畳職人って大変?畳の仕事をやってきてきつかったことランキング

 

 

皆さん、こんにちは!畳職人の樋口です。今回は、畳職人って大変?畳の仕事をやってきてきつかったことランキングを紹介します。

 

畳職人って大変ですか?

 

畳職人が大変かどうかは、正直「う〜ん」と言った悩ましいところです。大変な事もあれば、楽な事もある。むしろ、大変な時ほど刺激的で面白いと思ってしまう私は、Mっ気があるのかもしれません。

 

そこで今回は、畳職人って大変?畳の仕事をやってきてきつかったことランキングを紹介します。畳職人って大変な仕事なのかな?畳の仕事ってどんな仕事をするのか気になる方の参考になれば嬉しいです。

畳職人って大変?畳の仕事をやってきてきつかったことランキング

畳の仕事をやってきてきつかったことランキング
5位 お化け系の仕事
4位 旅館系の仕事
3位 お寺系の仕事
2位 お茶室系の仕事
1位 ゴミ屋敷系の仕事

 

お化け系の仕事

「大変」の意味が変わってしまうかもしれませんが、畳職人は人の家に入る仕事がゆえに薄気味悪い変な物件にもお邪魔する事はあります。

 

薄気味悪かった一例を紹介します。

 

あるマンションでの話です。そのマンションは定期的に畳替えを行う割とよく行くマンションでした。ただ、今回畳替えをお願いされた部屋は202号室。初めての畳替えでした。中に入ると薄気味悪さと物凄いカビ臭い匂いで吐き気がしました。誰かがモスキート音を鳴らしているかと思うほど、耳鳴りもして苦痛でした。和室に入ると更にキツいカビ臭と耳鳴り、そして畳の上には何故か赤いテープが付いていました。私は気持ち悪くなって早々に畳を引き上げて帰りました。翌日、畳を納品に行くと壁紙は綺麗に張り替えられており、カビの匂いは洗い屋さんの丁寧な仕事によって消えていました。ただ、和室だけはまだカビ臭い匂いが残っており、畳がカビるかもなと思いつつ納品をして家路につきました。10日ぐらい経ってマンションを管理している会社から連絡が入りました。私は咄嗟にカビかなと思いましたが、そうではありませんでした。新しく替えた畳は無残にも墨汁が掛けられており、見るに耐えない姿に変わっていたのです。こわ!と思って再び急いで畳も持ち帰ります。納品時も恐怖はありましたが、何とか何事も無く納品は完了しました。それから二週間後、また管理会社から連絡が入りました。急いでマンションに向かい202号室に入ってみると黒いシミと赤い紙、引っ掻き傷が付いた畳がありました。

 

意味わからないですよね。住んでいた人は頭がおかしくなったのでしょうか。お化けの存在を信じていない私でさえも、この部屋は普通じゃない事が理解できたし、何かがある事はわかりました。

 

畳替えが増えて嬉しいはずなのに、心から喜べない。そんな気持ちでした。

 

旅館系の仕事

畳の仕事って基本的には急ぎ仕事は少ない業界です。お客様に言えば「いつでも良いよ」と言ってくれるし、工務店さんは優しいので3〜5日ぐらいの中から都合の良い日を選択させてもらえます。

 

ただ、旅館は違います。チェックアウトと同時に引き上げて、チェックイン前に納品しなければなりません。しかも、畳の枚数は100枚を超える事がザラです。短時間でそれだけの枚数の畳を作り納めるのは、結構大変なことです。

 

ただ、旅館の畳替えは年末の大仕事って感じで、これが終われば年越しだと思うと何だか不思議と嬉しい気持ちになります。

 

お寺系の仕事

お寺系の仕事は、畳の重さと枚数と運ぶ距離が長いことが大変である理由です。お寺の畳の多くは40キロを超える重たい藁床。枚数は300〜600枚近くあります。

 

運ぶ距離はどれくらいだろ・・・。一般的なお家と比べると10倍近くあるかもしれませんね。それぐらい長い距離を重たい畳を持って運ぶわけですからかなり大変な仕事ではあります。

 

ただ、お寺の中ってそう簡単に入れるわけではありませんし、紋縁が綺麗に揃った時の感動は何とも言えないので、とても楽し嬉しい仕事ではあります。

 

お茶室系の仕事

二畳、三畳、四畳半、六畳、八畳、十畳。この中で畳を作るのが難しい部屋って何畳だと思いますか?答えは二畳です。畳は枚数が少なければ少ないほど難易度が上がっていきます。

 

つまり、畳における一番難しい部屋というのはお茶室の二畳であり、技術が必要になります。私は畳の仕事を始めて四年目の時に始めてお茶室の仕事を任されました。

 

緊張で大丈夫かなと不安な私の前に現れたのは二畳のお茶室。しかも、シミズ(対角)が一寸四分も狂っているお茶室で、炉が何故か曲がっているという現場でした。

 

今であれば型をとって畳を作れば良いと直ぐに対応策も思いつきますが、当時の私は何もわからず割本法の掛けシミズを使って畳を作りました。

 

結果は全く入らず、無残にもやり直しをし、やり直しでも失敗する始末でした。あの苦い経験があるからこそ、今があるのですが、正直あれほど大変な現場は他になかったと思います。

 

 

ちなみに。嫌味に聞こえてしまうかもしれませんが、大工さんの腕が良いと二畳のお茶室であっても簡単に入ります。だから大工さん次第なところも・・・・。あるかもしれません。

 

ゴミ屋敷系の仕事

私が畳の仕事で一番大変だと思う仕事は、ゴミ屋敷系の仕事です。お客様皆さん言うのですが「私の家、汚いでしょ?ゴミ屋敷みたいでしょ?」っと。

 

いやいや。全然ゴミ屋敷じゃないですよ。本当のゴミ屋敷はもっと凄いです。そこに比べたらとても丁寧に掃除していますね。有難うございます。仕事がやりやすいです。って話です。

 

ただ、私はゴミ屋敷の仕事が嫌いではありません。むしろ、ドキドキするというか、アドレナリン出る感じで興奮します。とは言え、楽な仕事かと問われれば楽ではありません。

 

見た事ない虫もいるし、何か変わった匂いがするし・・・。大変ですが、慣れたら前向きに頑張れるようになると私は思います。

 

以上、畳職人って大変?畳の仕事をやってきてきつかったことランキングでした。

 

最後に

 

いかがでしたか。畳の仕事のどこが大変かわかりましたか。

 

畳職人の仕事が知りたい方々の参考になれば幸いです。

 

あんまり、仕事が大変だとは言いたくありません。大変な部分も含めて好きな仕事ですから。

 

ただ、畳職人になりたいと思っている方も見ているかもしれないし、畳の仕事に興味を持ってもらえるかもしれない事を考えるとマイナスばかりではないのかなと思います。

 

これからも頑張りますので、もっと大変な現場を頂けたら嬉しいです。

 

読んでいただき有難うございました。

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