畳の仕事はきつい?|畳職人の仕事を解説

 

皆さん、こんにちは!畳製作一級技能士の樋口です。今回は、畳の仕事はきつい?畳職人の仕事を解説します

 

畳の仕事はきつい?

 

お客様から「畳の仕事ってきつい?」とたま〜に聞かれますが、正直よくわかりません。

 

と言うのも、私は郵便局のアルバイトしか他の仕事をやった事がないので、比べようがないのです。

 

ただ、きつい事もあれば楽な事もあるのが畳の仕事だと思っています。

 

そこで今回は、畳の仕事はきつい?畳職人の仕事を解説したいと思います。

 

畳の仕事がきついか気になる方の参考になれば嬉しいです。

 

畳職人の仕事を解説

 

職人の朝早い

 

某プロフェッショナル系TVの謳い文句みたいですが、畳職人も例外なく朝が早いです。

 

その理由は、現場まで車で向かうこと、現場までの距離が長いこと、早く終わらせて早くお酒を飲みたいからだと言われています。

 

やっぱり早朝は車も混んでいないので、移動時間を短縮する事ができます。

 

だから私もなるべく朝早くから仕事をして、夕方前(16時〜17時)には仕事が終わるようにしています。(18時頃からの飲み会も仕事と言えば仕事ですが・・・。)

畳職人の仕事内容

では、朝早くから畳の仕事は何をしているのか。

 

まず、畳を引き上げに行く(もしくは寸法を取る)。表替え(裏返しも含む)と新畳とで段取りが違いますが、朝から動くのは同じです。それら引き上げた畳を工場に持って行き畳の施工を開始します。施工が終わったら畳を納品しに行く。超簡単に説明してしまえば、これだけです。

 

あとはそのルーティーンの中に見積もりやサンプルを作成して送付、寸取りなどが入ってきます。私は基本的に一人しかいないので「すぐに来てくれ」対応は難しいですが、なるべく言われた日に行けるように努力しています。

 

職人の仕事(一日スケジュール)を説明すると「なんかアッサリして簡単な仕事だな」と思われるかと思います。確かにやっている事はとてもシンプルな事で、仕事の流れを覚える事は一瞬で出来ます。なので、職人に研修期間と言うのは基本皆無で、初日から残業もするし、畳触った事ない初心者でも結構ちゃんと働きます(私の弟弟子は、初日じゃなく京都に来た日に解体作業を手伝っていた。しかもその次の日は残業していた)。

 

それが畳職人の仕事として良いところと言うか、早く仕事が学べて早く戦力の一人になれる(施工に関してはちょっと時間が掛かる場合もありますが)事だと思います。

 

畳の仕事はきつい?

では、本題。畳職人の仕事はきついのか解説したいと思います。

 

最初に断言しておきますが、京都と東京で畳の仕事のきつさレベルが全く違います。京都の畳は京間と呼ばれる畳で、東京の江戸間の畳に比べて大きな畳が一般的です。なお、京都では京町家と呼ばれる縦に伸びた細長く狭い家が数多くあり、二階にも沢山の畳が敷き詰められています。その中を畳を担いで突き進むわけですが、壁は土壁の塗り立てがほとんどで、壁を当てずに40キロ以上の畳をどうやって二階に上げるの?って現場を沢山経験することになります。

 

それに比べて東京。確かに小さい狭い家は東京にもありますし、藁床を使った重い畳もあります。とは言え、大変さのレベルが違う。江戸間の畳は小さいので小回りは効くし、土壁ではなく壁紙が殆どなので、無理なく養生する事が出来ます。私も東京で畳の仕事をしていますが、「きつい」と思った現場は殆どありません。

 

地方でも同じで、地方は畳が重くても、家が大きいので、そこまで苦労しないと地方に住む畳職人の友達が言っていました。つまり、京都に比べると東京もその他の都道府県も畳の仕事はきついわけではないと言えます。

 

とは言え、それは畳の引き上げ、納品時の話。畳の施工自体はきつい作業ではないのか解説していきます。

 

畳の施工は楽になった?

畳の施工は手間を掛ける事も出来れば、楽する事も出来ます。それは職人さんの心ひとつです。自分が良い畳を作りたいと思えば必然的にきつい作業が多くなり、自分が楽したいと思えば何の深みのない単純な畳が出来上がります。

 

つまり、畳の施工をきつい作業にするか、楽な作業にするかは選べると言う事です。

 

最近では畳の施工の大まかな部分を機械が担っています。その比率は80%以上。一部畳会社では90%以上かもしれません。殆どの作業を機械に任せ人間は機械ではどうしようもない部分を作業する。本来、工場の理想形でもある工程プロセスですが、何がお客様にとって良い畳なのかの議論が置き去りになっている気がします。

 

畳を作る作業を楽するにしても、つらいきつい作業にするにしても、大事なのは「誰の為の畳か」という部分だと思います。なんか最後は随筆みたいになってしまいましたがまとめると、畳の施工は楽にもできるし、つらくもきついもできるということです。

 

以上、畳の仕事はきつい?畳職人の仕事を解説でした。

 

最後に

いかがでしたか。

 

畳の仕事がきついか楽かわかりましたか?

 

参考になれば幸いです。

 

畳職人の具体的な仕事内容、作業内容は各違う記事で紹介しています。

 

もし興味ある方は下にリンクを貼っておきますので、ご覧になってください。

 

▼畳職人の一日:【丁稚奉公】弟子の一日とは?|畳職人の修行を解説【守破離】 

 

▼畳の張替え工事:【畳張り替え講座】表替えとは?|畳の張り替え工事について紹介 

 

▼畳職人になるには?:畳職人になるにはどうすればいいの?|一級畳技能士になるまでの過程を紹介 

 

読んでいただきありがとうございました。

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