
京都市の黄綬褒章受章店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。
- 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
- 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
みなさまこんにちは。樋口畳商店の樋口です。
今回は、江戸川区葛西にお住まいのお客様よりご依頼いただいた、畳替えの施工事例をご紹介いたします。
40年使われた畳床の状態

今回のお部屋の畳は、推定で約40年前に作られたものとのことでした。
長年使用されていたため、畳表自体は色あせや傷みが見られる状態でしたが、畳の土台である畳床は非常にしっかりしていました。
厚みは二寸二分(約66mm)という、現在ではなかなか見られないほど分厚い藁床です。
現代の建材床と比べても重量感があり、しっかりとした踏み心地が特徴です。
この状態であれば、まだ表替えによる再利用が可能で、さらにあと一回、状態によっては二回程度は張り替えができると判断しました。
施工内容

施工場所:江戸川区葛西
施工内容:畳表替え
畳の種類:縁付き畳
使用材料:
国産い草(綿ダブル)
畳縁 八千代 No.21(黒トンボ)
今回の施工は、国産い草(綿ダブル)を使用した表替えとなります。
国産い草は、色味の美しさや香りの良さに加え、繊維がしっかりしているため耐久性にも優れています。特に今回のようにしっかりとした藁床と組み合わせることで、長く快適に使える畳に仕上がります。
また、今回は畳床の状態を確認しながら、框部分の調整や「ひらざし」による締め直しも行っており、見た目だけでなく構造的な安定性も意識した施工となっています。
今回の施工費用の内訳は以下の通りです。
畳表替え 9,000円 × 12畳
畳縁 500円 × 12畳
諸経費 2,500円
合計 116,500円(税込 128,150円)
今回のように、状態の良い藁床を活かした表替えは、新しく作り直すよりも費用を抑えながら、しっかりとした仕上がりが得られるのが大きなメリットです。
明るさが戻る和室

新しい畳表に張り替えることで、お部屋全体の印象は大きく変わります。
今回も施工後は、くすんでいた和室が一気に明るくなり、お客様にも大変喜んでいただけました。
い草特有の自然な色味と香りが戻ることで、空間の心地よさも大きく改善されます。
分厚い藁床だからこその調整
今回の施工で特徴的だったのは、畳床の厚みによる影響です。
藁床がしっかりしている一方で、長年の使用により框(かまち)部分の床糸が緩み、わずかに膨らみが出ている状態でした。
このまま表替えを行うと、仕上がりに影響が出るため、
・ひらざしを框に縫い込む
・小針を入れて締め直す
といった調整を行っています。
こうした処理を行うことで、畳の形状を整え、長く安定して使える状態に仕上げています。
完璧を目指した中での判断
今回の施工では、ほぼ全体をしっかりと合わせることができましたが、入り口部分に関しては約一分(約3mm)ほど高くなる仕上がりとなりました。
畳は建物の状態に合わせて調整するため、すべてを完全に均一にすることが難しいケースもあります。
その中で、
・使用上問題がないこと
・見た目として違和感がないこと
を判断し、最適なバランスで仕上げています。
畳は「使い続ける」もの
今回のように、40年使われた畳床でも、適切な状態であれば再利用が可能です。
畳は消耗品でありながら、同時に「育てていくもの」でもあります。
表替えを繰り返しながら使うことで、より体に馴染み、味わいが出てきます。
江戸川区葛西エリアの特徴
葛西エリアでは、近年マンションの和室での畳替えのご依頼が多く見られます。
特に、
・洋風の和室
・モダンなデザインの空間
に合わせた畳のご相談が増えています。
一方で、今回のような戸建て住宅では、昔ながらのしっかりとした藁床が使われているケースも多く、状態に応じた適切な施工が重要になります。
最後に
江戸川区葛西で畳替えをご検討の方は、お気軽にご相談ください。
畳の状態をしっかり確認した上で、
・表替えができるのか
・新調が必要なのか
最適な方法をご提案いたします。
