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    【自己紹介プロフィール】樋口裕介
    2017年6月12日

 

みなさん、こんにちは!畳製作一級技能士の樋口です。今回は、畳屋とは何か?製造業と小売業のジレンマ【職人と商売人】を紹介します。

畳屋は製造業だ!

 

畳屋って何なのだろうか。ふと考えてみた。

 

私が思うに畳屋は製造業という枠組みに入ると思う。

 

製造業は、原材料などを加工することによって製品を生産・提供する産業で、鉱業・建設業とともに第二次産業を構成する一大分野である。工業の中でもさらに重工業から軽工業までと幅広く、各国の産業構造によって異なる分布を見せ、概して経済活動において主要な位置付けとなる。 家庭用電気機械器具(家電)、自動車といった工業製品から、コンビニエンスストアで販売される弁当や飲料を調理・製造する産業までが製造業に含まれる。

 

とはいえ製造業と聞くと、工場で生産して企業もしくは小売店に卸すことが一般的。

 

畳屋のように製造業でありながら一般のお客様に直接納品する小売店的な役割を同時に担っているのは珍しい。(だが、小売といっても畳関連商品(上敷き、畳の小物など)のみで小売店と呼べるのかは疑問も残る)

 

小売とは、生産者や卸売業者から購入した(仕入れた)商品を、最終消費者に販売すること。

 

したがって、

 

畳屋は製造業だ

でも

小売業だ

 

となる。

 

しかし、製造業と小売業では抱えている問題点が違いお互いジレンマが生じていると私は思う。

 

前置きが長くなってしまったが、今回の内容は畳屋とは何か?職人と商売人のジレンマについて語っていきたい。

 

畳屋とは何か

 

畳屋とは何かの問いに頭では理解していても一言で答えられる人はそう多くない。

 

畳屋とは畳職人の一族や一門など付けられた称号で、その歴史は鎌倉時代まで遡ると言われている。(そのもっと昔、740年前後に畳職人が居たのは分かっているが、それが個人なのか、一族、一門であったかは分かっていない)

 

それから長い時の中で一子相伝の技を子々孫々に伝え、脈々と受け継がれてきた。

 

まさに歴史の壮大なスペクタブルなのだが、一方で畳の使い方が革新しライフスタイルに大きな変化が生まれた。

 

寝具や家具として使われていた畳が敷き詰める敷物へと変化をしたのだ。

 

私はこれを使い方のイノベーションと呼んでいるが、このイノベーションによって畳屋は大きく変わった。

 

例えば、これ。

 

繧繝(うんげん)縁

 

これは敷き詰める畳ではなく、高貴な方が座るタイプの畳。(この畳は神社に納めた畳の為、実際に座るわけではありません。あくまで一例です。またこちらの畳は略式で作られたものになります。本式が見たい方は「繧繝縁 厚畳」でググってください。いま手元に画像がありません)

 

江戸時代までの畳屋が請け負っていた仕事と言えばこちらがほとんどで、皆さんのイメージにある畳は室町時代後の銀閣寺の書院が出来て江戸時代に茶室が流行った後の話。

 

つまり畳屋は時代の流れと共に仕事が変化した職種と言える。

 

畳屋は伝統産業?建築業?

先ほど紹介した畳の厚畳もそうだが、畳は工芸品としても商品として提供している。

 

一般的にこういったお店は、伝統産業という枠組みに入れられ、伝統工芸士と呼ばれることがほとんどだ。

 

とはいえ、多くの畳屋は伝統産業の枠組みに属しておらず、伝統工芸士と名乗っている者はいない。

 

では、建築業なのか。

 

確かに建築物の一つであって、「畳屋は建築業だよね」って大工さんも、表具屋さんも、建具屋さんも、家具屋さんも畳屋のみんなも思っている。

 

とはいえ、建築業欄の中に畳屋が含まれていないことの方が多い。

 

▼wikipedia建築業一覧https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E6%A5%AD

 

一方で、伝統産業の欄には当然畳が含まれている。

 

▼京都伝統産業一覧https://densan.kyoto/industry/

 

別にジャンル分けして欲しいわけではないが、我々畳屋は一体何なのか。ちょっと知りたい。

 

職人タイプと商売人タイプ

畳屋の仲間同士で話をすると「アイツって職人タイプだよね」「アイツは商売人タイプや」と言ったレッテルばりの話になることがある。

 

これ自体は意味のないたわいもない話だが、なぜ畳職人には職人タイプと商売人タイプが存在するのかはとても大切な話だと思う。

 

職人タイプとは即ち職人気質のことで、言葉より技術や技能でお客様にアプローチするタイプ。

 

一方、商売人タイプは技術や技能より、言葉や文章、頭脳でお客様にアプローチするタイプ。

 

一概にどっちが良いのか分からないが、個人的には職人タイプの方が嘘を言わないので接しやすいとは思う。

 

ただ、こう言った二種類のタイプが同じ畳屋という職種でも存在しているのには畳屋というビジネスモデルが大きく関係している。

 

それが冒頭に言った畳は製造業である一方、小売業であること。

 

だから同じ畳屋でも職人タイプと商売人タイプが生まれてしまうし、畳屋によって色が違うお店のスタイルになっている。

 

個人の特色が出るのはとても良いことだが、ここにジレンマが生まれている。

 

製造業と小売業のジレンマ

製造業に特化した業種であれば技術力が最も必要な能力になる。一方で小売業に特化した業種であれば営業力やマーケティング力が最も必要な能力になる。

 

では、畳屋はどっちの能力が最も必要な能力だろうか。

 

おそらくこの問いに答えはない。

 

だからこそジレンマの中で難しい選択が問われてくる。

 

畳作りにこだわり過ぎれば生産性は落ちて、効率的に儲けを出すことができない。しかし、生産性だけを考えれば畳の技術レベルが低下する。

 

製造業としての理念と小売業としての理念には相反するものがある。

 

どうすべきか。答えは自分で出すしかない。

 

最後に

 

職人としての気持ちばかりを追求すれば、商売として儲けが出ない。一方、商売人としての気持ちばかりを追求すれば、職人として満足のいかない仕事になり心が痛む。

 

そのジレンマの中で仕事をしていくわけだが、一番よくないことは中途半端でいることだと思う。

 

両立していくことは無理だと諦めて、どっちかに振れる。

 

人生は大きな選択の連続ですね。

 

読んで頂きありがとうございました。

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