何で畳に板を入れるの?|板入れ新畳とはどんな畳かを解説

 

・何で畳に板を入れるの?
・板入れ新畳とはどんな畳なの?

 

よく畳屋さんがアップする画像で「板入れ新畳」という畳があります。畳職人であれば板入れ新畳がどんな畳かわかりますが、一般的にはなぜ板を入れるのかわからない方も多いかと思います。

 

そこで今回は、何で畳に板を入れるの?板入れ新畳とはどんな畳かを解説します。板入れ新畳とは何か疑問に思っている方の参考になれば嬉しいです。

板入れ新畳とはどんな畳か解説

 

板入れ新畳とは一体どんな畳なのか。を解説する前に、まずなぜ畳に板を入れるのかから解説します。

 

何で畳に板を入れるの?

この答えには二つほど理由があります。まず一つ目は、板を入れることで畳の角を出すことができる。「畳は角が命」なんてのは大げさですが、角が丸くなっている畳より角が立っている畳の方が敷き込んだ時にピシッと見え綺麗に感じます。

 

二つ目は、畳の角を摩擦から守るために板を入れる。畳は敷物ですから人がその畳の上を歩くたびに摩擦が生じ、畳の角が次第に丸まっていきます。畳の幅には畳縁が付いている為、畳を守ってくれていますが、畳の框部分にはそれがありません。

 

人が通れば通るほど畳の角は丸まっていき、畳の寸法も小さくなっていってしまいます。

 

そのような摩擦から守る為に畳に板を入れ、半永久的に保護するのです。畳に板を入れる理由は、三十年経っても四十年経っても畳が綺麗な状態で使い続けられるようにという想いであり、お客様の目には決して触れない見えない技術です。

 

板入れには関東式と関西式がある?

畳の板入れ方法には関東式と関西式の二種類があります(九州にも独特な縫い方があると聞いたことがありますが・・・。知らないので取り敢えず二種類でお願いします)。

 

関東式は糸が一本の縦。関西式は糸が二本のV字。私は東京人ですが京都で畳の技術を学んだので、関西式の縫い方で板入れを行なっています。

 

関東式と関西式とこのような違いはありますが、この前後の手順は一緒であり、完成品にそこまで大きな違いはありません。ただ、糸を二本V字で掛けている関西式の方が板の締めは若干強く、板の戻りに差が出ると思われます(板入れに時間は掛かりますが)。

 

板入れに必要な道具

 

板入れに必要な道具は糸と針、締め鍵(糸を締める道具)、ハンマー、框板、かんな、三又錐(三つに別れているキリ)です。

 

他にも板を止める為にマチ針や寸法を見る為のさし、框を落とす為の包丁などがあります。

 

板入れ新畳はいくらくらい?

板入れ新畳のだいたいの値段は一帖5万円〜10万程度。備後の中継ぎ表を使用すれば15万の畳もあります。

 

これは板を入れる施工料金の影響というより材料代(畳表や畳床、畳縁)などの影響が大きいですが、板入れ新畳は大体このぐらいの値段はします。

 

畳の最高級品ですね。

 

以上、何で畳に板を入れるの?板入れ新畳とはどんな畳かを解説でした。

最後に

板入れの作業は平刺し作業に比べれば難しい作業です。

 

平刺し作業とは↓

 

【畳職人手縫い表替え】早技!平刺し縫い

 

平刺しはコツさえ掴めばただ縫っていくだけですからね。一方、板入れは糸を締めた時に注意しないと厚さが変わってしまう場合があるので注意が必要になります。

 

まぁ板入れも慣れたら慣れたでコツを掴めるのですが・・・。

 

読んでいただきありがとうございました。

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