
京都市にある黄綬褒章受章、現代の名工に選ばれている店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。
- 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
- 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
皆さまこんにちは。
東京都江戸川区の樋口畳商店、代表の樋口裕介です。
先日、お客様からこんな質問をいただきました。
「畳屋さんって一人でもできるんですか?」
確かに不思議ですよね。
畳は大きくて重いですし、家具の移動もあります。
畳を作るだけでも大変そうなのに、本当に一人で仕事ができるのか。
結論から言います。
できます。
実際、私も一人で開業し、現在も基本的には一人で仕事をしています。
ただし、決して楽な仕事ではありません。
今回は、一人で畳屋を営んでいる職人として、現場の本音をお話ししたいと思います。
畳屋は一人でも営業できます
実際、一人で営業している畳屋は全国にたくさんあります。
私もその一人です。
お見積り。
採寸。
畳の引き上げ。
製作。
納品。
アフターフォロー。
基本的にはすべて私が担当しています。
そのため、
「見積りに来た人と施工する人が違う」
ということがありません。
お客様から直接お聞きしたご要望を、そのまま施工に反映できるのは一人で営業している畳屋の強みだと思っています。
ただし畳は想像以上に重いです
一人でできるとは言いましたが、畳は決して軽くありません。
特に昔ながらの藁床は重く、一枚で30kgを超えることもあります。
六畳間なら畳だけで200kg近くになることも珍しくありません。
若い頃は気合いで運んでいました。
しかし今思えば無茶だったと思います。
腰を痛めてしまえば仕事ができません。
そのため現在は、
- 道具を活用する
- 運び方を工夫する
- 無理をしない
ことを意識しています。
一人では難しい現場もあります
もちろん、すべての現場を完全に一人で対応できるわけではありません。
例えば、
- 大量の家具がある現場
- 十数畳を超える大規模な現場
- 特殊な施工が必要な現場
などです。
そのような場合は応援をお願いすることもあります。
無理をして施工品質が落ちるくらいなら、適切に人の力を借りる方がお客様のためになるからです。
実は畳作り以外の仕事の方が大変でした
独立した頃の私は、
「技術さえあれば食べていける」
と思っていました。
京都で修業し、一級畳製作技能士も取得しました。
だから良い畳を作れば仕事は来ると思っていたのです。
しかし現実は違いました。
電話対応。
見積り。
集金。
経理。
ホームページ作成。
ブログ執筆。
SNS運用。
畳を作る以外の仕事が山ほどありました。
今振り返ると、畳作りより仕事をいただく方が難しかったように思います。
一人だからこそできることもあります
一人で仕事をしていると大変なことばかりに思われるかもしれません。
しかし、大きなメリットもあります。
それは、
意思決定のスピードです。
私は基本的に何をするにも誰かに相談することはありません。
新しい畳表を導入する。
新しい施工方法を試す。
ホームページを改善する。
サービス内容を変更する。
すべて自分で決めます。
会議もありません。
承認もありません。
思いついたら動く。
それが一人親方の強みです。
独立当初はスピードが命でした
特に独立したばかりの頃は、お金も時間もありませんでした。
悩んでいる余裕などありません。
「やるか、やらないか」
ではなく、
「やりながら考える」
そんな毎日でした。
ホームページも自分で作りました。
ブログも自分で書きました。
道具も自分で改良しました。
今の樋口畳商店があるのは、あの頃のスピード感があったからだと思っています。
新商品開発も一人だから早い
例えば、
- 折りたためる畳
- 海外向けの畳
- 特殊寸法の置き畳
こういった商品も、思いついたらすぐ試作品を作ります。
大きな会社であれば、
企画会議をして、
上司に相談して、
承認をもらって、
ようやく開発が始まるかもしれません。
しかし私は違います。
工房で畳を作りながら、
「こうしたら面白いかもしれない」
と思ったら、そのまま作ります。
職人であり経営者でもある。
だから頭の中のアイデアをすぐ形にできるのです。
もちろん失敗もたくさんあります。
しかし挑戦するスピードもまた、一人親方の強みだと思っています。
一人だからこそお客様の声が直接届く
私は見積りから施工まで基本的に自分で担当しています。
だから、
お客様が何に困っているのか。
どんな畳を求めているのか。
施工後にどんな感想を持ったのか。
すべて直接聞くことができます。
これは私にとって非常に大切なことです。
なぜなら、その声が次の商品開発やサービス改善につながるからです。
まとめ|畳屋は一人でもできる。でも簡単ではありません
畳屋は一人でも営業できます。
実際に私も一人で仕事をしています。
ただし、
畳を作るだけではありません。
見積り。
採寸。
引き上げ。
製作。
納品。
経理。
ホームページ運営。
すべて仕事です。
だから大変です。
しかしその代わり、
お客様との距離が近く、
意思決定が速く、
新しいことに挑戦しやすい。
そんな魅力もあります。
もし畳について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
最初のお見積りから施工完了まで、一級畳製作技能士の樋口が責任を持って対応いたします。
