15ミリの薄い畳はどうやって作るのが正解なのか

昔から畳は糸で縫うことが正しい作り方とされてきた。針を持って糸で縫い止めることで畳を傷めず、畳表と畳床をしっかりと施工できる。だから長持ちする。

それは機械で縫おうが、畳床が建材床になろうが変わらない。だから畳職人と名乗る人は糸で縫うことに強い矜持を持っている。

ここまでは私も同意する。お客様に長く使ってもらえるように畳のことを考え施工する。とても尊いこと。

しかし、15ミリの薄い畳について私は納得できない。

15ミリの薄い畳は木製のチップを圧縮した薄いボードもしくはオレフィン系硬質発砲ボードを保護紙でサンドしたもの。藁床と違い畳用の針が通れば穴は空き、糸を締めれば床が潰れる。(藁床でも穴は空くが膨張縮小を繰り返すので時間が経つと穴が塞がってくる。床が潰れるのも同様)

つまり糸で縫うことが必ずしも畳に優しい作り方なのか疑問が残るわけです。

また、畳用の針は大きくて太い。同じ箇所を縫うならまだしも表替えや裏返しをする際は別の箇所を縫うわけです。畳の糸が通る箇所は中心部分に比べて痛みやすいから縁側部分の痛みは加速していくことになる。

決して畳に優しい作り方であるとは言えないはず。

15ミリの薄い畳は専用の接着剤で圧着する

最近では15ミリの薄い畳の作り方として専用の接着剤で圧着する方法が増えている。これは糸で縫うのと違って畳を痛ませずに作ることができるので、畳業界では割と人気がある作り方です。

ただ、この作り方には2つほどデメリットがあります。

1つは縁なし畳しか作れないこと。(縁付きは框しか止められない)もう1つは表替えする際に剥離剤を使っても綺麗に剥がせないこと。

作るまでは丁寧な仕事で良いのですが、次張り替える時に畳を痛ませてしまうわけです。

縁なし畳で表替えをしないのであれば、一番ベストな作り方と言えますが、総合的な評価では疑義は残る作り方と言えます。

15ミリの薄い畳はタッカーで作る

畳職人と名乗る人が一番嫌う施工方法、それがタッカーで止めることです。私も普段の畳はタッカーで止めることを完全に否定しています。ただ、15ミリの薄い畳を作る場合に関してだけ、私はタッカーが一番良いと思っています。

理由は畳に優しいから。それだけです。タッカーは新調の時も張替えの時も痛みを最小限にしてくれます。設備投資もいらないのでお客様に安く提供することもできます。縁付き縁なし関係なく施工することができます。

デメリットがあるとすれば、湿度が高い場所でタッカーの付いた薄い畳を使うと錆びて劣化が早くなることぐらいです。ただ、15ミリの薄い畳の場合、和室に敷き込むだけでなく、リビングに敷かれたり、寝室に敷かれるため、湿度はある程度安定していることが多い。また、薄いためメンテナンスも簡単なので劣化する前に防ぐことができます。

薄い畳に関してタッカーでの施工は決して悪くないです。

一部の畳職人の中にはタッカーで施工している畳屋をディスってる人もいるようですが、私はそうは思わない。むしろ畳に優しく施工するためにはどうしたらいいのか、お客様に長く使ってもらうためには何がいいのか考えもせず、クソの役にも立たないプライドをぶら下げている職人の方が論外だと思っています。

ちなみに私は細い針を使って手縫いしている。タッカーも使うし、専用の接着剤を使うこともある。畳の状態やその時の状況によって変えて仕事するのが自分の考え方です。

まとめになりますが、私が言いたいことはタッカー使っているからって悪い仕事じゃない(15ミリの薄い畳に関して)。状況や環境によって施工を考えるのが大切なこと。この2つです。

今回も読んでいただきありがとうございました。

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