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みなさん、こんにちは!畳職人の樋口です。今回は畳はどれくらいで交換するの?畳の寿命を紹介します。

 

 

畳はどれくらいで交換するの?

 

皆さんのお家にある畳はどれくらいで交換していますか?

 

10年くらいかしら。

 

20年くらい張替えてないね

 

ウチは30年間、そのままだね。

 

このように、それぞれのご家庭によって畳を交換する年数はバラバラになっているケースがほとんどです。

 

その理由は、畳のグレード使用環境による影響が大きいと考えます。

 

そもそも国産い草のハイグレードな畳を選んで、あまり使わない環境なら何十年も持ちますし、中国産い草の一番下のグレードを選んで、よく使用する環境なら5年でボロボロになることもあります。

 

要は、「畳はどれくらいで交換するのか」一概には言えないということです。

 

これから紹介する畳の交換年数や畳の寿命はあくまで一般論と畳職人の見解によるものです。(一番は信頼できる畳屋さんに直接見てもらうのが確実です)

 

今回の記事を読むにあたって、この点はご了承いただきたく思います。

 

畳はどれくらいで交換するの?

 

注意:これから紹介するのは、あくまで一般的な使い方で畳を使用した場合の寿命です。例えば、犬や猫を飼っている(引っ掻く、オシッコをする、爪を研ぐ)、小さい子供がよく遊ぶ、柔道や素振りなどのスポーツの練習をしている、などの環境は対象外とさせていただきます。表替えの値段はあくまでネットに書かれていた畳の値段を参考にして算出した数字になります。参考までとしてください。

 

畳表の寿命

畳表の種類 畳表の寿命 表替えの値段(平均)
国産い草(麻綿W) 8年〜15年 1万円〜1万5千円
中国産い草(綿シングル) 3年〜5年 4千円〜5千円
和紙表&MIGUSA(化学表) 8年〜15年 8千円〜1万3千円

 

 

国産い草と中国産い草

 

皆さんは畳表一枚に使われている藺草の本数ってご存知ですか。

 

上等な畳表で約7千本。下等な畳表で約4千本と言われています。(国産藺草を使った畳表でも4千本程度の本数で編み込まれた畳表もあります。つまり、国産か中国産かの違いではなく、畳表上下ランクのい草本数の違いです。誤解がないようにお願いします。)

 

藺草の本数はそのまま耐久性に関係すると言っても過言ではありません。

 

つまり、たくさん藺草が詰められ編み込まれた畳表は、少ない本数で編み込まれた畳表に比べて長持ちするというわけです。

 

表の国産藺草の横に記入されている「麻綿W」とは、畳表の縦糸つまり、藺草を編み込む上での「芯」となる部分が麻と綿のW二本で作られていることを表します。

 

 

 

同様に中国産藺草の横に記入してある「綿シングル」とは、畳表の縦糸が綿一本によって作られた畳表になります。

 

 

麻綿Wと綿シングルとの違いは、畳の目の主張。山と谷がハッキリと別れ、畳表に風格と気品を感じさせます。(文で説明するより画像を見比べてもらった方がわかるかと思います。)

 

したがって、麻綿Wは綿シングルに比べて耐久性だけでなく、気品があり、畳表が美しくなるというわけです。

 

それでは次に、国産い草と中国産い草の違いについて解説していきます。

 

画像は北九州市立大学国際環境工学部から引用:引用元

 

右の画像が国産い草。左の画像が中国産い草になります。

 

中国産い草に比べて国産い草は、い草の繊維がより詰まっているのがわかると思います。

 

よって、中国産い草は繊維の隙間から傷が拡大し、い草自体が割れやすくボロボロになりやすいと言え、国産い草に比べて耐久性に劣ると断言できます。

 

これらのことを加味して、国産い草の畳表の寿命は8年〜15年。中国産い草の畳表の寿命は3年〜5年としました。

 

ちなみに陽に焼けて畳表の色が変わる速度は、畳表を寝かした期間や直射日光のあたりぐらいに左右されるため、一概にどれくらいとは言えません。ただ、一年経てばだいぶ色が変わることは間違いないと思います。

 

 

和紙表&MIGUSA(化学表)

 

皆さんは和紙表、化学表という名前の畳表を聞いたことがありますか?

 

和紙表とはその名の通り、和紙を丸めて筒状にし、自動織り機で織り上げた畳表になります。

 

化学表とは化学製品(ポリプロピレンと吸湿性炭酸カルシウム)で作られた畳表のことで、撥水効果や摩擦による耐久性に秀でた畳表になります。

 

どちらの畳表も色や模様が付けられるため、デザイン性の高さから若い層を中心に人気を集めている商品になります。

 

 

これら畳表は、国産い草に比べて摩擦による耐久性も高く、カビによる腐敗も最小限で抑えられるため、国産い草より寿命が長いと言われている。

 

が、私はそうは思わない。

 

というのも、確かに摩擦による耐久性が強いことは疑いようのない事実だが、何年か使っていると黒ずんだ汚れが目立つようになり、洗剤、漂白剤で掃除しても取れないようになってしまう。

 

つまり、汚れによる耐久性に欠陥がある為、何十年も使い続けられる畳表ではないと私は思います。

 

和紙表&化学表の寿命に関しては他の畳職人と意見の差異があるかもしれません。

 

たが、汚れに関しては共通認識として共感できるかと思います。

 

畳床の寿命

畳床の種類(厚さ55ミリ) 畳床の寿命(厚さ55ミリ) 新畳(国産藺草)の値段(平均)
藁床 15年〜30年 1万8千円〜3万円
建材床(三型) 7年〜10年 1万2千円〜1万6千円
藁サンド床(藁と建材のミックス) 10年〜20年 1万3千円〜2万円前後

 

 

藁床

 

「藁床の寿命は物凄く長い」

 

 

藁床を使っているお客様の中には、30年間床替えをしていない方も多くいらっしゃいます。

 

その理由はズバリ「再生」です。

 

我々、畳職人は表替えの際、畳床の傷んだ箇所を修理します。

 

なぜ畳床が痛むかと言うと、人は歩くときにほとんど同じ場所しか通らないので、そこばかりに蓄積し傷んでしまうのです。

 

なので、畳替えを注文していただいた時にはその傷んだ部分を修理します。

 

藁床は、他の畳床と違い修理できる度合いがすごく高いです。

 

というより、高い技術士が時間をかければ、新畳で納品した時の状態に戻すことも可能です。(ただし、藁と時間とお金がかかるので、余程の愛着がない限り、新畳にした方がいい)

 

私が「藁床の寿命が15年」と書いたのは表替えをせず(もしくは修理する技術が低い)に納品して、そのまま使用した場合は15年くらいという意味で、30年と書いたのは「再生」させるより新しくした方が安く早く納品できると判断した結果です。

 

ある程度までは修理して使って、再生にお金がかかると言われたら、新畳にしたら良いと思います。

 

ちなみに、噂になりますが、京都の本願寺系列のお寺には再生床といって、藁を継ぎ足し再生させながら100年近く使っている畳床もあるそうです。(実際に見たことはない)

 

また、丹波裏床や棕櫚裏床は40年近く使っているのがザラで有り、日本最高級藁床として知られています。

 

丹波裏床:こちらの画像は勝手に使用しないで下さい

 

棕櫚裏床

 

 

建材床(三型)

 

建材床とは木製のチップを圧縮しボードにしたものに、カネライトフォームを重ね合わせ、糸で縫ったもの。

 

 

耐久性はイマイチなうえに、藁床に比べ硬く畳本来のクッション性を失わせるものになっている。

 

しかも、修理ができない(い草や紙を入れて何とか修理するが気休め程度)

 

とはいえ、他の床に比べ格段に安く、物凄く軽いうえに、防虫性能が高いことから、建材床の方が一般化しつつある。

 

修理できないという点と施工時、糸を縫った穴が広がることによる糸の締まり、次回表替えする上での噛み合わせを加味して床の寿命を7年〜10年とさせてもらいました。

 

ちなみに建材床には、木製のチップを圧縮したボードを何層にも重ねて作った一型と、同様のボード一枚にフォームを付けた二層の二型がありますが、個人的におすすめしませんし、嫌いなので紹介しません。気になる方はお近くの畳屋にお尋ね下さい。

 

 

藁サンド床

 

藁サンド床とは、上層&下層は藁、中層はベニアとフォームを組み合わせたハイブリッドな畳床です。

 

 

藁床のようなクッション性、虫が住みにくい防虫性、湿気を吸い取る吸湿性に優れていながら、藁床より値段が安い。

 

現在では藁床を注文する方より、藁サンド床を注文する方の方が増えています。

 

修理できる度合いも高く、中の白いフォームが傷んでフニャフニャになるまで使えますので建材床よりは寿命は長持ちします。

 

白い中のフォームがフニャフニャになるのがだいたい10年経ったぐらいから。おそらく最初は入り口付近の畳から傷んでくるのではないかと推測します。

 

傷んでいない場所もあると思うので、その後も何年間かは使えると思いますが、敷いてる畳が全体的にフニャフニャになってしまったら、新畳をおすすめします。

 

 

縁なし畳の寿命

縁なし畳の種類 縁なし畳の寿命(畳床はボード三型) 半帖縁なし畳の新畳の値段(ボード三型)
国産藺草の目積表 7年〜10年ぐらい 1万円ぐらい
中国産藺草の目積表 5年ぐらい 7千円〜9千円
和紙表&MIGUSA(化学表) 10年ぐらい 1万1千円〜1万4千円

 

 

国産い草と中国産い草の目積表

 

皆さんは縁なし畳ってご存知ですか?

 

 

縁なし畳とはその名の通り、畳にヘリをつけないバージョンの畳のこと。

 

光の反射を利用した美しいデザインから若い主婦層に人気の畳である。

 

とはいえ、縁なし畳の寿命は、縁付き畳と比べて少し短い。

 

というのも、畳縁は畳と畳(もしくは寄せの框)との摩擦から守る為に付いています。

 

縁なし畳は、その縁がついていない分、摩擦の影響をもろに受ける為、人が歩くたびに少しずつ畳の框が削られていきます。

 

また、縁なし畳は目積表を折り曲げて施工しています。

 

※目積表

 

目積表はもろ目織の表(一般的な畳表)に比べて目が細かいのが特徴です。

 

その分折り曲げた際に生じる藺草の割れを抑えることが期待できます。

 

とはいえ、藺草は自然物です。

 

お部屋の環境、施工した時期、畳職人のスキルによっては早い段階で藺草が割れてくる場合があります。

 

これは国産藺草であろうが、中国産藺草であろうが、同様に言えることですが、中国産藺草の方が国産藺草に比べて割れやすいのは間違いありません。

 

したがって、中国産い草の縁なし畳は、従来の畳に比べて寿命が短くなる可能性が高いと言えます。

 

中国産藺草は5年の寿命というのは少し大げさかもしれませんが、使用環境と施工技術が悪ければ十分あり得る話だと私は思います。

 

 

 

和紙表&MIGUSA(化学表)

 

和紙表&MIGUSAは縁なし畳に適した畳表であると私は思います。

 

先ほど紹介した通り、和紙表とMIGUSAは摩擦による耐久性が高いです。

 

つまり、摩擦の影響をモロに受ける縁なし畳にとって、これらの畳表は框の角を守る上での強靭な鎧と化します。

 

また、天然の藺草と違い、割れる心配がないので、気候や環境、技術レベルに左右されることが少ないです。

 

とはいえ先述どおり、汚れによる侵食が目立ち、長期的な使用が困難になるケースも想定されます。

 

そういった汚れによる頽廃を加味して、10年くらいの寿命とさせていただきました。

 

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最後に

いかがだったでしょう。

 

畳の寿命について理解できましたか。

 

畳をどれくらいで交換するのか、この記事が参考になれば幸いです。

 

最後に一つだけお伝えしたいことがあります。

 

世間では、高い国産藺草の畳表を勧める畳屋は悪い畳屋で、安い中国産藺草の畳表を勧める畳屋は良い畳屋であるという誤解が広がっています。

 

詐欺紛いの畳屋は別として、高い国産藺草の畳表を勧める畳屋は、商売っ気の無い正直者の畳屋です。

 

▼詐欺紛いの畳屋はこちら安売りチラシ畳業者と地域の畳屋との違いは?|それぞれの畳屋の特徴

 

ぶっちゃけて言えば、一番利益率が高い畳表って四川麻綿Wなんです。(自社で国産藺草を作っている。もしくは契約栽培している畳屋は別)

 

しかも色がめちゃくちゃ綺麗で、お客様からのクレームの心配もありません。

 

さらに耐久性は国産藺草に劣る為(あくまで中国産なので)、表の寿命が短く、畳替えをする交換頻度を増やすことができます。

 

もし、あなたが商売人であれば国産藺草麻綿Wと四川麻綿Wどちらを勧めますか。

 

利益率が高く、リピート頻度が上がる四川麻綿Wですよね。

 

つまり、高い国産藺草を勧める畳屋は、商売の視点を抜きに、お客様に寄り添って長期的な視点で見てるのです。

 

そういった畳屋がお客様から不安がられるのは、口下手で説明不足な職人気質な問題点ではあります。

 

ただ、一畳職人として、そのような方たちが罵倒されるのは許し難い。

 

是非ともこの記事で汚名を晴らしたい。そう思います。

 

ちなみに私は四川麻綿Wを勧めます。

 

 

読んでいただきありがとうございました。

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