
みなさまこんにちは。樋口畳商店の樋口です。
今回は、天然い草で縁なし畳(琉球風畳)を作る際の最重要工程のひとつ、
👉 **「畳表(い草)の曲げ方」**について解説します。
一見シンプルに見える工程ですが、ここで失敗すると
- い草が割れる
- 耐久性が落ちる
- 仕上がりが荒れる
といった問題に直結します。
まず結論|天然い草は“そのまま曲げない”
天然い草は乾いた状態で無理に曲げると、繊維が割れます。
そのため必ず、
👉 専用の液体で湿らせてから曲げる
必要があります。
曲げる前の下処理(最重要)
■ 専用液体を塗布する理由
- い草の繊維を柔らかくする
- 割れを防ぐ
- 均一に折り曲げる
■ 塗り方のポイント
- ハケで曲げる部分だけに塗る
- 塗りすぎない(シミの原因)
- 全体に広げない(仕上がりが濁る)
👉
**“必要なところに、必要な量だけ”**が基本です。
季節による待ち時間の違い
塗布後はすぐに曲げず、時間を置くことが重要です。
- 夏:約12分(乾きが早い)
- 標準:約20分
- 冬:約30分(乾きにくい)
👉
い草の状態を見て調整するのが職人の判断です。
曲げ方の核心|三段階で曲げる
ここが一番のポイントです。
いきなり一気に曲げると、い草は割れやすくなります。
■ 三段階の工程
① 軽く曲げてクセをつける
② 中間までゆっくり曲げる
③ 最後にしっかり折り込む
👉
この“段階的な力の入れ方”で、繊維の破断を防ぎます。
最終工程|ペンチで折り目を固定
最後は、
👉 クッション付きのペンチ(自作)
を使って、い草を潰しながら折り目をつけます。
■ なぜクッションを付けるのか
- 表面を傷つけない
- 均一に圧をかける
- 見た目を整える
👉
ここも仕上がりに大きく影響します。
実際の作業動画
Watch the full process in this video.
以下の動画で、実際の工程を確認できます。
※画像・動画はイメージを含みます。実際の施工は現場条件により調整します。
なぜこの工程が重要なのか
縁なし畳は、縁で隠すことができません。
つまり、
👉 畳表の曲げがそのまま仕上がりになる
ということです。
だからこそ、
- 割れない
- 歪まない
- 美しい
👉 精度の高い曲げが求められます。
職人としての視点
この工程は、道具だけでは解決できません。
- い草の状態
- 湿度
- 季節
- 張り具合
👉
すべてを見ながら調整する必要があります。
👉
ここに職人の経験が出ます。
まとめ
天然い草で縁なし畳を作る際は、
- 必ず液体で湿らせる
- 季節に応じて待つ
- 三段階で曲げる
- 最後に圧をかけて固定する
👉
この4点が仕上がりを大きく左右します。
最後に
縁なし畳はシンプルに見えて、実は非常に繊細な技術の積み重ねでできています。
ご興味のある方は、施工やオーダーについてもお気軽にご相談ください。
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