江東区東大島|犬対応の和紙製縁なし畳へ新調工事|15ミリ薄畳を美しく仕上げる職人の工夫
この記事の監修・執筆者
一級畳製作技能士 樋口裕介
樋口 裕介 (ひぐち・ゆうすけ)
国家資格 一級畳製作技能士 樋口畳商店 代表

京都市の黄綬褒章受章店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。

  • 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
  • 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
一級畳製作技能士 資格証
国家資格証
京都府知事賞 優勝トロフィー
知事賞受賞
講演会の様子
講演実績

みなさまこんにちは。江戸川区の樋口畳商店・代表の樋口裕介です。

今回は、江東区東大島のマンションにお住まいのお客様よりご依頼いただいた、「縁付き畳から、モダンな縁なし半畳(琉球畳風)12枚への新調工事」の様子を詳しくご紹介します。

今回の現場は、マンションの和室に多い「15ミリの薄畳」。そして「愛犬による畳のキズ・ささくれ」という、現代の和室事情における重要な課題が2つ重なった施工でした。一級畳製作技能士として、見えない裏側にどのような工夫を凝らして仕上げたのか、現場目線で本音の解説をいたします。

課題①:愛犬の爪による引っ掻きキズ・毛羽立ち

▶︎ビフォー画像

施工前にお部屋を拝見した際、畳の表面はワンちゃんが日常的にガリガリと引っ掻いてしまったことで、かなり激しく傷み、い草が抜けてボロボロと服に付くような状態でした。

最近はマンションでペット(犬や猫)と一緒に暮らすご家庭が本当に増えています。それに伴い、

  • 「畳のささくれがペットの肉球に刺さらないか心配」
  • 「爪で引っ掻かれて数年でボロボロになってしまう」

といったご相談をいただく機会が急増しています。今回のお客様からも、「とにかく犬の爪に負けない、強い畳にしたい」という切実なご要望をいただきました。

解決策:耐久性を極限まで高めた和紙製畳表「ダイケン清流」

そこで今回ご提案したのが、伝統的な和紙を現代の技術で補強して織り上げた和紙製畳表「ダイケン健やかおもて(清流)」です。

  • ダイケン清流 No.01(グリーン)× 6枚
  • ダイケン清流 No.21(小麦色)× 6枚

この2色の半畳を、光の反射で格子模様が美しく浮かび上がる「市松敷き」で配置しました。

和紙畳は、天然い草に比べて表面の耐摩耗性が数倍高く、ワンちゃんが爪で引っ掻いても毛羽立ちや擦れが起きにくいという圧倒的なメリットがあります。さらに樹脂コーティングされているため、万が一おしっこやヨダレをこぼしてしまっても、染み込まずにサッと拭き取れる抜群のメンテナンス性を誇ります。

課題②:プロの技術が試される「15ミリ薄畳」という難所

今回の施工において、職人として最も腕の見せ所だったのが、畳の厚みがわずか「15ミリ」しかなかったことです。

一昔前の戸建て住宅の畳は50ミリ〜60ミリの厚みがあるのが一般的ですが、現代のバリアフリーマンションでは、フローリングとの段差を無くすために15ミリという非常に薄い畳(薄畳)が採用されています。

実は、この「15ミリの縁なし畳」は、普通の畳と同じ作り方では絶対に綺麗に仕上がりません。それどころか、技術のないお店が作ると、数年で使い物にならなくなるリスクを孕んでいます。

一級技能士のこだわり:縁なし畳の命である「四隅(角)」の特殊補強

薄い縁なし畳の最大の弱点は、「四隅(角)がほつれやすく、折れ曲がりやすい」という点にあります。納品された直後は綺麗に見えても、毎日その上を歩いたり、ワンちゃんが飛び跳ねたりしているうちに、角のファブリックが擦り切れて中身が露出してしまうケースが珍しくありません。

樋口畳商店では、これまで全国や海外へお届けしてきた「置き畳(薄型マットレス)」の製作で培った独自ノウハウを活かし、15ミリ薄畳専用の「四隅の巻き込み・プレス補強」を1枚ずつ手作業で行っています。

見えない部分に芯材を入れ、角が絶対にほつれないよう強固に仕立てる。これこそが、数年後に「樋口さんに頼んで良かった」と感じていただける耐久性の秘密です。

床の硬さを解消する「ハードボード+2ミリ不織布クッション」の黄金比

15ミリという薄さの畳は、そのまま作るとまるで「板の間に直接座っている」かのようなカチカチの踏み心地になってしまいます。これでは畳本来のクッション性やリラックス効果が損なわれてしまいます。

そこで今回の畳床(たたみどこ)には、強度を保つための高密度ハードボードをベースにしつつ、その上にわずか2ミリの特殊不織布クッションを縫い合わせる仕様を採用しました。

「たった2ミリ?」と思われるかもしれませんが、この2ミリがあるだけで、足を踏み込んだ瞬間の「しなり」が生まれ、座っても痛くない絶妙な柔らかさが実現します。 また、クッションが厚すぎると縁なし畳特有の「角のライン」が丸く鈍くなってしまいますが、2ミリに抑えることで、「極上の踏み心地」と「凛とエッジの立った美しい見た目」を完全に両立させることができます。

施工内容・料金

▶︎アフター画像

実際に今回の江東区東大島の現場で導入したカスタムHTML形式の施工カルテです。

施工内容 古い縁付き畳から縁なし半畳(琉球畳風)12枚へ新調
使用畳表 ダイケン健やかおもて(清流) No.01(若草色) × 6枚
ダイケン健やかおもて(清流) No.21(小麦色) × 6枚
畳床仕様 15ミリ薄畳専用床仕様
(高密度ハードボード + 2ミリ不織布衝撃緩和クッション)
施工料金 新畳製作・敷き込み工事(半畳) 12,800円 × 12枚 = 153,600円
古畳回収・適正処分費 1,500円 × 6枚 = 9,000円
諸経費(現場配送・隙間微調整含む) 3,000円
税込合計価格 182,160円
💡 一級技能士による技のポイント

15ミリの薄さで縁なし畳を作る場合、角の巻き込みしろが極端に少なくなるため、高度なミリ単位の織り込み技術が必要です。当店では角部分をあらかじめ特殊な補強布で内側からホールドし、長年の摩擦でも破れない細工を施しています。

ハードボードと2ミリのクッションを組み合わせることで、耐久性とクッション性の両方を和らげる効果も持たせています。

「愛犬が穴を掘るように畳をガリガリしてしまい、来客を通せないほどボロボロで悩んでいました。新しくなった和紙畳は驚くほどサラッとしていて、犬が引っ掻いてもキズ一つつきません。色合いもモダンで、部屋が広くなったように感じます。樋口さんが構造の違いや価格を丁寧に説明してくれたので、安心して任せられました。」

(東京都江東区東大島・O様より)

まとめ:ペット対応畳やマンションの薄畳は「下地」で選ぶ

モダンでおしゃれな縁なし半畳(琉球畳風)は非常に人気がありますが、特にマンション向けの15ミリ薄畳においては、表面の綺麗さ以上に「どう作られているか(下地の構成と角の補強)」が製品の寿命を決定づけます。

「うちの畳は薄いから琉球畳にはできないと断られた」「ペットがいるから畳は諦めてフローリングにするしかないか…」とお悩みの方、諦める必要は全くありません。

樋口畳商店では、一級技能士が直接お部屋にお伺いし、お部屋の正確な歪みを計測した上で、1枚1枚オーダーメイドで高耐久な畳をお仕立てします。江東区、江戸川区、周辺地域でのペット対応畳のご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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読んでいただきありがとうございました。

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