コロナウイルスでの自粛しろに言いたい3つのこと

 

 

二千二十年三月下旬。一点の曇りもない晴天の下、森林公園に植えられている桜の木々は園内を埋め尽くすほどに咲き誇っていた。ただ例年とは違い、行き交う人は疎らで遥か遠く先の方まで舞い踊る桜吹雪を目視することができる。

 

「来年もきっと桜は咲くし、美しく散ってゆくのだから今年くらいは我慢しようよ」

 

そうスマートフォンの中から声無き声が聞こえてきた。

 

コロナウイルスでの自粛しろに言いたい3つのこと

 

世界中で猛威を振るうコロナウイルスは、日本にも多大な影響を及ぼしている。東京オリンピックを中心に、数多くのイベントが中止。私が最近ハマっているクラシックコンサートや友達とのお食事会も全てキャンセルになるなど、個人的にも影響は出ている。残念な事だが、これらは仕方がないことだ。クラシックコンサートなんかとても楽しみにしていたが、もし感染が拡大すれば多くの人の命が失われるし、日本経済に与える影響は計り知れないものになってしまう。また、お医者さんや看護師さんへの負担も増え、悪くすれば医療崩壊を招く恐れもある。

 

今は自粛をすることがベストな選択になるだろう。

 

ただ、SNSなどで発している「自粛しろ!」には懸念もある。

1.過度な自粛はどうなのだろうか

もし、これから毎年のように新型のウイルスが流行すると仮定した場合、私たちの生活はどの様になるのだろうか。12月下旬から5月まで活動自粛とし、経済活動を停止させて生きていくことになるのだろうか。

 

少し大袈裟な考え方かもしれないが、コロナウイルスの様な新型のウイルスが今後二度と流行ることはないと断言できる者がいないことも確かだ。で、あるならばコロナウイルスを実験とし、感染リスクを減らした状態でお店を営業出来ないか、イベントを開催できないか考えてみるのも一つの手段ではないかと思う。

 

また、屋外での活動に対しての自粛しろ!はどうなのだろうか。

 

厚生労働省ではホームページにて以下の文を掲載している。

 

症状のない方にとって、屋外での活動や、人との接触が少ない活動をすること(例えば、散歩、ジョギング、買い物、美術鑑賞など)、手を伸ばして相手に届かない程度の距離をとって会話をすることなどは、感染のリスクが低い活動です。

 

無論、感染のリスクが低いからと言って絶対に感染しないわけではないが、厚生労働省(専門家会議?)曰く活動を制限する必要性がないことを示唆している。(もちろん、厚生労働省が屋外での活動を推奨しているわけではないが)

 


お医者さんや看護師さんに大変な負担をかける、場合によっては医療崩壊を起こす可能性があるリスクを承知の上での発言になるが、堀江氏が仰るように折り合いをつけなければならない時が必ず訪れる。そして、今後このような事態に陥った時に今回のような自粛が正しかったのか問われる時が必ず訪れる。

 

そんな時に首都封鎖からの経済活動を停止させるリスクゼロで議論するのは逃げでしかない。来たるべきウイルス感染に備えて経営者も国も行政も国民一人一人も考えなければならない。

2.自粛しろの危険性

また、若者に対して「自粛しろ!」と口軽く言う者も多いが、家庭の事情から家に居られない、居たくない若者も大勢存在する。そう言った若者に向けて政府や企業はセーフティーネットを用意しているが、それは現在での話で、自粛しろ!と叫んでいた時には何もなかった。(”何も”は言い過ぎかもしれないけど、限られていたのも確か)半ば強制的に家に居させて、ストレスを抱えたまま過ごさせている不憫な若者の声なき声は聞こえない振りをし、正論とばかりに叫ぶ大人達が滑稽に見えるのは私だけだろうか。

 

そもそも自粛とは自分自身が考えて自分の行動を慎むことであり、他人の行動を制限する為に「自粛」という言葉を使うのは間違っている。ただ、その程度なら許される間違いだが、他人の行動が気になって強制的に制限しようとする者が現れたら大きな社会問題になることも考えられる。

 

例えば、出歩いている人に対して暴言を吐いたり、酷い場合には暴力を振るったりするなどの事件が発生する可能性があるのだ。現にヨーロッパなどでは「コロナ帰れ!」と暴言を吐かれたり、中国人に対しての暴力事件が発生している。

 

ヨーロッパは元からアジア人差別が根底にあるからこの話は関係ない。という人がいるかもしれないが、これが日本国内でも起こらないと言える保証はどこにもない。

 

”良心倫理を振りかざす者は暴君になる”

 

「自粛しろ」という正義感は結構なことだが、行き過ぎれば正しいことを言っているのだから間違った人を傷つけても良いという論理を展開しかねない。

 

私はそれを危惧している。

3.自粛しろ!は自分のストレスになる

ただ、ちゃんと自粛している人にとって、いい加減な行動をとっている人間を無視できない気持ちも理解できる。

 

「何で私はこんなに我慢しているのに遊びまくっている奴らにうつされなきゃいけないのか。絶対に許せない」

 

言いたくないが世の中には頭のおかしい奴が一定多数存在する。換気も悪く沢山の人が密集(密着)するナイトクラブに集まる若者。公民館を利用しカラオケ大会をしている高齢者。感染リスクが高く自粛要請が出ている場所なのに何故行くのか?何故やるのか?全く理解できない。

 

いっその事、クラスター感染を起こして社会的制裁を受ければ良いのに。なんて思ったりもするのだが、不思議と感染していない人も多い。逆に森三中の黒沢さんのように自粛していたのにも関わらず感染した人もいるのだから世の中は不条理だ。

 

だからこそ他人の行動を非難したくなるのだろうと思う。

 

ただそういう奴はマイノリティで、多くの日本国民は適切な判断で自粛している人が殆どだと私は思う。(もしそういう奴がマジョリティの社会だったら本当に国難だと思う)そういう奴に一々反応して、イライラしてストレス溜めて自身の免疫力を低下させるより、「ば〜か」と心の中で思って日々を過ごした方が得だと思う。

 

感染症との戦いは免疫力を高めることが重要だと『はたらく細胞』で言っていた。免疫力はバランスの良い食事と適切な睡眠時間と適度な運動とストレスの無い環境が大切らしい。つまりは、自粛していない一部の頭のおかしい人に構ってストレスを溜めるより、無視して気にしない方が自分の為になるのだ。

 

最後に。

 

桜並木に人はいない。いないなら歩けば良いと私は思う。人が増えたら家に帰る。人間は考えることができるのだからリスクが高まったら回避するればいい。誰かに言われるのではなく、自分の頭で考えて自粛しよう。それが今後のコロナ対策で重要な役割を果たす筈だと記しておく。

 

 

自粛して桜を見れなかった方へ。

 

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