和紙畳 vs い草畳|どっちがいい?一級畳製作技能士が教える後悔しない選び方
この記事の監修・執筆者
一級畳製作技能士 樋口裕介
樋口 裕介 (ひぐち・ゆうすけ)
国家資格 一級畳製作技能士 樋口畳商店 代表

京都市の黄綬褒章受章店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。

  • 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
  • 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
一級畳製作技能士 資格証
国家資格証
京都府知事賞 優勝トロフィー
知事賞受賞
講演会の様子
講演実績

みなさまこんにちは、江戸川区の樋口畳商店・代表の樋口裕介です。

お見積もりや打ち合わせの際、お客様から本当に多くいただくご相談があります。

「新しくするなら、和紙畳とい草、結局どちらが良いんですか?」

結論から申し上げますと、「どちらかが絶対に優れている」ということはありません。 それぞれに全く異なるメリット・デメリットがあり、大切なのは「その和室で、あなたがどんな暮らしを送りたいか」です。

今回は、京都での修業を経て数多くの現場を踏んできた一級畳製作技能士の視点から、ネットの表面的な情報ではない「本音の比較」を徹底解説いたします。

1. 和紙畳とは?モダンな暮らしに寄り添う「進化系」の畳

和紙畳(わしだたみ)とは、伝統的な和紙を細く紡いでパイプ状にし、それを一本一本丁寧に織り上げて作られた畳表(たたみおもて)のことです。代表的なものに「ダイケン健やかおもて」などがあります。

「紙の畳なんて、破れたり水に弱かったりしないの?」と驚かれることもありますが、樹脂コーティングなどの最新技術により、現代の住宅事情に非常にマッチした高い機能性を持っています。

和紙畳のメリット

  • 劇的な色変わりの少なさ: 天然い草のように日焼けで黄金色に変わることがほとんどなく、新築時のみずみずしい色彩を何年もキープできます。
  • 圧倒的な耐久性: 表面の強度が非常に高く、子どものおもちゃの擦れ、ペットの爪による毛羽立ちや傷に対して、天然い草より圧倒的に強いです。
  • 圧巻のカラーバリエーション: グレー、ブラック、インディゴ、栗色など、い草にはない色が豊富。今、世界中でトレンドになっている「Japandi(ジャパンディ)」のような、洋室と地続きのモダンな空間をデザインするのに最適です。

和紙畳のデメリット

  • 「い草の香り」がゼロ: 天然い草が持つ、あの独特の芳香成分(フィトンチッドなど)はありません。
  • 経年変化(育つ味わい)がない: 良くも悪くも「ずっと新品のまま」なので、使い込むほどに深い艶が出て馴染んでいくような、日本伝統の「経年変化の美」を楽しむことはできません。

2. い草畳とは?五感に響く日本伝統の「本物」

江戸川区小岩畳替え施工後

い草畳は、私たちが慣れ親しんできた天然のい草を使用した、まさに「畳の原点」です。私は京都での修業時代から、熊本県の八代などで命をかけてい草を育てる山本英義さんや早川猛さんといった超一流の農家さんたちと関わり、その本物の質感に触れてきました。

い草畳のメリット

  • 脳と身体を癒やす「香り」: 天然い草の香りには、森林浴と同等のリラックス効果があることが科学的にも証明されています。部屋に入った瞬間にフッと緊張が解ける空気感は、天然い草だけの特権です。
  • 美しき経年変化(黄金色の艶): 丁寧にはぐくまれた上質ない草は、数年経つと、まるで使い込まれた高級な革製品のように、深く美しい「黄金色の艶」を放ち始めます。職人はこれを「畳が育つ」と呼びます。
  • しっとりとした極上の肌触り: 内部にたくさんの空気を蓄えているため、夏はひんやりと涼しく、冬はほんのり暖かい。素足で歩いたときの吸い付くような柔らかさは、化学繊維では決して再現できません。

い草畳のデメリット

  • 日焼けと色ムラ: 天然素材のため、直射日光が当たる場所からはっきり日焼けをしていきます。また、家具を置いていた場所とそうでない場所で色に差が出ます。
  • 湿気管理(カビ対策)の手間: い草は部屋の水分を吸ってくれる優秀な「天然の調湿器」ですが、現代の気密性の高いマンションなどで閉めきった状態が続くと、梅雨時期などにカビが発生するリスクがあります(※適切な換気で防げます)。

3. 【プロの視点】現場で見る「お客様の選び方」と「店舗の使い分け」

職人として日々お客様と接していると、選び方には明確なライフスタイルの違いが現れます。

一般住宅でのリアルな傾向

  • 若い世代・子育て世代 =「和紙畳」 「子どもが飲み物をこぼしてもサッと拭ける」「ペットの爪でボロボロにされたくない」「リビングの一角を北欧モダン風に見せたい」という機能性重視の方に圧倒的に選ばれています。
  • ご年配の世代・こだわり層 =「天然い草」 「やっぱり和室はあの香りがしなくちゃ落ち着かない」「本物の質感の上でゴロゴロ寝転びたい」という、五感での心地よさや伝統的な和の佇まいを愛する方に深く刺さっています。

商業施設でのシビアな使い分け

この違いは、プロの店舗設計を見るとさらに分かりやすいです。

  • 居酒屋などの飲食店:だいたい「和紙畳」 不特定多数の人が靴を履き替え、お酒や醤油をこぼすリスクがある商業空間では、メンテナンス性と耐久性が命のため、ほぼ和紙畳の一択になります。
  • 老舗旅館・高級宿:今でも「天然い草」 おもてなしのプロである高級宿が天然い草を使い続けるのは、お客様が客室のドアを開けたその瞬間に「あぁ、日本に帰ってきた、良い宿に来た」という感動を、い草の香りと空気感で演出するためです。

結論:あなたが求める「理想の暮らし」はどっち?

一級畳製作技能士として、私は「どちらが良いか」の基準をこのようにご提案しています。

  • 「モダンな空間デザインを楽しみたい」「お手入れの手間を減らし、子どもの遊び場やペットとの空間にしたい」 👉 それなら、迷わず**【和紙畳】**が正解です。
  • 「和室で日々の疲れを癒やしたい」「旅館のような凛とした空気感や香りを自宅に作りたい」「本物の素材が育つ過程を楽しみたい」 👉 それなら、絶対に**【天然い草畳】**をお選びください。

畳は、単に床を隠すためのパーツではありません。部屋の空気、そこで過ごす家族の時間、そしてあなたの暮らしの質そのものを変える主役です。

「我が家のリビングの光の入り方ならどっち?」「この予算ならどちらが長く持つの?」など、迷われたらどんな小さなことでも私にご相談ください。あなたのライフスタイルに寄り添う最高の畳を、一級技能士の手仕事でお仕立ていたします。

樋口畳商店へのお問い合わせ・畳替えのご相談はこちら

江戸川区に根差し、地域に寄り添う畳店

一級技能士の店主が直接お伺いし、
あなたの大切な畳を診断・施工いたします。

表替え 4,000円〜 (税込4,400円〜)

詳しい料金表を見る >

\写真を送るだけで概算見積もり!/

LINEで相談
お急ぎの方・お電話でのご相談はこちら
☎ 080-3802-8084

【店主直通・見積無料】受付:8:30〜17:30

※強引な営業は一切いたしません。江戸川区・葛飾区を中心に、
一級技能士の誇りを持って丁寧に対応させていただきます。