
京都市にある黄綬褒章受章、現代の名工に選ばれている店「沢辺畳店株式会社」にて長年修業を積み、東京都江戸川区で独立。 京都畳競技会にて最高賞の「京都府知事賞」を受賞。神社仏閣や茶室、屋形船から一般住宅まで、1ミリの隙間も許さない「京都仕込み」の技術で江戸川区を中心に活動中。
- 📺 メディア出演:TOKYO MX「バラいろダンディ」畳職人として出演
- 🏫 地域活動:練馬工業高校にて畳の文化・技術に関する講演会講師を担当
皆さまこんにちは。
東京都江戸川区の樋口畳商店、代表の樋口裕介です。
畳替えをしたお客様から、よくいただく質問があります。
「新しい畳の上にカーペットを敷いた方がいいですか?」
冬場の寒さ対策や、小さなお子様がいるご家庭ではラグやカーペットを敷きたいという方も多いでしょう。
私の答えは、いつも同じです。
「できれば何も敷かないことをおすすめします。」
今回は、その理由を一級畳製作技能士の視点から詳しくご説明します。
畳は呼吸をする天然素材です
畳に使われている天然い草には、湿気を吸ったり吐いたりする「調湿機能」があります。
湿度が高い日は湿気を吸収し、乾燥している日は蓄えた湿気を放出することで、お部屋の湿度を自然に調整してくれています。
そのため畳は昔から、
- 天然の空気清浄機
- 天然のエアコン
とも呼ばれてきました。
しかし、この調湿機能が十分に働くためには、畳が空気に触れられる状態であることが大切です。
新しい畳ほど、何も敷かない方がおすすめです
特に新しい畳は、まだその部屋の環境に十分馴染んでいません。
新しいい草は湿気を吸収する力が強く、季節や室内環境に合わせて少しずつ馴染んでいきます。
そんな大切な時期に、
- カーペット
- ラグ
- ウッドカーペット
などで全面を覆ってしまうと、湿気の逃げ道がなくなってしまいます。
その結果、
- カビの発生
- ダニの繁殖
- 畳の傷み
につながる可能性があります。
だから私は、お客様にも「まずはそのまま使ってください」とお伝えしています。
ウッドカーペットは特におすすめできません
最近では、
「和室を洋室風にしたい。」
という理由で、ウッドカーペットを敷く方もいらっしゃいます。
しかし、新しい畳の上にウッドカーペットを敷くことは、私はおすすめしていません。
ウッドカーペットは通気性がほとんどありません。
長期間敷きっぱなしにすると湿気がこもりやすくなり、カビが発生する原因になります。
さらに、カビが発生すると、それをエサとするダニなどの害虫が集まりやすくなることもあります。
せっかく新しくした畳を長持ちさせるためにも、できるだけ避けた方がよいでしょう。
▶︎畳にカビが生えたらどうする?|一級畳製作技能士が教える正しい対処法と予防策
防虫シートを敷けば安心というわけではありません
インターネットでは、
「防虫シートを敷けば安心です。」
という情報を見かけることがあります。
しかし、防虫シートは万能ではありません。
防虫シートを敷いていても、
- カビが生えることはあります。
- すべての害虫を防げるわけではありません。
特に湿気が多い環境では、防虫シートよりも湿気対策の方が重要になります。
害虫が気になる場合は、防虫シートだけに頼るのではなく、室内の湿度管理も合わせて行うことが大切です。
どうしても敷きたい場合は定期的にめくってください
生活スタイルによっては、
「どうしてもラグを敷きたい。」
という方もいらっしゃると思います。
その場合は、
- 畳の色が少し落ち着いてから敷く
- 長期間敷きっぱなしにしない
- 梅雨明けなど年に数回はめくる
- 畳とカーペットの間を掃除する
- 湿気が多い時期は除湿機やエアコンの除湿機能を使う
これだけでもカビのリスクを大きく減らすことができます。
畳を長持ちさせたいなら「そのまま使う」のが一番です
私は施工後、お客様に
「何か敷いた方がいいですか?」
と聞かれることがあります。
そのたびに、
「畳本来の良さを活かすなら、そのまま使うのが一番ですよ。」
とお伝えしています。
い草の香りや肌触り、調湿機能は、畳をそのまま使うからこそ感じられる魅力です。
新しい畳だからこそ、ぜひ何も敷かずに、その心地よさを味わっていただきたいと思います。
まとめ
新しい畳の上にカーペットやウッドカーペットを敷くことは、畳にとってあまりおすすめできません。
畳は呼吸をする天然素材です。
特に新しい畳は湿度環境に馴染むまで時間がかかるため、通気性を妨げるとカビやダニの原因になる可能性があります。
どうしても敷きたい場合は、
- 長期間敷きっぱなしにしない
- 定期的にめくって掃除する
- 除湿を心掛ける
この3つを意識してください。
畳を長持ちさせる一番の方法は、「畳本来の姿で使うこと」です。
畳替え後のお手入れや使い方で分からないことがありましたら、お気軽に樋口畳商店までご相談ください。一級畳製作技能士として、お客様の住まいに合わせたアドバイスをさせていただきます。
