
京都市にある黄綬褒章受章、現代の名工に選ばれている店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。
- 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
- 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
皆さまこんにちは。
東京都江戸川区の樋口畳商店、代表の樋口裕介です。
今回は千葉県浦安市のお客様宅で、6畳の新畳工事を行いました。
お客様からいただいたご希望は、
「できるだけお手入れしやすい畳にしたい」
というものでした。
そこで今回は、天然い草ではなく、耐久性やメンテナンス性に優れたセキスイ美草(MIGUSA)リーフグリーンをご提案しました。
畳縁には、畳表と同色系の虞美人草(グビジンソウ)リーフグリーンを合わせています。
畳表と畳縁の色を近づけることで、縁付き畳でありながら主張しすぎず、明るくすっきりした和室に仕上がりました。
今回の施工内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施工場所 | 千葉県浦安市 |
| 施工内容 | 新畳6枚 |
| 畳表 | セキスイ美草 リーフグリーン |
| 畳縁 | 虞美人草 リーフグリーン |
| 施工料金 | 128,700円(税込) |
料金内訳
新畳は17,000円×6枚で102,000円。
畳縁は500円×6枚で3,000円。
古畳処分は2,000円×6枚で12,000円です。
税抜合計117,000円、税込総額128,700円となりました。
メンテナンスしやすい畳をご希望でした
今回、お客様が畳選びで重視されていたのは、天然い草ならではの香りよりも、日常のお手入れのしやすさでした。
畳は毎日使う床材です。
飲み物をこぼしたり、掃除をしたり、家具を置いたりと、生活の中ではさまざまな負担がかかります。
そのため、
「できるだけきれいな状態を保ちやすいものがいい」
というご相談は少なくありません。
そうした場合に選択肢の一つとなるのが、セキスイ美草です。
セキスイ美草とは?
セキスイ美草は、天然い草とは異なる素材で作られた畳表です。
天然い草とは質感や香りが異なりますが、
- 色の変化が比較的少ない
- 日常のお手入れがしやすい
- 毛羽立ちが起こりにくい
- 豊富なカラーバリエーションがある
といった特徴があります。
そのため、
「天然い草の香りよりも、耐久性やメンテナンス性を重視したい」
という方に向いています。
もちろん、天然い草とセキスイ美草のどちらが優れているという話ではありません。
畳は、使う人の暮らし方によって適した素材が変わります。
樋口畳商店では、お客様が何を重視されるのかを伺ったうえで材料をご提案しています。
リーフグリーンで明るく落ち着いた和室に

今回お選びいただいたのは、リーフグリーンです。
明るすぎず、暗すぎない自然な緑色で、昔ながらの和室にも合わせやすい色です。
畳縁も同色系の虞美人草リーフグリーンを合わせました。
畳縁は小さな部分ですが、実は部屋全体の印象を大きく左右します。
黒や茶色の縁を合わせれば輪郭がはっきりしますが、今回のように畳表と近い色を選ぶと、畳同士の境界がやわらかくなり、すっきりした印象になります。
完成後の写真を見ると、縁付き畳でありながら非常に軽やかな仕上がりになったと思います。
新畳だからこそ、畳床から新しくできます
今回は表替えではなく、新畳工事です。
表替えは既存の畳床を再利用しますが、新畳では畳床そのものから新しく作ります。
長年使用して、
- 畳が柔らかくなっている
- へこみがある
- 畳床が劣化している
- 表替えでは改善できない
といった場合は、新畳へ交換した方がよいことがあります。
新しい畳床を使って製作することで、畳表だけでなく、踏み心地や全体の状態もリセットできます。
畳材料の値上がりが続いています
ここ数年、畳業界では材料価格の上昇が続いています。
原材料だけでなく、エネルギー価格や物流費など、さまざまなコストが畳の材料価格にも影響しています。
特に2026年には、DAIKENが中東情勢を背景とするエネルギー・原材料・物流コストの上昇を理由に、インシュレーションボード製品を10〜20%、インテリア畳を5〜10%価格改定すると発表しました。
畳床に使う材料も、畳表も、以前と同じ価格では仕入れにくくなっています。
畳屋として、お客様へ以前より高い金額をご案内しなければならないことは、決して嬉しいことではありません。
私自身、
「もう少し安く提供できれば」
と思うこともあります。
しかし、だからといって材料や施工内容を落として安く見せることはしたくありません。
高くなった分、長く使っていただける仕事を
畳の価格が上がれば、お客様の負担も増えます。
だからこそ以前以上に、
「この畳に替えてよかった」
と思っていただける仕事をしなければならないと感じています。
畳の寸法をきちんと合わせる。
隙間を残さない。
角を整える。
畳表を適切に張る。
完成したときだけではなく、何年後も気持ちよく使っていただけるよう製作する。
材料価格そのものを私たち畳屋が自由に決めることはできません。
しかし、その材料をどのような仕事でお客様へ届けるかは、職人次第です。
ここは、これからも大切にしていきたいと思っています。
一級畳製作技能士として大切にしていること
私は京都で修業し、一級畳製作技能士として畳を製作しています。
天然い草も、セキスイ美草も、ダイケンの畳表も、それぞれ特徴があります。
大切なのは、
「一番高い材料を勧めること」ではなく、「そのご家庭に合った材料を選ぶこと」
だと思っています。
今回のお客様の場合は、お手入れのしやすさを重視されていたため、セキスイ美草をご提案しました。
そして、リーフグリーンの畳表と同色系の畳縁を組み合わせることで、機能性だけでなく、見た目にも明るい和室になりました。
千葉県浦安市で畳替えをご検討の方へ
樋口畳商店では、江戸川区だけでなく、浦安市など近隣地域の畳工事にも対応しています。
「天然い草とセキスイ美草、どちらがいい?」
「掃除しやすい畳が欲しい」
「長年使った畳を新しくしたい」
「色の付いた畳にしてみたい」
といったご相談にも対応しています。
実際のお部屋の使い方やご予算を伺いながら、適した材料をご提案します。
まとめ
今回は千葉県浦安市で、6畳の新畳工事を行いました。
使用した畳表はセキスイ美草リーフグリーン、畳縁には虞美人草リーフグリーンを使用しています。
お客様から「メンテナンスしやすい畳にしたい」というご希望をいただき、機能性とデザインの両方を考えた組み合わせになりました。
畳材料の価格は上昇傾向にあり、以前よりお客様へ高い価格をご案内せざるを得ないことも増えています。
だからこそ、
高くなった分以上に、長く使えて、頼んでよかったと思っていただける仕事をする。
それが職人として、今まで以上に大切になっていると感じます。
これからも、一枚一枚の畳を丁寧に製作していきます。
