東京五輪オリンピック柔道で使われる中国タイシャン社製の畳について

 

みなさん、こんにちは!畳製作一級技能士の樋口です。今回は、東京五輪オリンピック柔道で使われる中国タイシャン社製の畳について話をします。

 

東京五輪オリンピック柔道で使われる中国タイシャン社製の畳について

 

先日、お客様からこんな質問を受けた。

 

 

ねぇ。畳屋さん知ってる?オリンピックの柔道の畳が中国製なこと。

 

もちろん知ってますよ。なんか組合でも国産の柔道畳を使うように国際柔道連盟(IJF)に掛け合ったと言う話も聞きました。でも、結局ダメだったみたいですね。中国の企業が国際柔道連盟(IJF)のスポンサーらしいですから。

 

おもてなしプロジェクトhttps://www.tatami-omotenashi.com/

 

スポーツの祭典でお金お金なんて嫌な話ね。それよりその中国製の畳は良い物なの?

 

タイシャン社製の畳ですよね。正直、見たことも聞いたこともないんですよね。オリンピックで話題になるまで知らなかったですし。ただ、北京オリンピックでも使われたらしいですよ。

 

畳屋さんが知らない畳って変ね

いやいや。僕の勉強不足で。すみません。

 

お客様に質問を受けた時までは、タイシャン社製の畳について知らないのは、単純に私の勉強不足だと思った。

 

しかし、どうやらそうではないらしい。

 

仲の良いメーカーさんにタイシャン社製の畳について聞いてみると「タイシャン社製の畳なんて取り扱ってないよ。日本製じゃダメなの?」と言われた。

 

確かに全日本柔道連盟の畳の公認用具指定業者は15社にも及ぶ。

 

資料http://www.judo.or.jp/wp-content/uploads/2013/08/rule-tatami-sup.pdf

 

国内に15社もある中でタイシャン社製の畳をわざわざ選ぶことなど有り得ないだろう。

 

一応、他のメーカーにも問い合わせてみたけど、日本製で良いじゃん!がほとんどだった。(別に本当に使うわけじゃないけど、ただ調べてるだけだと教えてくれないかなぁと思って見積もりという程で話した)

 

タイシャン社製の畳について

 

次にネットで調べてみる事にした。

 

タイシャン社製の畳についての口コミはRecordChinaが記事にしてくれていた。

 

柔道関係者からは、泰山(タイシャン)の畳は日本の畳より滑りやすいため、寝技が得意な日本選手に不利だ

 

記事が事実ならあまり良い畳ではないような感じだが、実際に見てないから何も言えない。

 

続いて先日、2019年12月3日の日刊スポーツよりこのような記事が出ていた。

 

20年東京五輪の柔道で使用する中国のタイシャン社製の畳が、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターに導入されたことが3日、明らかになった。関係者によると、11月下旬に場内が黄色、場外が赤の同社製の畳に張り替えられた。

 

これは東京オリンピックで使われる畳で練習する為に導入したと考えられる。

 

しかし、少し不思議に思う。

 

国内に入ってきているならサンプルぐらい取り寄せられる筈だが、全く入ってこない。(ちなみに国産の柔道畳なら一日で入ってくる。)

 

だから一枚あたりの値段もわからない。

 

メーカー取扱商品ではないのか。指定業者しか情報が入ってこないのか。施工はどうしているのか。

 

タイシャン社製の畳何もわからないのだ

 

最後に

 

もし、このままタイシャン社製の畳を国際試合で使われ続けたら確実に国内での受注は増えるだろう。

 

何の情報も無いまま、私たち職人はもとより国内の柔道畳メーカーは市場を奪われる事になる。

 

強欲は善。奪われた方が悪。

 

私たち職人も含めてメーカーは甘かったのかもしれない。

 

読んで頂きありがとうございました。

 

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