畳縁は太い方がいい?細い方がいい?一級畳製作技能士が本音で解説します
この記事の監修・執筆者
一級畳製作技能士 樋口裕介
樋口 裕介 (ひぐち・ゆうすけ)
国家資格 一級畳製作技能士 樋口畳商店 代表

京都市にある黄綬褒章受章、現代の名工に選ばれている店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。

  • 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
  • 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
一級畳製作技能士 資格証
国家資格証
京都府知事賞 優勝トロフィー
知事賞受賞
講演会の様子
講演実績

畳替えの際、お客様から意外によく聞かれる質問があります。

「畳縁は太い方がいいですか?細い方がいいですか?」

実は、この質問に「こちらが正解です」と答えることはできません。

なぜなら、用途・畳の状態・好みによって答えが変わるからです。

京都で修業し、現在は東京都江戸川区で年間200件以上の施工を行っている私が、現場でお客様にお伝えしている内容をご紹介します。


太い畳縁と細い畳縁、どちらが正解?

結論から言うと、

一般住宅なら、お客様のお好みで構いません。

畳縁の幅によって品質が変わるわけではありません。

見た目の印象が変わるだけです。

私は、

「こちらがおすすめです。」

とは言いますが、

「絶対こちらにしてください。」

とは言いません。


江戸では細縁が「粋」とされてきました

今回のお客様は、

「畳縁を細くしたい。」

というご希望でした。

実は江戸では昔から、

畳縁を細く仕上げることを"粋"とする文化があります。

縁幅を細くすると、

  • 畳表が広く見える
  • 和室全体が広く感じる
  • すっきりした印象になる

という特徴があります。

私は京都で修業したため、東京へ戻るまでは細縁文化を知りませんでした。

実際に施工してみると、

「なるほど、確かに格好いい。」

と思いました。

地域によって畳文化が違うことを改めて感じた仕事でした。


お茶室や社寺では縁幅が決まっていることもあります

一方で、

どんな現場でも自由に決められるわけではありません。

例えば、

お茶室では流派によって畳縁の幅が決められている場合があります。

また、

神社やお寺では紋縁を使用するため、

縁幅にも決まりがあります。

つまり、

住宅では自由度がありますが、

伝統建築では伝統に従って施工します。


細縁をおすすめできない畳もあります

ここが一番大切です。

私は、

痛んでいる畳を細縁にすることはおすすめしていません。

理由は単純です。

畳の縁際が沈んでいる状態で縁を細くすると、

その沈み込みが目立ってしまうからです。

せっかく新しい畳表になっても、

縁際だけ凹んで見えてしまいます。

見た目も美しくありません。

このような場合は、

標準の縁幅の方がきれいに仕上がります。

細縁にするかどうかは、

畳の状態を見て職人が判断することも大切です。


実は畳縁には意味があります

畳縁は、

単なる飾りではありません。

現在でも100種類以上の柄があります。

その中には、

日本で古くから使われている伝統文様が数多くあります。

例えば、

  • 家族の健康
  • 長寿
  • 子孫繁栄
  • 無病息災
  • 商売繁盛

など、

一つひとつの文様に願いが込められています。

細縁にすると、

この文様の一部しか見えなくなる場合があります。

デザインを優先するか、

文様を楽しむか。

それも畳選びの楽しさの一つです。


一級畳製作技能士としての考え

私は、

細縁が良いとも、

太縁が良いとも思っていません。

その畳に合っているか。

これが一番大切だと思っています。

畳の状態。

お部屋の雰囲気。

お客様の好み。

そして長く美しく使えるか。

それらを総合的に考えて、

そのご家庭に合ったご提案をするよう心掛けています。

畳は毎日見るものだからこそ、

見た目だけでなく、長く快適に使えることも大切にしたいと考えています。

江戸川区に根差し、地域に寄り添う畳店

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表替え 4,000円〜 (税込4,400円〜)

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