京都と滋賀は仲が悪い?|実体験を元に滋賀と京都の関係を紹介

 

五条通りを東へ真っ直ぐ進む。京都市山科区を抜け、山を越えると滋賀県に到着する。

 

京都市内から滋賀県の有名どころ琵琶湖まで30、40分といったところだろう。

 

鹿と大仏を見に奈良県へ行くよりかは、かなり近いように思える。

 

そんな京都のすぐ側にありながら、何故か滋賀県民は京都市民に見下されている。ように感じる・・・。

 

今回は京都と滋賀との関係性を実体験を元にご紹介します。

風力発電所の風車

ご存知のことと思うが琵琶湖は日本一広い湖だ。

 

その直径は63.49km、湖の面積は約674㎢で滋賀県面積の約6分の1の大きさである。

 

東京ドームにしたら1434個分。って逆にわかりにくいか・・・。

 

そんな琵琶湖海岸沿いの道路は車でドライブするにはもってこいの道である。

 

車窓からの眺めは、壮大な景色。どう見たって海にしか見えない。まるでアメリカの西海岸を走っているような気持ちだ。まぁ行ったことないけど。

 

友達と釣りへ

ある日、友達と琵琶湖に釣りに行くことになった。

 

琵琶湖はバス釣りが有名で、多くの釣り師達が休日になると釣りをしに訪れる。

 

今回の話とは無関係だが琵琶湖で釣りをすると「外来魚回収ボックス」というゴミ箱みたいなのが置いてある。

 

これは釣った魚(外来魚)をキャッチアンドリリースするのではなく、回収ボックスに捨ててくれというもの。

 

何でも、外来魚が増えすぎて、琵琶湖にもともと住んでいた魚がいなくなってしまったらしい。

 

気持ちはわかるが、ゴミ箱みたいなのに、生きている魚を捨てるのは心が痛む。もうちょっと創意工夫してほしい。

 

そういった、ちょい文句はある場所だが琵琶湖での釣りは楽しい。

 

東京に住んでいた頃は、旧江戸川という土左衛門が浮いているような汚い川と、落書きだらけの汚れた壁を背景に釣りをしていたもんだから、琵琶湖の壮大で優雅な風景にテンションも上がる。

 

だが、そんな琵琶湖の景色を見て、京都人の友達は「湖しかないな(笑)」と言葉を発する。

 

確かに周りを見渡すと釣り屋と喫茶店ぐらいしかお店はなく、あっけらかんとはしている。私の家の近くの葛西臨海公園と似てはいるが、それに比べてもちょっと寂しい感じ。

 

「じぶん、こんな田舎きたことないやろ。」

「まぁ・・・。」

 

私はちょっと苦笑いしつつ、相槌だけは打っておいた。

 

友達の悪口のせいか、釣りも不調。釣り場を変えることにした。釣り場へ移動していた途中、車の車窓から立派な風力発電の風車が見えた。

 

「風の谷のナウシカ」でしか見たことがない、本当に立派な風車だった。それに風車を生で見たことがなかったので感激だった。

 

湖の辺りで威風堂々に聳え立つ姿は壮観。きっと滋賀県が誇る技術を結集し作られた風車なのだろう。

 

ここは滋賀県民に変わって、京都人に一発言ってやろうと思った。

 

「琵琶湖だけじゃないじゃんか。あんな凄い風車初めて見たよ」と言うと「じぶん知らんの?(笑)あの風車、大赤字で今すぐにでも取り壊したいらしいで(笑)」と大爆笑された。

 

首も回らない風車を横目に、友達の笑い声だけが響いた。

大津市での話

一度だけ大津市に住む友達の家に遊びに行ったことがある。言わずもがな大津市は滋賀県の県庁所在地だ。

 

大津市にはびわ湖ホールという芸術劇場がある。

 

とんでもなく立派な建物で「文化発信の拠点」として、滋賀県が総事業費240億円近くをかけ建設したらしい。

 

西日本で初めての本格オペラ劇場らしく、関西オペラの拠点となっているそうだ。おそらく芸術の街を目指してのことだろう。

 

という話を聞くと、大津市はパリのような芸術の街になっているように思うが、作品はどこを見渡しても見当たらない。とはいえ、ググってみるとアート作品もあるらしい。ただ目立たない場所にあって隠れミッキーを探している気分を体験できるだそうだ。

 

そんな大津市だが、琵琶湖がすぐ近くにあること、自然に囲まれていること、京都まで30分ぐらいで行けること、土地が安いことが人気を集め、人口増加率は高い数値を出している。

 

もしかしたら大津市自体が隠れミッキーなのかもしれない。

 

大津市で夜遊び

京都人の友達と大津市に住む友達の家に遊びに来た。

 

私は初めて滋賀県を観光するということで楽しみだったが、京都の友達は最初からあまり乗り気ではなかった。

 

「何で滋賀やねん。おもんないわ。」

 

こっちは初めての滋賀観光なんだからいいじゃん!って心の中で思いつつ「一回だけ!」って言って何とか説得した。

 

その日の夜は大津市でお酒を飲もうと約束していた。

 

東京だったら飲みに行く前にお店をググるのは常識だが、大津市に住んでいる友達もいることだし、お店は任せようと思っていた。

 

ググらなくても大津市は結構大きな都市だと聞いていたし、滋賀県の県庁所在地だから最悪でも総武線の新小岩ぐらいはお店があるだろうと思っていた。

 

しかし、「ごめんね。これぐらいしかないんだ」と言われたお店の数は平井駅前より少なかった。

 

とは言っても2件ハシゴした。どちらのお店ともとても美味しかったし(お刺身)、近江の地酒なんかも置いてあって大満足だった。

 

機会があるならまた行きたい。って本気で思う。

 

だが、最初からやや不満気味だった京都人の友達はいらない一言を言う。

 

「これが滋賀や!」

 

滋賀県の友達は「ごめん」と言い笑っていたが、私は笑っていいのかわからなかった。

滋賀県のナンバープレートはゲジゲジナンバー?

京都に暮らしてた頃の趣味はドライブだった。

 

京都には山中越えが2つほどありドライブコースとしては申し分なかった。

 

特に比叡山を抜け滋賀県に行く山中越えは、道幅も狭く急なカーブでお気に入りのコースだった。

 

そんな山中越えへは、普段一人か、仲良い先輩と行くのだが、その日は京都の友達とドライブした。

 

京都の北白川からコースの途中にあるコンビニまで私が運転し、コンビニから山中超えて滋賀県に入るまで彼が運転した。

 

今回の話とは関係ないが、比叡山側の山中越えは不吉な噂がある。

 

織田信長に焼き討ちにあった僧侶たちの怨念があるとかないとか・・・。

 

お化けとかを信じないわけではないが、比叡山延暦寺はお寺だし、阿弥陀仏してるでしょ?とはいえ、山道は暗がり。夜は怖い雰囲気を感じるので山中越えへ行きたい方はご注意を。

 

ゲジゲジって何だ?

運転は友達とコンビニで変わった。

 

私は夜だったし、疲れていたこともあってコンビニで買ったコーヒーを飲みながら助手席に座った。

 

その友達も運転は慣れていた。「秋名のハチロク」とは程遠いが多少スピードは出していたと思う。ちなみにコンビニからは下りである。

 

そんな調子で走っているもんだから、コンビニを出て少し走ると目の前の車に追いついてしまった。

 

その車は時速20キロ以下の徐行に近い速度。

 

助手席に座っていた私も目の前の車に少しだけイラっとしたが、普通に考えれば法定速度の安全運転で何も悪くない。

 

「悪いのは俺たちだな」なんて心の中で呟いていると運転席に座っていた友達は「さすがゲジゲジや」と言った。

 

ゲジゲジ?何のこと?意味不明だった。そもそも「ゲジゲジ」なんて単語初めて聞いた。

 

なんでも車のナンバープレートの滋賀の文字「滋」がゲジゲジに似ているから皆んなそう呼んでいるらしい。

 

ゲジ(蚰蜒)は、ゲジ目(学名: Scutigeromorpha)に属するムカデの総称。

 

その時の私は、ゲジゲジをバカにしてるのか、愛称で読んでいるのかわからなかった。

怒ってんの?ネタなの?どっちなの?

ある飲み会で滋賀県出身の人が同席していた。

 

その人と面識はなかったが、ちょくちょく話に出てきたので存在は知っていた。

 

とはいえ、初対面。どんな人かわからないので、簡単に自己紹介をしてもらった。

 

彼は「××です。よろしく。」ちょー軽い挨拶を済ませて、すぐにおしぼりに手をあてた。

 

私が「どこ出身?」と彼に聞くと隣に座っていた京都人の友達が「しがや~」と半分ニヤケて言った。

 

周りの友達は、なぜか笑っていた。

 

何が面白いんだろう?それに、君には聞いてないんだけど・・・。と思いつつ、滋賀県の子も笑っていたし、その場はみんなに合わせた。

 

彼は、もともといじられキャラなのか?まだ会って間もない。あまりよく知らない子だったので私がいじる事はしなかった。でも「東京もんはノリが悪い」と言われるのは癪だったし、面白くなくても笑ったフリはした。

 

トークの中心は女性やクラブの話。20歳を超えたばかりの男が話すことなんてそんな会話ばかりだ。

 

ただ、今回少し違うのは、ちょくちょく滋賀県イジリが入っていた。

 

「滋賀県は遊ぶとこがない」とか「終電以降、京都のクラブにいるのはだいたい滋賀県民」とか「滋賀県の景色は同じ景色ばかりで道が覚えられない」などと結構言われていた。

 

お酒が入っていたので仕方ないのかもしれないが、弄りというか悪口レベルだった。

 

初めは笑っていた滋賀県の子も、ちょこちょこイジられるのに少し怒ってこう言った。

 

「ほんまに!琵琶湖の水止めんで!」と。

 

それを聞いた京都人の友達が条件反射の如く「それしか言うことないやん(笑)」って言い、皆んな爆笑していた。

 

これはマジギレなのか?ギャグなのか?滋賀県の鉄板ネタなのか?誰か教えてくれ!!!と思いつつ、私は愛想笑いに努めた。

 

▼東京と京都の関係についてはこちら:京都と東京は仲が悪い?|実体験を元に東京と京都の関係を紹介

最後に

今回の記事では京都の友達がすごく悪いヤツ!みたいな書き方になってしまった。ちょっとフォローすると普段はめちゃくちゃ良い人。ただ、なぜか滋賀県民をいじるのが好きなご様子。どこがそんなに面白いのか私には理解できませんが・・・。

 

京都の人は「滋賀県は何もない」と言いますが、琵琶湖と自然があればなんでも生み出せると思います。最近では、レジャースポーツだって若い人には大人気ですし、琵琶湖のほとりでBBQできるのは最高です。確かに交通の便はとても悪いですが、改善されれば、滋賀県が発展する可能性はあるかと思います。

 

いつか。いつか京都人を見返す日がきっと・・・・。

 

読んでいただき有難う御座いました。

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