突然ですが。皆さんは殺意が芽生えた事はありますか?
私は生まれてからこれまでにたった一度だけあります。
そいつらは、私の大切なグローブを奪い友達との関係に泥を塗り、想い出を踏み躙りました。
一生掛かっても絶対に許せない者達です。
今回は私の高校生の頃に体験した葛飾区野球グローブ盗難事件の話をします。
私の手記だと思って読んでください。
葛飾区野球グローブ盗難事件
私は当時高校三年生の野球部員でした。
我が野球部は校舎の裏側にあるグランドに併設された野球部専用の部室が三室有り、左端と右端が部員の為の部屋、真ん中の部屋がボールやバット、スパイクなどを管理する部屋と分けられていました。
我々三年生と二年生はその左端右端の部室で着替えを行ったり、お昼ご飯を食べたり、休憩に使うなどに使用していました。
夜、自主練が終わると最後に残った野球部員が、部室に鍵を掛け先生に報告し、部室の鍵を渡すという決まりがあり、その日も何も問題なく戸締りをしました。
ところが次の日の朝、私が朝練に行くと左端の部室の前に沢山の人だかりが出来ていました。
「何だ?」と思って野次馬達をかき分けて部室に入ると部員皆んなのバックやグローブが盗まれていたのです。
ドアの側にある窓ガラスが割られていたので、そこから侵入したのではないかと思われています。
私がよく座っていた席の近くには、恐らく犯人が吸ったものと思われるタバコの吸い殻が捨ててあり、ご丁寧に挑発までしてくれていました。
その瞬間、初めて殺意が芽生えました。
今思い出すだけでも憎しみが湧いて出てきます。
とはいえ、監督さんからは「何で大事なグローブを部室に置いて帰ってるんだ。バカヤロー!」と怒られたわけで、自分に落ち度があった事は認めざるおえないと思います。
ただ、グローブを置いて帰えるようになったのもここ最近の事で、最後の大会が近い事と学校のバックと野球部のバック二個持ちで自転車通学していた為にとても大変だった事が理由でした。(プールがある日はプールバックも持つ)
だけども大切なグローブを置いてきていい理由にはならないし、自分が悪いのは認めます。
しかし、だからといって人様のグローブを盗んで良い理由にはなりません。(そもそも夜中に学校に忍び込み部室の窓ガラスを割っている時点で犯罪者である)
しかも最後の大会の前です。悪意があったとしか考えられない。
絶対に許さない。
盗まれたグローブとの想い出
盗まれたグローブは高校三年間ずっと一緒に戦ってくれた相棒でした。
「グローブに愛情注げばエラーしなくなる」なんて逸話を信じて毎日磨いていた事を今でも覚えています。
でも大切にしていたのはそれだけが理由ではありません。
盗まれたグローブは友達に貰ったグローブでした。
当時中学生の私は、軟式野球をやっていた為に硬式のグローブを持っていませんでした。
無論買っても良かったのですが、グローブって買ってすぐは使えないし、馴染まないグローブを使うと弾いたり、型が崩れたりしてしまいます。
そんな時、友達が「硬式のグローブ持ってるからあげるよ」と言ってくれたのが、盗まれたグローブでした。
最初は人の型にハマっていたので慣れるまで少し時間が掛かりましたが、約三年間、難しい打球も簡単な打球も優しい送球も厳しい送球も数え切れない程の球を受けてくれました。
砂まみれになりながら一緒に戦ってくれたのです。
そんな想い出の詰まったグローブとも二度と会えません。ただただ残念です。
葛飾区野球グローブ盗難事件のその後
盗まれたグローブは私のを含めて10個位だったと記憶しています。
無論、直ぐに警察に届け出を出し、状況を詳しく説明しました。
グローブをくれた友達にも報告し謝罪しました。
友達は「盗んだやつらが悪い。最低だ」って言って全く私を責めませんでした。
胸が苦しくなって本当に申し訳なく思いました。
野球部員の間では「あとは警察に任せて練習に集中しよう」という意見が多く、私も賛成でした。
とはいえ、盗まれたグローブが気になって仕方なかったのもまた事実。もしかしたらヤフーオークションに出品されるのではないかと思って、ずっとヤフオクを見張っていました。
それから数日後、盗まれた野球部員のグローブにそっくりのグローブが出品されているのを発見し、その部員に確認してもらったところ、ほぼ間違いない事がわかり学校中で大騒ぎになりました。
ヤフーオークションと警察に問い合わせを行い、犯人グループの一人と思われる住所を特定してもらい何個かのグローブは回収する事に成功しました。
ところが、何故か警察は犯人を逮捕しませんでした。
あれから10年経ちますが、現在も犯人は捕まっておらず、残りのグローブも帰ってきていません。
本当に悔しい気持ちで一杯です。
このグラブに秘められた悲しい話
グローブが盗まれた事を家族に相談したところ、父親が「新しいグローブを購入して湯もみするしか無いのでは?」と言ってくれました。
とはいえ、湯もみは乾かし方を間違えば耐久性を失わせるし、色褪せや滲みの原因にもなります。
それに湯もみしたからと言って、直ぐに使えるほどの柔らかさになるわけでも無いので、とても悩みました。
飯田橋のベースマンや新宿のスガイとも相談した結果、購入したのがこのグラブです。
湯もみはせずに叩いて柔らかくする方法を選択しました。
しかし、普通のキャッチボール程度なら何の問題もなく使用出来たのですが、ゴロの捕球となると弾いてしまい、なかなか思うようにいかず、苦闘していました。
それを見かねた後輩の野球部員がお兄さんのグローブを貸してくれると言ってくれました。
そちらのグラブを借りて捕球してみると断然使いやすかったので、悔しかったですが新しく購入したグローブは諦めて後輩のお兄さんのグローブを借りる事にしました。
グローブの型が偶然私と似ていた事もあって慣れるまでにそこまで時間は掛からず、何とか大会までに仕上げる事ができました。
ただ、購入したグローブはその後も活躍の場は無く、今もほとんど陽の目を当てる事が出来ていません。(草野球の試合で使った事も無い)
ほぼ私の部屋のオブジェみたいになっています。
悲しいです。
最後に
10年も経ったから「時効だ」とか犯人は思っているかもしれませんが、私は許しません。
絶対に!です。
どうせ警察は何もしてくれないでしょうし、このまま人任せにしていたらきっと闇に葬られると思いブログを書きました。
皆さまにも知ってもらえたら嬉しいです。
2010年に起きた葛飾区野球グローブ盗難事件の話でした。
読んで頂きありがとうございました。