【江戸川区本一色】熟成畳表で6畳の表替え|熊本県産JAひのさくら・麻綿ダブルの施工事例
この記事の監修・執筆者
一級畳製作技能士 樋口裕介
樋口 裕介 (ひぐち・ゆうすけ)
国家資格 一級畳製作技能士 樋口畳商店 代表

京都市にある黄綬褒章受章、現代の名工に選ばれている店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。

  • 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
  • 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
一級畳製作技能士 資格証
国家資格証
京都府知事賞 優勝トロフィー
知事賞受賞
講演会の様子
講演実績

東京都江戸川区本一色にて、6畳の畳表替え工事を行いました。

今回使用した畳表は、熊本県産のJAブランド「ひのさくら」麻綿ダブルです。

ただし、一般的な畳表とは少し違います。

今回使用したのは、製造後すぐに施工する畳表ではなく、約1年から1年半かけて熟成させた畳表です。

熟成畳表は、新しいい草特有の青々とした色合いこそ控えめですが、落ち着いた色合いや、年月を経た後の美しい黄金色が魅力とされています。

樋口畳商店では、国産畳表の中でも上位の、特別に選んだ畳表だけを熟成させています。

今回は、実際の施工写真とともに、熟成畳表の特徴やメリット・デメリット、当店が行っている保管方法まで詳しくご紹介します。

江戸川区本一色・6畳表替え工事の施工内容

項目内容
施工場所東京都江戸川区本一色
工事内容畳表替え6枚
畳表熊本県産JAブランド「ひのさくら」
畳表の仕様麻綿ダブル・熟成畳表
熟成期間約1年〜1年半
畳縁ノーブルNo.10

施工料金

内容金額
畳表替え 20,000円 × 6枚120,000円
畳縁 500円 × 6枚3,000円
諸経費2,450円
税別合計125,450円
税込合計137,995円

※今回の施工実績に基づく料金です。材料の在庫状況や施工条件によって価格が変わる場合があります。

熟成畳表とは?新しい畳表をあえて寝かせる理由

一般的に、新しく製織された畳表は、い草の青々とした色合いが特徴です。

新しい畳の鮮やかな緑色が好きという方も多いでしょう。

一方、熟成畳表は、製織された畳表をすぐに使用せず、一定期間保管したものです。

今回使用した畳表は、約1年から1年半寝かせたものになります。

熟成によって、い草の色合いは少しずつ変化します。

新草のような鮮やかな緑色ではなく、落ち着いた、やや白みを帯びた色合いになるのが特徴です。

そして熟成畳表には、もう一つ期待されている特徴があります。

それが、施工後の色の変化が比較的穏やかで、時間が経った後も美しい黄金色になりやすいということです。

ただし、色の変化は畳表の品質、保管状態、日当たり、使用環境によって異なります。

熟成させれば必ず色焼けしなくなる、というわけではありません。

私が熟成畳表に魅力を感じているのは、新品のときだけではなく、長く使う中での色合いまで楽しめるところです。

熟成畳表のメリット①|美しい黄金色への変化

天然い草の畳表は、時間の経過とともに色が変化します。

これは天然素材である以上、避けられないものです。

新しい畳表の緑色は、日光や酸化などの影響を受け、徐々に黄色みを帯びていきます。

この変化を単なる劣化と捉える方もいらっしゃいますが、私は必ずしもそうは思いません。

質の良い畳表が美しい黄金色へと変化していく姿には、新品の畳とは違った魅力があります。

熟成畳表は、あらかじめ時間をかけて色合いを落ち着かせることで、施工後の急激な色の変化が比較的目立ちにくいとされています。

畳は新品のときが完成形ではなく、使い込んだ後の姿にも美しさがある。

熟成畳表は、そんな天然い草の魅力を楽しみたい方におすすめしたい材料です。

熟成畳表のメリット②|湿気やカビが気になるお部屋にも

熟成畳表は、適切な環境で一定期間保管することで、畳表の水分状態が落ち着くことが期待されます。

そのため、熟成畳表は新しいい草の畳表と比べて、カビが発生しにくいといわれることがあります。

特に、湿度が高くなりやすいお部屋では、こうした特徴に関心を持たれる方もいらっしゃると思います。

ただし、ここは畳職人として正確にお伝えしたいところです。

熟成畳表であっても、湿度が高い状態が続けばカビは発生します。

熟成させたからといって、防カビ加工を施した畳表と同じになるわけではありません。

また、熟成期間だけでカビの発生率がどの程度変わるかについて、すべての畳表に共通する数値があるわけでもありません。

畳のカビ対策で大切なのは、畳表の選び方だけではなく、施工後のお部屋の湿度管理です。

梅雨や長雨の時期には、エアコンの除湿機能や除湿機を活用することをおすすめしています。

熟成畳表のデメリット|青々とした緑色が好きな方には向きません

熟成畳表には魅力がありますが、すべてのお客様におすすめするわけではありません。

最大の理由は、色合いです。

新草の畳表と比較すると、熟成畳表はやや白っぽく、落ち着いた色合いになります。

そのため、

「畳を替えるなら、鮮やかな緑色にしたい」

「新しいい草の青々とした雰囲気が好き」

という方には、熟成畳表よりも新草の畳表をおすすめします。

一方で、

「落ち着いた雰囲気の和室にしたい」

「時間が経った後の畳の色合いも楽しみたい」

「品質の良い国産畳表を長く使いたい」

という方には、熟成畳表が一つの選択肢になると思います。

どちらが優れているというよりも、お客様が畳に何を求めているかが大切です。

樋口畳商店がこだわる熟成畳表の保管方法

ここからは、樋口畳商店が実際に行っている熟成畳表の保管方法をご紹介します。

熟成畳表は、ただ倉庫に放置しておけばよいというものではありません。

保管中にカビが発生したり、畳表が傷んだりしてしまっては意味がないからです。

当店では、熟成させる畳表の選定から保管環境まで、自分なりに工夫しています。

① 新しい畳表を優しく丸める

まず、新しいい草で製織された畳表を優しく丸めます。

畳表に余計な負担をかけないよう、丁寧に取り扱います。

② 黒い袋に入れて立てて保管する

丸めた畳表は黒い袋に入れ、立てた状態で保管します。

このとき、い草の頭の部分だけを少し袋から出すようにしています。

すべてを密閉するのではなく、当店ではこのような方法で保管しています。

③ 倉庫には炭八と除湿剤を設置

熟成畳表の保管で特に気をつけているのが湿度です。

当店では、倉庫の床に調湿材の「炭八」を敷き、除湿剤も常備しています。

畳表は天然素材です。

保管環境が悪ければ、熟成どころかカビや傷みの原因になってしまいます。

そのため、保管中の湿度にも注意を払っています。

④ 梅雨の時期には除湿機も使用

湿度が高くなる梅雨の時期には、除湿機も使用しています。

炭八や除湿剤だけに頼らず、季節に応じて保管環境を整えるようにしています。

このように、樋口畳商店では時間をかけて畳表を保管しています。

ただし、これは当店が実践している保管方法であり、すべての畳表に適した唯一の熟成方法というわけではありません。

熟成に必要なのは、単に時間をかけることではなく、その間の畳表の状態を大切にすることだと考えています。

熟成させるのは、国産畳表の中でも特別なものだけ

樋口畳商店では、すべての畳表を熟成させているわけではありません。

熟成させるのは、国産畳表の中でも上位の、特別に選んだ畳表だけです。

なぜなら、時間をかけて保管するからこそ、その価値があると思える材料を選びたいからです。

今回使用した熊本県産JAブランド「ひのさくら」も、その一つです。

畳表の品質を見極め、保管し、適切な時期にお客様へお届けする。

これは、既製品を仕入れてそのまま施工するだけではない、畳屋としての取り組みです。

また、熟成には1年から1年半ほどの時間が必要です。

そのため、一度に大量の在庫を用意することはできません。

熟成畳表は数量限定でのご案内となります。

ご希望の際は、あらかじめ在庫状況をお問い合わせください。

熊本県産JAブランド「ひのさくら」と麻綿ダブル

今回使用した畳表は、熊本県産JAブランド「ひのさくら」です。

「ひのさくら」は、熊本県産畳表の中でも品質にこだわったブランドとして知られています。

今回の畳表には、経糸に麻糸と綿糸を使用した「麻綿ダブル」を採用しています。

畳表の品質は、経糸の種類だけで決まるものではありません。

い草の長さ、品質、織り込み、製織技術など、さまざまな要素が関係します。

そのため、私は畳表を選ぶ際、単に麻綿ダブルという名称だけではなく、実際の畳表の状態を大切にしています。

今回は、熟成させた「ひのさくら」を使用し、落ち着いた雰囲気の和室に仕上げました。

畳縁はノーブルNo.10を使用

今回の畳縁には、ノーブルNo.10を使用しました。

畳表の落ち着いた色合いに、緑系の柄を持つ畳縁がよく合っています。

畳縁は、畳表の端を保護する役割だけでなく、和室全体の印象を左右する大切な材料です。

同じ畳表でも、畳縁の色や柄が変われば、和室の雰囲気は大きく変わります。

今回のような熟成畳表には、落ち着いた柄の畳縁を合わせることで、自然な仕上がりになると思います。

施工後の様子|落ち着いた色合いの6畳和室へ

【施工写真①:熊本県産ひのさくら・熟成畳表による表替え後】

【施工写真②:畳表とノーブルNo.10の組み合わせ】

今回の施工写真をご覧いただくと、畳表が新草のような濃い緑色ではなく、少し落ち着いた色合いになっていることが分かると思います。

これは熟成畳表ならではの特徴です。

明るすぎず、落ち着いた雰囲気の和室に仕上がりました。

今回の工事は6畳の表替えで、税込137,995円です。

畳床はそのまま使用し、畳表と畳縁を新しくしています。

熟成畳表をご希望のお客様へ

樋口畳商店では、東京都江戸川区を中心に、畳の表替え・新畳・縁なし畳などの工事を承っています。

私は京都で6年間修業し、一級畳製作技能士として畳の製作・施工に携わってきました。

畳表にはさまざまな種類があります。

国産い草、中国産い草、和紙表、樹脂表。

そして国産い草の中にも、新草の畳表と熟成畳表があります。

どの材料にも特徴があり、お客様のご希望やお部屋の環境によって適したものは異なります。

熟成畳表は、当店でも限られた数量しかご用意できません。

「熟成畳表を使ってみたい」

「落ち着いた色合いの国産畳表を探している」

「熊本県産の上質な畳表で表替えしたい」

という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

樋口畳商店へのお問い合わせはこちら

まとめ|時間をかけて育てる、もう一つの畳表の魅力

今回の江戸川区本一色での施工では、熊本県産JAブランド「ひのさくら」の麻綿ダブルを約1年から1年半熟成させた畳表を使用しました。

新草の青々とした色合いとは違い、落ち着いた風合いが魅力です。

樋口畳商店では、熟成させる畳表を厳選し、黒い袋での保管や倉庫の湿度管理など、時間をかけて大切に保管しています。

もちろん、熟成させたからといって、すべての性能が向上するわけではありません。

それでも、時間をかけることで生まれる風合いや、使い込んだ後の美しさには、天然い草ならではの魅力があると思っています。

畳は新しいときだけが美しいわけではありません。

長い年月を経て、黄金色に変化していく畳もまた、美しいものです。

その魅力を、これからもお客様にお伝えしていきたいと思います。

樋口畳商店|一級畳製作技能士

江戸川区に根差し、地域に寄り添う畳店

一級技能士の店主が直接お伺いし、
あなたの大切な畳を診断・施工いたします。

表替え 4,000円〜 (税込4,400円〜)

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