国産畳と中国産畳の何が違うの?
皆さん、ご存知でしょうか。
今、国産畳だと偽って中国産畳を使う畳業者がある事を。
これは詐欺的行為ですから厳重に取り締まらなければなりません。とはいえ、国産畳と中国産畳の違いが皆さんにわかりますか?
毎日畳を見ている畳職人、お茶の先生、大工さんならわかるかもしれませんが、それ以外の方が見たって国産畳と中国産畳の違いなんてわかるわけないと私は思います。
そこで今回は、国産畳と中国産畳の何が違うの?国産表と中国産表の見分け方を紹介します。
この前畳替えをされた方、これから畳替えの注文する方の参考になれば嬉しいです。
国産表と中国産表の見分け方
まず前提として、国産畳と中国産畳を目で見て判断する事はかなり難しい事です。
といのも、中国産藺草は国産藺草の根と作り方をベースに中国で栽培している藺草なので、国産藺草と似ている藺草が出来るのは必然です。
とは言え、一昔前までは中国産畳と国産畳の違いは一目でわかる完成度の違いだったのですが、近年は開発と改良が進み、中国産藺草の品質が格段に向上し、現在のように見分けがつきにくいレベルまでなってしまったのです。(本当は喜ぶべき事ですが)
では、見た目から国産畳と中国産畳は判断できないのでしょうか。
かなり目をこらさなければなりませんが、一応見て判断する事は可能です。
見比べてみていかがですか?
もちろんわかりにくいのは間違いありませんが、近くから見ても、遠くから見ても、少し違うように見えないですか。
どこがどう違う?というのは中々言語化できないですが、畳の目(山と谷の織り目)と、藺草の一本一本に注目して見てもらえば何となくわかると思います。(畳の色は光の具合によるものなので、色の違いで国産と中国産を判断するのは難しいです。ただ、中国産の中には染色している畳表もあります。その場合は明らかに色が違うので、国産と中国産の判断が可能かと思います)
とは言え、見てもわからない人も多いかと思います。そこで、そこでおすすめなのは施工する前に現物の畳表サンプルを貰うことです。まず貰った藺草のサンプルを両手で持ってゆっくりと折り曲げます。折り曲げた際に藺草が割れてしまったらそれは中国産畳でほぼ間違いありません。国産畳表は中国産国産畳表に比べて割れにくいものになっています。その理由は後々紹介することになりますが、今は国産の方が丈夫で、中国産の方が割れやすいということだけ覚えてもらえたら幸いです。
現物のサンプルがもらえないなんて事はあまり考えられない状況ですが、万が一もらえなかった場合は、納品時に畳表をよく見せてもらいましょう。
ちょっとわかりにくいですが、国産の場合畳表の表面にこのようなバーコード付きの紙が織り込まれています。これは国産畳である事の証明書であり、バーコードには作った農家さんの情報が記されています。
また、規格品(国産畳表二等もしくは一等。(二級、一級と呼ぶ人もいるが、畳床とごちゃごちゃになる事もあるので、できれば二等、一等でお願いしたい))の場合、いつ、誰が、どこで証明したかのシールが畳表に貼られています。生産者番号も貼られているので、それ番号で問い合わせを行えば国産である事の証明は簡単にできます。
しかし、シールが付いていれば安心というわけではありません。
シールなんて幾らでも付け替え可能ですし、下手したら偽造だって出来るかもしれません。結局のところ、最終的には畳職人を信頼するしかないのかもしれません。
国産畳と中国産畳の何が違うの?
そもそも国産畳と中国産畳の何が違うのか?
先に説明した通り、これ程までに似ている畳表なら安い中国産使った方が得じゃん!って誰もが思いますよね。
ですが、そんな事はありません。
確かに中国産畳の見栄えは過去に比べて格段に良くなりました。
とはいえ、、それは外見だけです。
これは藺草を拡大した時の図です。
言うまでもありませんが、向かって左が国産藺草、向かって右が中国産藺草です。外面はとても綺麗に見えるけど肝心の中身がスカスカ。人間で言えば、まぁまぁクズ野郎ですよね。
藺草の中身がスカスカだと吸湿性や耐久性に大きな影響を与えます。それが藺草の割れる原因にも繋がります。やはり日本の風土と農家さんの努力の賜物だと改めて認識します。
また、国産畳の特上物(備後表)になると焼ければ焼けるほど金色に輝くと言われ、とても綺麗な黄金色になります。この畳はとても高額な畳になってしまいますが、気になる方は一度畳屋さんにお問い合わせください。
以上、国産畳と中国産畳の何が違うの?国産表と中国産表の見分け方でした。
最後に
いかがでしたか。
国産畳と中国産畳の違いはわかりましたか?
参考になれば嬉しいです。
今回、中国産と国産の違いを紹介しましたが、中国産にも四川畳表というものがあり、国産にも劣らない高品質な畳表もあります。
また、東アジアでは新しい藺草の生産地を目指して藺草を試験的に植え付けているという話も聞いています。今後、もしかしたら中国産に変わる畳表が登場するかもしれません。
例えどんな畳表が登場しても畳業界としてはお客様に誠実な商売をしてほしいと思います。
もちろん、私もですが。
読んでいただき、ありがとうございました。