
京都市にある黄綬褒章受章、現代の名工に選ばれている店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。
- 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
- 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
このたび熊本県で発生した地震により、被害に遭われた皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
報道では、多くの住宅や施設だけでなく、熊本県産い草を育てる農家の皆様にも被害が出ていると伝えられています。
私は東京都江戸川区で畳店を営み、普段から熊本県産の畳表を取り扱っています。
畳屋にとって、い草農家の皆様は単なる仕入れ先ではありません。
何年もかけて大切に育てられた一本一本のい草があるからこそ、私たちはお客様へ良い畳をお届けすることができます。
その背景を知っているからこそ、今回の地震のニュースには大変心を痛めています。
実は昨年も熊本県では豪雨災害が発生し、多くのい草農家の皆様が大きな被害を受けました。
それでも復旧に向けて懸命に努力され、ようやく前を向き始めた矢先の今回の地震です。
そのことを思うと、言葉では表せないほど胸が締め付けられる思いです。
現時点では、熊本県産い草や国産畳表の生産・流通への影響はまだ分かっていません。
しかし、被害の状況によっては、来年以降の国産畳表の供給や価格、納期に影響が出る可能性もあります。
だからといって、不安をあおりたいわけではありません。
今、一番大切なのは、被災された皆様が安心して暮らせる日常を一日も早く取り戻せることです。
そして私たち畳屋にできることは、熊本県で大切に育てられたい草の価値を正しく伝え、その想いごとお客様へ届けることだと考えています。
畳は工場で大量生産される製品ではありません。
い草を育てる生産者、畳表を織る人、それを仕立てる畳職人、多くの人の手を経て一枚の畳になります。
普段何気なく使っている畳にも、たくさんの人の努力と時間が込められています。
今回の出来事をきっかけに、畳そのものだけではなく、その背景にある生産者や職人にも少し目を向けていただけたら幸いです。
樋口畳商店では、これからも熊本県産い草をはじめ、生産者の皆様への感謝を忘れることなく、一枚一枚丁寧に畳づくりを続けてまいります。
被災地の一日も早い復旧と、皆様の安全、そして熊本のい草産地が再び元気を取り戻せる日が来ることを、心よりお祈り申し上げます。
