畳の張り替えって自分で出来る?|DIYで畳を表替えする方法

 

 

皆さん、こんにちは!畳製作一級技能士の樋口です。今回は畳の張り替えって自分で出来る?DIYで畳を表替えする方法を紹介します。

 

畳の張り替えって自分で出来る?

 

以前、このような質問を受けた事がありました。

 

え?自分で畳の張替えをするのですか?と戸惑いましたが、よくよく考えてみれば今はDIYの時代。家だって自分でリフォームしてしまう人がいるくらいなのだから、畳の張替えを自分でしたい!という人がいても可笑しくありません。

 

とはいえ、畳の張替えは自分で出来るのでしょうか。

 

そこで今回は畳の張り替えって自分で出来る?DIYで畳を表替えする方法を紹介します。

 

自分で畳の張り替えをしたいと思っている方の参考になれば嬉しいです。

畳の張り替えって自分で出来る?

 

結論から申し上げれば・・・。

畳の張り替えは自分で出来ます

 

ただ、畳の張り替えは障子や襖、クロスの張り替えに比べて難しいこと、材料代を仕入れるルート、道具を揃えるルート、作業をする時間を加味すると、私は畳の張り替えを自分でするのはお勧めしません

 

DIYで畳を張り替えるのがお勧めできない理由

DIYで畳を張り替えるのがお勧めできない理由
・畳の張り替えは難しい
・材料代を仕入れるルート
・道具を揃えるルート
・畳を張り替えるのに掛かる時間

 

畳の張り替えは難しい

畳の張り替えが難しいと言われている理由は、床に敷き込む為に寸法が重要になる点です。例えば、襖にしても障子にしてもクロスにしても貼る建具や壁より大きいサイズであれば寸法を気にする必要はないですよね(柄合わせは別)。畳は寸法を間違えば絶対に入りません。建具屋さんや内装屋さんなど、その道のプロなら畳の張り替えも出来るようになるかもしれませんが、素人の方が挑戦するには難易度が高過ぎます。内装のDIYは襖、障子、クロスぐらいにするべきだと思います。

 

材料代を仕入れるルート

畳を自分で張り替えたいと思ってもどうやって材料を仕入れるのでしょうか。私たちは当然の事ながら材料屋から畳の材料を仕入れます。しかし、一般の方が材料屋さんから売ってもらえるのでしょうか。絶対に売ってもらえないと私は思います。では、畳屋さんから買う事はできるのでしょうか。絶対に売ってもらえないと私は思います。だって売ったら原価がバレちゃうでしょ?そんな間抜けな事はしない。畳の縁くらいならネットで注文する事も可能ですが、畳表や畳を縫う糸、畳の縁下紙は仕入れるのが無理だと思います。

 

道具を揃えるルート

畳の材料が仮に揃ったとして、畳を張り替えるのに必要な道具は揃える事が出来るでしょうか。私たち畳職人でも畳の道具は受注生産な為、購入するのに考えます。たった一回、畳を張り替えるのに道具を買い揃えるって無駄なような気がします。近年、廃業する畳屋さんも増えているので、そこから調達する方法も考えられますが、一般の方がその情報を仕入れる事こそ難しいと私は思います。

 

畳を張り替えるのに掛かる時間

畳一枚手縫いで張り替えるのに40分前後。慣れている私たちでさえそれぐらいの時間を有します。素人の方だったら一枚作るのに二時間くらい掛かってしまうのではないでしょうか。幾ら手先が器用な人だって私たちより早く仕上げる事は無理なわけで、それだけ沢山の時間を浪費してまで畳の張替えをするのはお勧め出来ません。

 

総括すると畳を自分で張り替える事は出来るけど、絶対にお勧めできないということ。

 

それでもDIYで畳を表替えしたい!という方にDIYで畳を張り替える方法を紹介します。

DIYで畳を表替えする方法

DIYで畳を表替えする方法
1.畳を引き上げて解体する
2.敷き込んであった畳表の寸法を測り、その寸法に合わせて畳表の幅を落とす
3.畳表の上前を畳床にしっかりと合わせて大きな針で止める
4.畳表を真っ直ぐに張っていく
5.畳の框を綴じる
6.平刺し縫いをして畳縁を縫っていく
7.畳縁を折り曲げて返し縫い
8.畳の隅を作る
9.寸法を確認して畳を整える

 

畳を引き上げて解体する

まずは畳を引き上げましょう。素人の方は畳の張り替えは一枚ずつ行った方が良いので、いっぺんに引き上げずに一枚終わったら次の一枚と張り替えていきましょう。畳の解体作業は現状付いている畳表が取れれば良いので、床糸などを切らないように気を付けて行うようにしましょう。

 

敷き込んであった畳表の寸法を測り、その寸法に合わせて畳表の幅を落とす

現在敷いてある畳と同じ畳を作れれば最悪良いわけです。現状入っている畳の寸法に合わせて畳表の幅を切り、同じように張り付ければ、それなりの畳にはなります。無論、私たちは現状よりもっと良い畳を作れるように努力します。その点はお伝えしておきたいです。

 

畳表の上前を畳床にしっかりと合わせて大きな針で止める

畳表の幅を落としたら畳の上前を畳床にしっかりと合わせて大きな針で止めましょう。私たちは待ち針と呼ばれる大きな針を使います。

 

これは私の動画ですが、このような感じで畳表を止めていきます。待ち針が手に入らない場合には、何か大きな針であれば大丈夫だと思います。ただ、自分の手を刺すなどの怪我はしないように注意してください。

 

畳表を真っ直ぐに張っていく

畳表を真っ直ぐに張るコツは、力加減です。同じ力で畳表を引っ張れば真っ直ぐなるわけで、思いっきり張らずに優しい力で張る事から始めましょう。段々と慣れてくれば簡単に張れるようになります。ちなみに網戸の時も同じような感覚なので応用できます。

 

畳の框を綴じる

畳の框とは丈の方、畳表が弛んで来ないようにしっかりと畳を縫って止めましょう。畳の框縫いには二種類の方法があります。一つは新畳製作の際に用いられる手法『伏せ框綴じ縫い』です。もう一つが表替えの際に用いられる手法『うわ綴じ縫い』です。

 

 

この作業で気をつける事は、しっかりと糸を締める事です。弛んでしまえば畳表がダル付いてしまい長持ちしません。ここはしっかりと縫って締める事が必要です。ただ、素人の方だと指が切れて血が出ますので、絆創膏の用意は必須です。

 

平刺し縫いをして畳縁を縫っていく

框を止めたら定規付をして真っ直ぐに表を整えます。そしたら畳縁を強く張って縫っていきます。畳縁の幅は9分〜9分半がおすすめですが、一寸の畳縁もありますし、8分の畳縁もありますので、割と自由に決めてもらって大丈夫です。

 

平刺し縫いで気を付けないといけない事は、糸を締めすぎないこと。先ほどの框縫いとは違い糸を締めれば良いというわけでないのが平刺し縫いです。糸を強く締めすぎれば縁側がボコボコしてしまったり、へっこんでしまいます。とはいえ、締めなさすぎも縁がプカプカ浮いてきてしまうので、不細工です。爪で挟んで弾くくらいの締まり具合で調整しましょう。

 

畳縁を折り曲げて返し縫い

平刺しを縫ったら毛引きをして、しっかりと縁を畳んでいきましょう。綺麗に折り曲げたら返し縫いをします。畳替えの場合は巻き倒し縫いで構いませんので、なるべく畳縁の下を目掛けて縫っていくようにしましょう。

 

畳の隅を作る

畳の隅のたたみ方は素人の方には難しいかもしれません。とりあえず現状敷いてある畳の隅に似せる為に写メを取っておくことをおすすめします。畳縁の縫い方は動画を参照ください。口で説明するのが難しいです。

 

 

寸法を確認して畳を整える

最後に要らない糸を切って畳の寸法をチェックして隅や框や上前を定規付して完成です。穴が空いた部分は霧吹きを少しかけましょう。ただ、ふりかけ過ぎるとシミになる可能性もあるので注意が必要です。

 

▼関連記事:DIYで縁なし畳は作れる?|和室の畳を琉球畳にするおすすめの方法

 

ここまででDIYで畳を表替えする方法の説明は終わりですが、やはり難しそう、大変そうだからやめようと思った方におすすめの方法を紹介します。

 

それが上敷きです。

DIYで畳を張り替えたいなら上敷きがおすすめ!

上敷きとは藺草を編み込んで作られた敷物で、現状使っているお部屋に敷くだけなのでとても便利です。お値段も安いですし、ぜひチェックしてみてください。

 

▼上敷きについてはこちら:畳の表替えより上敷きの方がお得?|安くて人気おすすめな天然い草の上敷き

 

以上、畳の張り替えって自分で出来る?DIYで畳を表替えする方法でした

最後に

 

いかがでしたか。

 

畳の張り替えは自分で出来そうですか?

 

参考になれば嬉しいです。

 

自分でやるにしても怪我などは十分に気を付けて、無理のない範囲で行いましょう。

 

読んでいただきありがとうございました。良かったらシェアお願いします。

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