
京都市の黄綬褒章受章店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。
- 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
- 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
みなさまこんにちは。樋口畳商店の樋口です。
今回は、葛飾区にある素敵なピアノスタジオへ納品させていただいた、特別な縁なし畳の施工事例をご紹介します。
この仕事は、単なる「畳替え」ではありませんでした。
👉 空間に合わせて畳を設計し、
👉 素材の色そのものを使って表現を作る。
近年でも、特に難易度の高い仕事のひとつになりました。
今回の施工|石畳調の縁なし畳

今回使用したのは、
👉 熊本県産 目積織(めせきおり)の縁なし畳
です。
通常、縁なし畳は「市松敷き」と呼ばれる敷き方が一般的です。
畳の向きを互い違いに変えることで、光の反射差によって市松模様に見せる伝統的な施工方法です。
しかし今回は、一般的な市松敷きではなく、
👉 “石畳”のようなグラデーション表現
を目指しました。
3年分のい草を使った特別な施工
今回の最大の特徴は、
👉 収穫時期の異なる3種類のい草
を使用したことです。
使用したのは、
- 3年前に収穫された畳表
- 一昨年に収穫された畳表
- 去年収穫された畳表
天然い草は、収穫からの時間によって色味が変化します。
新しいい草は青みが強く、年月を経たものは少し落ち着いた色になります。
この自然な色の変化を利用して、
👉 畳そのものにグラデーションを作り、
👉 石畳のような空間表現
を行いました。
「自然素材だからできる表現」
これは印刷や工業製品では出せない表情です。
天然い草だからこそ、
- 色が微妙に違う
- 艶が変わる
- 光の当たり方で印象が変化する
👉
つまり、
👉 “生きている素材”だからできる空間表現
でした。
施工がとても難しかった

今回の現場は、もともと和室として作られた空間ではありません。
そのため、
- 石の寄せが出ている
- 柱が真っ直ぐではない
- 壁も完全な直線ではない
しかし、畳はラインを合わせなければいけません。
少しでもズレると、
👉 空間全体の美しさが崩れてしまいます。
一発では入りませんでした
正直に言うと、
👉 今回は一発で納まりませんでした。
特に柱部分の加工が非常に難しく、
👉 二度手直しを行っています。
柱は見た目以上に複雑です。
- 真っ直ぐに見えて歪んでいる
- 上下で寸法が違う
- 石との取り合いもズレている
👉
図面通りには絶対にいきません。
だからこそ成長できるのだろうと思う
今回の仕事を通して改めて感じたのは、
👉 まだまだスキルが必要だということ。
そして同時に、
👉 もっと上手くなれる
ということでした。
難しい仕事ほど、職人として成長できます。
農家さんへの感謝
今回のような施工ができたのは、
👉 無茶なお願いにも応えてくださった農家さん
のおかげでもあります。
収穫年の違う畳表を揃えるというのは、簡単なことではありません。
素材を作る人がいるからこそ、職人は表現できます。
お客様への感謝
そして何より、
👉 この特殊な施工を信頼して任せてくださったお客様
に感謝しています。
空間づくりは、職人だけでは完成しません。
「こんな空間を作りたい」という想いがあるからこそ、今回のような挑戦ができます。
畳は“床材”ではなく空間デザイン
近年、畳は「和室の床材」という枠を超え始めています。
- ジャパンディ
- 和モダン
- スタジオ空間
- 海外インテリア
👉
畳は今、
👉 “空間をデザインする素材”
になっています。
最後に
樋口畳商店では、
- 一級畳製作技能士による施工
- オーダーメイド畳
- 縁なし畳
- 特殊加工
- 海外発送
まで対応しております。
「普通の畳ではなく、空間そのものを作りたい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
