
京都市にある黄綬褒章受章、現代の名工に選ばれている店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。
- 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
- 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
皆さまこんにちは。
東京都江戸川区の樋口畳商店、代表の樋口裕介です。
先日、生まれたばかりのお子様がいるお客様から、
「赤ちゃんがいる場合、どんな畳がおすすめですか?」
というご質問をいただきました。
この質問は実は非常に難しい質問です。
なぜなら、私は現場を見ずに畳をおすすめしないからです。
例えば、
- 海の近くの家
- 川の近くの家
- 山の近くの家
- 住宅密集地で風通しが悪い家
では、おすすめする畳が変わります。
同じ江戸川区でも、湿気が多い家と少ない家があります。
まずはそこを見ないと、本当に良い提案はできません。
私が赤ちゃんのいるご家庭にダイケン和紙表をおすすめする理由

最近の施工では、赤ちゃんがいるご家庭にダイケン和紙表をおすすめすることが増えています。
理由は単純です。
実際の現場でトラブルが少ないからです。
赤ちゃんがいると、
- ミルクをこぼす
- 離乳食を落とす
- 吐き戻しをする
- おむつ替え中に失敗する
これは当たり前に起こります。
しかし天然い草の場合、水分が染み込みやすいため、汚れが残ることがあります。
一方、ダイケン和紙表は水拭きがしやすく、お手入れが比較的簡単です。
子育て中は掃除の手間を減らせることも大切な性能だと私は考えています。
実は私が一番気にするのはカビです
お客様からは
「ダニは出ますか?」
と聞かれることが多いのですが、
私が現場で本当に気にしているのはカビです。
ダニの相談が来る現場を見ていると、ほとんどの場合、その前に湿気の問題があります。
湿気が多い。
カビが出る。
ダニが増える。
この順番です。
だから私は、
海沿い
川沿い
風通しの悪い住宅地
一階の和室
などでは天然い草よりもダイケン和紙表をおすすめすることがあります。
ダイケン和紙表はカビが生えないわけではありません。
しかし天然い草と比較すると、カビのトラブルは圧倒的に少ないです。
これは施工現場を見ている職人としての実感です。
▶︎カビについてはこちら:畳にカビが生えたらどうする?|一級畳製作技能士が教える正しい対処法と予防策
新畳より防虫施工の方が効果的な場合もあります
赤ちゃんが生まれるタイミングで、
「新畳にした方がいいですか?」
と聞かれることがあります。
もちろん畳床が傷んでいる場合は新畳をおすすめします。
しかし害虫対策だけが目的なら、新畳よりも防虫施工の方が効果的なことがあります。
なぜなら虫が発生する原因は畳ではなく環境だからです。
湿気が多い。
ホコリが溜まる。
風通しが悪い。
そういった環境が変わらなければ、新しい畳でも虫は発生します。
そのため樋口畳商店では、防虫紙やダニシラズEシートを組み合わせて施工することがあります。
▶︎ダニシラズEシートについて:畳のダニ対策に使われる「ダニシラズEシート」とは?|京都修業時代から使い続ける理由
セキスイ美草はどうなの?
セキスイ美草も非常に良い畳表です。
実際に私も施工しています。
ただ個人的には、少し滑りやすい印象があります。
もちろん危険というほどではありません。
しかし歩き始めた子供が走り回る部屋を考えると、私はダイケン和紙表を選ぶことが多いです。
これはカタログではなく、実際に施工してきた職人としての感想です。
まとめ
「赤ちゃんにおすすめの畳は何ですか?」
という質問に対して、私はまず現場を見せてくださいとお答えしています。
ただし、
- 湿気が気になる
- お手入れを楽にしたい
- カビのリスクを減らしたい
- 長く綺麗に使いたい
という条件であれば、ダイケン和紙表をおすすめすることが多いです。
畳選びで大切なのは、最高級の畳を選ぶことではありません。
その家の環境に合った畳を選ぶことです。
樋口畳商店では、一級畳製作技能士が現場を確認した上でご提案しております。
赤ちゃんが安心して過ごせる和室を作りたい方は、お気軽にご相談ください。
