折りたためる置き畳の縁なしが完成しました【新しい畳の技術】

 

皆さん、こんにちは!樋口畳商店の樋口です。今回は、折りたためる置き畳の縁なしが完成した報告をしたいと思います。

 

折りたためる置き畳の縁なしはどういった商品なのか、何が凄いのか気になる方の参考になれば幸いです。

折りたためる置き畳の縁なしが完成しました

 

ついに、新しい技術を用いて完成した折りたためる置き畳縁なしバージョン

 

こちらは縁付きの折りたためる置き畳と同様、折りたたむことができる置き畳になります。

 

 

四つ折りに折りたたむことが可能です。

 

 

 

折りたたむと小さくなるので収納にも持ち運びにも便利です。

 

 

材料は熊本県産ブランドひのみどり。厚さは15㎜です。サイズは江戸間サイズ、京間サイズの二種類あります。オーダーもやっていますが、その場合は直接のお問い合わせでお願いします。

 

 注意
こちらの商品はオンラインショップ又はメルカリショップで販売予定です。もちろん、直接のお問い合わせも喜んで承っております。

 

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謙虚さのカケラもないですが、この折りたためる置き畳は畳業界にとって本当にすごい。(語彙力不足)

 

とはいえ、折りたためる置き畳の縁なしって何が凄いの?ただ畳が縁なしになって折りたためるだけでしょ?と疑問な方も多いでしょう。

 

ですので、この折りたためる縁なし置き畳のスゴさについて語りたいと思います。

新しい畳の技術

折りたためる置き畳の縁なしは商品(物)としての価値より、技術的な価値が非常に大きい商品になります。というのも、折りたためる置き畳を製作する過程で最も重要なのは、畳と畳を縫い合わせるということですが、縁なし畳には縫い合わせるものがありませんよね。

 

 

畳縁があれば畳縁と畳縁を縫い合わせることができますが、縁なし畳の場合はそれがない。なので畳本体を縫い合わせなければなりません。

 

それはつまり糸を縦糸にかけるか、イ草本体に引っ掛けるかのどちらかしか方法がないということです。

 

 

でも、それってリスクですよね。

 

だってイ草を編み込んでいる縦糸なんて綿糸です。簡単に切れるわけではありませんが、畳の重さに耐えられるとは到底思えません。では、イ草に糸を掛けるべきでしょうか。

 

それもかなり危険です。イ草は丈夫だと言ってもあくまで草。農作物です。折りたたんだり、広げたりしてイ草が切れない保証はありません。(もちろん、どんな施工をしても切れない保証はありませんが)

 

では、どうしたらいいのか。ここからは企業秘密になりますが、昔から畳屋がやっている技術を応用して別の方法で畳と畳を繋げています。

 

 

とはいえ、皆様にはこれの何が凄いのか、技術的価値があるのか意味がわかりませんよね。そもそも論から解説したいと思います。

 

そもそも畳はこれまで和室の床材でした。伝統工芸品という側面がありながら和室がなければ例外を除いて商品にならなかったわけです。

 

 

しかし、厚さ15㎜の置き畳が生まれて、畳が和室以外の空間の床材として使われ始めました。これは畳業界においての革新と言って過言ではないでしょう。

 

 

リビング、子供部屋、寝室、テレワーク部屋など様々な部屋で畳が敷かれ、それに合うように色々なカラーの畳表や織り方が生まれました。

 

 

置き畳の誕生によって畳がグローバルに広がったのです。

 

 

ただし、デメリットもあります。それが既存のデザインから動けなくなってしまったことです。

 

少し話は変わりますが。最近、畳業界ではヴォロノイ畳と呼ばれる自然界に表れる幾何学的な模様の畳や桜の模様をモチーフにした畳、龍の畳など、これまでの常識とは違う畳デザインが話題になっています。

 

 

畳をアートとして取り扱っていく新しい試みである一方、和室からの脱却ができない、もっと言えば枠からはみ出すことができない畳商品でもあります。

 

というのも、置き畳はズレやすく、隙間が生まれやすい

 

アート的な畳は施工が複雑ですからどうしてもズレや隙間が生まれやすい。だからズレないようにする為には枠を作るしかないのです。(畳の厚さを厚くするといった方法もありますが、分厚い置き畳なんて現実的ではないし、海外発送する際にお金がものすごく掛かる)

 

しかし、樋口畳商店はそれを技術で解決しました。

 

 

縫い糸は全く見えない。イ草は割れない。糸を締めることによる凹みもありません。つまり、置き畳が枠からの解放。本当の意味での自由なデザインの置き畳が製作可能になったのです。

 

 

この技術的な価値は本当に大きい。これまで出来なかったデザインの置き畳が作れる、外国に販売しやすくなる、そして何より隙間なくズレなく完璧に仕上げることができる。

 

とはいえ、これの技術的価値が大きいとわかるのはきっと何年も先のこと。今はまだ置き畳という言葉が少しずつ一般の方に浸透し、アート的デザインの畳が一部の人に知られている程度ですから。

 

とはいえ、樋口畳商店は間違いなく畳業界の最先端を走っている。そして今後も新しい技術を生み出す為により一層努力していく。

 

私の頭の中にはもっと凄い技術を用いてとんでもない畳商品を作り出すイメージが出来ています。まだ少し先の話ですが、必ず実現します。

 

ブログを読んでくださった皆様にも応援のほど宜しくお願い致します。

最後に

あまり裏側をバラすのはどうかなとも思ったのですが、実はこれを作るのめちゃめちゃ大変だったし、国産い草を何枚も無駄にしました。

 

最初の頃の仕上がり1

 

最初の頃の仕上がり2

 

下手くそでしょ(笑)写真撮っておくことで、成長を実感したかった。モチベーションですね。

 

でも、やっぱり不思議なもので、最初は絶対に無理だと思っても繰り返し練習すれば上達するもの。新しい技術というのは努力して得た技能の先にあるものなんだなと改めて思いました。

 

結論、練習が一番!間違いないです。

 

読んでいただきありがとうございました。良かったらシェアお願いいたします。

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