畳屋で独立するってどうやるの?|十万円で畳屋を起業した話

 

皆さん、こんにちは!畳製作一級技能士の樋口です。今回は、畳屋で独立するってどうやるの?十万円で畳屋を起業した話をします。

 

畳屋で独立するってどうやるの?

 

畳屋で独立するってなると周りからの批判は半端ではありません。

 

「畳?需要ないじゃん」「儲からないよ」「お前じゃ無理だ」「絶対失敗する」という批判の嵐が吹き荒れます。終いには笑い者にされる事もありました。

 

畳屋で独立するとはそういう事です。

 

今、これを聞いて不安に思いましたか?大丈夫です。不安が積もり積もると怒りになってパワーに変わります。そのパワーを仕事にぶつければ良いのです。皆様の成功をお祈りしています。

 

とはいえ、そもそも畳屋の独立ってどうやるの?そんな疑問もあるかと思います。そこで今回は畳屋で独立するってどうやるの?十万円で畳屋を起業した話を紹介します。私の体験談からお話しするので畳屋で独立したいと考えている方には参考になるかと思います。

 

畳屋で独立するってどうやるの?

 

畳屋で独立する為には、ある程度必要なものがあります。

 

畳屋で独立するのに必要なもの

 

畳屋で独立する為に必要なもの
・お金
・お店(6畳ぐらいでも大丈夫)
・道具

 

お金は大切

まずお金からお話しします。畳屋で独立するのにお金は物凄く大事です。資金が無いと材料を買う事もできませんし、生活する事もできません。

 

お金は全ての根幹を成すもの、まさに血です。血の巡りが悪ければ人はいつか死にます。畳屋の経営だってそうです。お金のめぐりが良くなければいつか倒産してしまいます。

 

そこで、畳屋を独立するにあたって、どの程度資金が掛かるのか試算しましょう。勿論、試算した通りにいくとは限りません。むしろ、試算が甘かったとなる可能性はとても高い。とはいえ、どの程度お金が掛かるのか試算する事は独立する目標にもなりますし、何が価値ある投資かお金を大切に使うようになります。

 

小さくてもお店は必要

もっと広い工場が欲しい。私も作業する度に思います。とはいえ、東京という街でそれなりの工場を借りればお金が物凄く掛かってしまいます。もし、地方の県であったとしても中心部の方であれば決して安い金額では無いでしょう。

 

そこでおすすめなのが6畳くらいの小さなスペースから始める事です。畳は機械を導入しなければ小さいスペースから始める事は十分に可能です。

 

知り合いが増えていき、資金が回るようになったら少し大きい工場を借りれば良い。もしかしたら・・・。畳屋がやめた後の居抜き物件も転がり込んでくるかもしれませんよ。(あんまり期待し過ぎてはいけませんが)

 

 

道具をどうするか

畳屋で働いていたならわかると思いますが、畳の道具ってほとんど受注生産なので、物凄く高い。長尺のサシ一本買うのに何万円もします。

 

全部買おうと思ったら幾らになるんだろう・・・。20万ぐらい掛かるのでは無いかと思います。ただ、近年やめる畳屋さんも非常に多いです。

 

材料屋さん経由でそういった情報を入手し、道具を安く譲ってもらえるように努力すれば、設備投資が膨らまずに済むのかなと思います。

 

以上、お金、お店、道具の三点を紹介しましたが、畳屋で独立するにあたって、独立する前にやっておくべき事を紹介したいと思います。

 

独立する前にやっておくべきこと

 

畳屋で独立する前にやっておくべき事
・クレジットカードを作る
・協力会社を探す
・材料屋を探す

 

クレジットカードを作る

クレジットカードは畳屋で独立する前に作っておいた方がいいです。というのも、独立した直後はなかなか審査が通りません。審査が通りやすいカード会社もありますが、手数料が高かったり、防御システムが脆弱で個人情報を抜き取られたりする可能性があります。(もちろん、他のカード会社だって100%安心なわけではありませんが)

 

出来れば有名なカード会社で手数料が安いカード会社を選んで使うようにしましょう。

 

協力会社を探す

畳屋で独立する際に、協力会社は絶対に必要不可欠です。それは下請けを貰うという意味でも、仕事をお願いする意味でもです。

 

ただ、どこを探せばいいのかわかりませんよね。商工会議所の交流会とか地域の方に紹介してもらうのも一つの手段ではありますが、まずはネットでググって自分の家の周り、工場の周りの畳屋を手当たり次第訪ねてみましょう。

 

もちろん、断られる事もあるかと思いますが、私は一番早いと思います。やっぱり顔と顔を突き合わせないと信用できない。私たちの業界ってそういう業界じゃないですか。顔を出してお話しする事で信用は作れると私は思います。

 

材料屋を探す

以前付き合っていた材料屋さんじゃダメなの?そう疑問を持つ方も多いでしょう。もちろん、以前からお付き合いある材料屋さんを一番に利用しても全く問題ありません。ただ、畳業界は減少傾向にある業界です。どこでどう転ぶかわからない不確実性が高いわけです。

 

リスク分散というと言い方が悪いかもしれませんが、色々な材料屋さんとお付き合いしておく事は何かあった際の対策になりえます。

 

ただ、初めてお付き合いする場合は、即金を求められる事があります。独立したばかりの信用のない畳屋に即金を求めるのは至極当たり前のことですが、資金に余裕がないとキツいでしょう。

 

そういった意味でもお金の試算は甘くならないように気をつけて行いましょう。

 

畳屋で独立するのに必要な事はこれくらいです。後は税務署と区役所?に届け出を出して完了。めちゃくちゃ簡単に独立できます。(紙に名前書いて、屋号書いて、事業内容書いて、終わりだったような)

 

では、続いて私が畳屋で起業した話をします。畳屋で独立したいと思っている方々の参考になれば嬉しいです。

十万円で畳屋を起業した話

 

私が畳屋で独立したいと思ったのは24歳の頃だったと思います。(届け出を出したのは25歳四月だったかな)京都から東京に帰ってきて、自分で畳業をやりたい!そう思って独立しました。

 

ただ、その頃の私の資金はそこまで沢山あるわけでもなく、仮想通貨にベットしていたので取り出せる資金としては僅かばかりでした。

 

しかも畳屋で独立したからと言ってすぐに仕事がもらえるわけではありません。お金が入らなければ資産が目減りしていくわけで、少しでも資産が減っていくのを抑えなければならないと考えました。

 

そこでまず、畳屋からの下請けを増やそうと考えます。畳屋からの下請けが増えれば安定的に仕事が確保できる上に、材料代が掛からないのでお得です。

 

とはいえ、下請けを増やすためにはどうしたらいいかわかりません。色々考えた末にホームページ制作を思い付きます。畳屋さんはホームページを製作していないお店が多いので、ホームページを製作するお手伝いをすれば仲良くなって仕事が増えると考えたのです。

 

https://youtu.be/HEkzxpNioEA

 

ところがこれが大失敗。むしろ詐欺師のように思われて痛い目にあいます。次に考えた作戦が畳屋のゴミを代わりに処理しにいく事でした。

 

https://youtu.be/WMXd40BXjdg

 

私は東京都なのでゴミ処理は小松川経由の夢の島です。偶然な幸運ですが、私の家から夢の島まではすごく近い。時間も掛からず、お金も掛からず、信頼を作る事が出来て、この作戦は大成功に終わります。

 

こうして下請けの仕事を増やした私は、次に直接仕事を貰う元請けの仕事を増やそうと思います。ただ、そうなると機械やお店、道具が必要になります。

 

そこで、実家の母に相談したところ、家の車庫(8畳くらい)を貸してくれるとのことでした。これでまず工場は確保できた。次は機械と道具です。新しい機械と道具を買うとなるとかなりキツい。そこで京都の知り合いにいらない道具はないか聞くと「取りに来てくれればあげる」と言ってくれました。

 

私は同じ畳屋友達の横内くんと京都に行き、道具を貰いにお店を巡りました。ここでもまさかの幸運に恵まれます。京都の矢野畳商店の矢野さんが畳を作る機械をくれたのです。

 

無料ですよ。しかも二台も・・・。もうなんて感謝すればいいかわかりませんでした。こうして、沢山の方の支援のおかげで私は畳屋で独立をする事ができました

 

畳屋を独立するのに掛かった費用

私は軽トラックを所有しています。無論、タダではなく費用は30万円掛かりましたが、今回の記事では料金に含まない事でお願いします。

 

というのも、別に軽トラックって買う必要がないんです。本当に安い価格で借りられるし、駐車場代も掛からないので、所有する事のメリットがありません。

 

ただ、私は手続きが嫌いなので、軽トラックを購入しました。手続きが簡略化されたらもう手放そうかなとも考えています。

 

とはいえ、10万円で畳屋を起業と謳っておいて、軽トラックの料金は無しで!はずるいぞ!という方がいたら40万ということでお願いします。

 

まぁ40万でも安いでしょ?

 

他の記事では50万って書いていたり、5万円って書いていたり、バラバラになっています。おそらく、内訳が違うのだと思いますが、細かいことは気にしない感じでお願いします。

 

どれだけの費用が掛かったのかが問題ではなく、意外に安く起業できるんだよ!を伝えたい記事なので、そこに注目してもらえたら嬉しいです。

 

ちなみに畳屋独立に掛かった費用10万円はどうしても必要だった材料と交際費です。まぁ色々と含むともしかしたら10万円以上掛かってしまっているかもしれませんが、そこはご了承ください。

 

以上、畳屋で独立するってどうやるの?十万円で畳屋を起業した話でした。

 

最後に

いかがでしたか。

 

畳屋の独立を考えている方の参考になりましたか?

 

私は記事の冒頭で批判の嵐が吹く、誰も応援してくれないと言いました。もちろん、これは真実です。とはいえ、いざ、自分が初めて頑張っている姿を見たら多くの人が協力してくれました。

 

改めて沢山の方々のおかげで独立できたのだと感じます。

 

そういった人達を大切にこれからも頑張っていこうと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。

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