ここ数年「素人革命」という言葉が話題ですね。素人革命とは、素人がYouTube動画などで勉強して、プロ並みもしくはプロ以上の完成度を出す現象のことを言います。昔ながらの見て覚えろを動画で実現した技術習得の方法で、飲食の世界ではもうすでに素人革命の影響が出始めています。
これから飲食業だけでなく、建設業、建築業、伝統工芸の世界も素人革命によって技術習得の過程が大きく変わっていくかもしれません。
しかしながら長い時間を下積みに費やし修業した人々にとって、修業をしていない下積みをしない職人達をどう思うのか。お話ししたいと思います。
下積みについて気になる方に読んでもらえたら幸いです。
下積みがない人ってどう思う?修業をしていない職人について思うこと
修業した下積みをした職人は、修業していない下積みがない職人をどう思うのか。
私個人的な意見になりますが「どうでもいい」というのが本音です。
下積みをしているかしていないか、修業している職人かそうでないか、私はそれほど興味はありません。なぜなら、ちゃんと修業した職人にも下手くそな人はいるし、修業していない職人の中にも上手な人はいるからです。
修業したから上手なはず。それをお客様が思うのは当然だと思いますが、実際その世界を見てきた私が思うに「修業したから名工」は幻想に等しいと感じます。
職人は自分次第なんです。自分のやる気があって、努力をし続けられる根気があって、ものづくりの探究心がある。それらが揃って初めて立派な職人になれると私はそう思います。
だから下積みがあるないで、職人のレベルを判断するのは良くないことだと私は思っています。
京都で修業したはブランドになる
だったら下積みしなくていいじゃん。そう思うかもしれませんが、下積みは無駄なことではありません。その理由は下積みがブランドになるからです。
例えば、京都で修業した畳職人とYouTube動画を見て独学で勉強した畳職人とどっちに仕事頼みたいですか?
ほとんどの方は京都で修業した畳職人に仕事頼みたいと思うはずです。その証拠に樋口畳商店に畳の仕事を依頼してくれるお客様のほとんどは「京都で修業した」という話を必ずしてくれます。
つまり京都で修業することが自社のブランディングになるのです。
商売をやっている方はわかると思いますが、ブランディングするのは本当に難しいことです。最近ではあまりに難易度が高い為、人の悪口を言って炎上させたり、迷惑行為をしてブランディングしようとする人までいます。
しかし、京都に修業に行けば、それだけでブランドになるわけです。修業はいろいろ大変なこともありますし、タイパは悪いかもしれませんが、ブランディングするという意味ではコスパはいいのかなと私は思います。
ただし、ブランディングする為にはどこで修業したのか大事になってきます。例えば、私が福井県で畳の修業をしたと言っても「福井県って畳有名だっけ?」と思いません?
もしこれがメガネ職人になりたくて「福井県で修業した」と言ったらどうでしょう。「すごいね」と思いますよね。本場という言葉が適切かわかりませんが、商品が有名な地域で修業すること、これがわかっていないとブランディング効果はほとんどない可能性があります。
また、「何年修業したのか」もブランディングには大事だったりもします。もし私が「3ヶ月京都で修業した」と言ったら、それは修業したと言えるのかと思いませんか?
それが6年京都で修業したと聞いたらどうでしょう。全然違った感想をもつと思います。
つまり修業することをブランドにしたかったら「どこで」「何年」修業したかは重要なことだということです。
もしこのブログを読んでいる方で修業したいと考えている方がいたら、どこで何年修業するのか意識して考えることをお勧めします。
以上、下積みがない人ってどう思う?修業をしていない職人について思うこと、修業することはブランドになるでした。読んでいただきありがとうございました。