで承っております。また、畳の海外輸出についてわからないことがあれば聞いてください。自分もわからないことは多いですが、ジェトロや商工会議所よりは詳しいと思います。

以上、【畳の海外発送】畳を海外に送るにはどうしたらいいの?畳の海外輸出の手順でした。読んでいただきありがとうございました。

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