畳職人が本当は教えたくない?畳を長持ちさせる為の5つの方法

 

皆さん、こんにちは!畳職人の樋口です。今回は畳職人が本当は教えたくない?畳を長持ちさせる為の5つの方法を紹介します。

 

畳を長持ちさせたい

 

皆さんも畳を長持ちさせて、なるべく畳替えをしないように済ませたいですよね。お気持ちわかります。

 

そこで今回は、畳職人が本当は教えたくない?畳を長持ちさせる為の5つの方法を紹介します。私たち畳職人からすれば本当は教えたくないことですが・・・。

 

長く畳を使ってもらうために知ってもらえればと思います。

畳職人が本当は教えたくない?畳を長持ちさせる為の5つの方法

畳を長持ちさせる為の5つの方法
・畳の框と縁は踏まない
・和室を閉めっぱなしにしない
・水拭きの頻度を減らす
・畳の下に空気を通す
・畳の上を擦らない

 

畳の框と縁は踏まない

 

畳のヘリは踏まずに歩け!

 

この記事を読んでいる方の中にも、子供の頃に「畳の縁は踏むな!」と怒られた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

畳の縁を踏んではいけない理由は「畳の縁が空間を仕切る役割を持っているから」「畳縁はその昔、紋縁と言って、御家の格式を表すものだったから」など諸説あります。

 

個人的に一番濃厚だと思う説は、「畳の縁を踏むと痛むから」だと思います。

 

そもそも畳で一番傷みやすい箇所はどこかというと、畳と縁が縫い合わせている箇所。

 

 

縁がついてる一番端のところです。

 

この箇所は平刺しと言って、上下と針を通し、糸を締め上げて施工しています。

 

なので、畳としては一番弱りやすく、へっこみやすい箇所になるのです。

 

次に傷みやすい箇所は畳の框になります。

 

畳の框というのは縁のついてない長方形でいう丈の方。

 

 

なぜ畳の框が傷みやすいかというと、畳は人が歩くたびに摩擦の影響を受け、毎日少しづつ框の角を削っていってしまいます。

 

その結果、角が丸くなったり、寄席との間が空いてきたり、角がヘタってしまうのです。

 

 

上等な畳であれば畳の框に板を入れて縫い合わせて、角を守りますが、低価格な畳にこれほどの手間はかけません。

 

とはいえ、低価格な畳もプラスチックのコーナーや型紙を入れて角を守る努力はしますが、長く使用していると割れてきたり、破れてきたり、とダメージは蓄積されていきます。

 

畳において框は傷みやすい弱点なのです。

 

したがって、畳の縁と畳の框は畳においての弱点なので、なるべき踏まないように歩くと長持ちします。

 

 

和室を閉めっぱなしにしない

畳にとって湿気は、ありとあらゆる災いをもたらします。

 

代表的なのは、カビ。

 

カビが生えるとい草が変色し、中の畳床が黒ずんで腐っていきます。

 

迷惑極まりない厄介なカビを防ぐためには、和室の換気が重要になります。

 

雨が降っている日は窓を閉めていただき、よく晴れた日には窓を開けていただく。

 

これだけでもカビの発生を防ぐことに繋がります。

 

また、梅雨の時期などの雨が続く月は、窓を開けて換気することが困難かと思います。

 

そういった場合は、除湿機またはエアコンの除湿機能などを使い湿気を取ることをおすすめします。

 

たったこれだけのことをやるだけで畳は長持ちするので試してみてください。

 

水拭きの頻度を減らす

皆さんは畳を掃除する時、どのように掃除をしていますか?

 

水拭きですけど、何か?

 

畳職人としては畳を水拭きすることをあまりおすすめしません。

 

というのも、藺草は自然物です。

 

水拭きすれば多くの湿気を吸湿させてしまいます。

 

その後しっかりと換気するなり、陽あたり良好に恵まれたりすれば良いのですが、雨が続き湿気が溜まった状態をキープし続けるとカビが発生する原因になってしまいます。

 

したがって、水拭きの頻度は最小限度に抑えて掃除をしていただくことをおすすめします。

 

とはいえ、乾拭きだけだと綺麗になった気がしませんよね。

 

そこでおすすめなのが、使い終わったお茶のティーパックを染み込ませた拭き掃除です。

 

 

このように乾いたタオルに使い終わったお茶のティーパックを染み込ませて、畳の目に沿って拭いていきます。

 

 

お茶にはカテキンが含まれており、抗菌作用が期待できます。

 

ちなみにティーパックでなくても全然構いませんが、お茶の葉がこぼれて掃除の手間を増やさないように工夫して拭き掃除を行なってください。

 

 

畳の下に空気を通す

皆さんは、畳の下のメンテナンスを行なっていますか?

 

やるわけないじゃん。めんどくさいし。

 

畳を長持ちさせたいなら是非ともやってほしいのが畳の下のメンテナンスです。

 

最近の畳の下は基本的に根太の上にベニアを張って隙間なく施工している為、湿気が抜けにくい構造になっています(現在も湿気が抜けやすい構造の床下も存在する)

 

湿気が溜まった状態を長い間保ち続けると畳が徐々に腐敗していき、施工している糸や畳床までも弱らせてしまいます。

 

そこで、一年に一回くらい畳を少し持ち上げて、畳の下に空気を通しましょう。

 

畳を持ち上げる?そんな大変なことできないよ!

 

畳は軽いので10キロ程度、重いので30キロ程度あります。

 

畳を持ち上げるなんて女性の方ではすごく大変です。

 

そこでおすすめする方法がちょっとだけ持ち上げて畳と床の間に空き缶を挟み空気を通す方法です。

 

 

まず、手鍵(ホームセンターなどに売っている)か何かで畳を持ち上げます。(茶道をしている友達、畳業を営む友達に借りるのもアリ)

 

ある程度持ち上がったら空き缶を挟みます。

 

数時間、畳の床を乾燥させたら完了です。

 

また、空き缶を何本か挟めば掃除機を通すことができるので、畳の床下の掃除もできて一石二鳥です。

 

ただ、注意するもあります。

 

空き缶を挟むだけだと掃除しにくいからと畳を完全にあげてしまう方がいます。

 

 

意外に知られていない真実ですが、畳は完全オーダーメイドで全ての畳のサイズが一つ一つ違います。

 

つまり、先ほどと同じ場所に畳を敷き込まなければ入らないということです。

 

一応、畳の裏に敷き方は書いてありますが、畳職人の文字は殴り書きで解読不能な場合が多々ありますので注意が必要です。

 

昔は衛星掃除といって畳を外に出して叩いていたのを思い出すと、よく敷き込めたなと今更感心しています。

 

畳の上を擦らない

皆さんは畳の上に何か荷物をのっけていますか?

 

和ダンスに無垢のローテーブル、座椅子に子供のおもちゃ。いっぱいのせてるぜ。

 

畳の上に荷物をのせることが悪いとは言いません。たくさんのせてください。

 

ただ、畳が傷つく1番の原因は、大きな荷物や重いタンス、テーブルや椅子を擦った際に起きる擦り傷です。

 

この擦り傷が年月を経て徐々に侵食し、藺草を剥ぎ取っていきます。(通称、畳のボロボロと呼ばれており、ボロボロ取れた藺草が服などに付着する現象。皆さまも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。)

 

では、どうしたら畳に擦り傷がつかないか。

 

それは畳の上に荷物を置く際、荷物を引き摺らないようにすることです。

 

重いタンスを移動させるなら上と下で分解し、二人で持って移動する。ローテーブルも座椅子も同様です。

 

もし重くて持てない荷物がある場合は楽天で買えるカグスベールを使いましょう。

 

☆大きい版

 

カグスベール プロ700L【2枚入】 700×60×13mm (家具すべーる、家具スベール)

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購入者の口コミ

畳の部屋に置いてる棚を動かしたくて購入しました。 重いものではないですが、向きをよく変えるのでこれを付けてから畳を傷めずスルスル動く様になってよかったです

 

 

ソファーのスツール用に

床がキズつかないように購入しました。 想像通りの品で満足です!

 

 

お値段、思わせぶりな気がしちゃいました。

子供が腕をケガし、片腕で椅子を動かすのが大変そうだったのでこちらを購入。 すこーし滑るようになったかな…?家のフローリングの種類にもよるのかなぁ…? 子供本人はあまり感じていないようでした… どれほどの効果があるかわからないので、安く購入できたらと、最安値のお店でヒットしたこちらのお店を選びましたが、メール便にする場合は商品に値段上乗せ…うーん…商品+メール便代 ではなく、商品自体のお値段が高くなるのが残念。問い合わせしたところ、「送料を抑えた分、利益の関係上商品価格に転嫁させている」とのことで…急いでいたのでそのまま注文しましたが、ちょっと残念でした。 お店の方の対応は良かったです。

 

カグスベールは私たちプロの畳職人が愛用する家具を滑らす道具です。

 

使い方は簡単。

 

重い荷物を持ち上げて荷物と畳の間に差し込むだけ。

 

後は畳を擦らないように確認しながら移動させます。

 

昔は、ダンボールで代用していましたが、滑りが悪く、途中で取れてしまうことが多々ありました。

 

その点、カグスベールは滑りが滑らかで非常に便利な商品だと思います。

 

大きなタンスでない限り、小さい版カグスベールで十分かと思います。気になる方は一度チェックしてみてください。

 

 

余談ですが、新品の畳だと擦った跡が白く光り、擦り傷を確認しやすいですが、陽に焼けて茶色く変わった畳は擦った場所がわからず、擦り傷が確認しにくい状況になってしまいます。

 

色が変わった後こそ要注意です。

 

また、これまでの記事の内容的に畳を乾燥させることが良いと言っていますが、それが全てではないことも最後にお伝えさせていただきます。

 

繰り返しになりますが、畳はあくまで自然物。

 

乾燥しきった畳(藺草)は藺草が割れやすくなる特徴があります。(特に中国産藺草)

 

全く湿気を吸わせないという環境もまた、畳を長持ちさせることには繋がりません。

 

ある意味植物を育てる的な感覚が畳との付き合い方として理想なのかもしれません。

 

以上、畳職人が本当は教えたくない?畳を長持ちさせる為の5つの方法でした。

最後に

 

いかがだったでしょう。

 

畳を長持ちさせる為の5つの秘訣はわかりましたか。

 

是非実践していただき、畳を長持ちさせてください。

 

今回、このような記事を書きましたが、京都でお世話になったお客様は殆どの方が知っていました。

 

さすが歴史ある街「京都」日本文化は京に聞け!ですね。

 

なんか適当に呟いてみました。

 

 

読んでいただきありがとうございました。

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