・畳にはダニがたくさんいる?
・畳は汚い?
みなさま、こんにちは!畳職人の樋口です。今回は、畳は不衛生?気になる畳の衛生面に関して畳のプロが解説します。畳は不衛生なのか、どうなのか、気になる方の参考になれば幸いです。
気になる畳の衛生面に関して畳のプロが解説
畳は不衛生か、どうなのか。結論から言えば、畳は不衛生ではないです。
畳は腐敗細菌に対して抗菌作用があることがわかっています。また、足の匂いに関係する微生物の増殖を抑える効果が期待できることも発見されています。
畳は不衛生だ!と言うには、抗菌作用があって衛生的ではありませんか?
それ以外にも、畳は不衛生ではない理由があるので解説していきます。
畳は不衛生?
ネットでググってもらえばわかりますが、「畳は不衛生だ」と仰る方がいます。その理由として、イグサ(藺草)にはダニが多い、畳は汚いというのです。
・畳が汚い
イグサにはダニがいる
なんか勘違いしている。まずイグサにはダニがいません。
ダニがいるのは畳床。藁床と呼ばれる床材です。
藁床とは藁を圧縮して作った昔ながらの畳であり、昭和後期〜平成前期までは主に主流だった床材です。ただ、近年では藁の高値から藁床は高額になり、建材床と呼ばれるボードが主流になっています。
こちらの建材床は木製のチップを圧縮したもの(茶色の部分)と、カネライトフォーム(スタイロフォーム)をサンドしたものです。
建材床は防ダニ効果に優れており、藁床に比べ大変安価である一方、耐久性が低いことで知られています。 つまり、最近の住宅に納められている畳はダニが生息しにくい畳となっているのです。
なお、近年は防虫効果の優れた畳用の防虫シートが販売されています。
こちらの商品は畳機械メーカーである東海機器工業株式会社とオハイオ州立大学大学院昆虫学部卒業の農学博士である吉川翠先生の共同で開発された畳防虫シートで、藁床を包み込んで施工します。
▼関連記事:防虫シートはどれくらい効果があるの?|畳や敷物に人気おすすめ防虫紙
こういった防虫紙の防虫レベルは顕著に表れており、防ダニの相談も年々減少しているところであります(東京では)。
畳は汚い
次に、「畳は汚い」という話に移りますが、こちらもダニと同じで勘違いしています。
畳だろうが、フローリングだろうが、ソファだろうが、ベットだろうが、布団だろうが、クッションだろうが、コップだろうが、まな板だろうが、ジョイントマットだろうが掃除しなかったら汚いし、不衛生です。
おそらく畳が汚いと仰る方の家は、畳だけでなく家の全て汚いと私は思います。
▼関連記事:畳の掃除は乾拭きがおすすめ?|畳のプロがおすすめする畳の掃除方法
確かに畳は劣化していく敷物です。移りゆく時間と共に黄色と黒色に変色していきます。しかし、それは劣化であって、汚さではありません。
ジーンズが色落ちしていくことやソファの合皮が剥がれてくるのと同じです。
もし劣化が気になるようでしたら新しい畳に張り替えれば綺麗な畳になるので、表替えをしましょう。
▼関連記事:【2021年】畳のプロがおすすめする失敗しない畳業者の選び方
以上、畳は不衛生?気になる畳の衛生面に関して畳のプロが解説でした。
最後に
畳を上げると虫がたくさんいる。だから畳は不衛生だ。仰る方がたまーにいます。
では、フローリングの下に虫はいないのですか?床下に虫は存在しませんか?フローリング(特に裏側)にカビが生えないとでもお思いですか?と聞き返したい。
虫もいますし、カビも生えますよ!大工さんに聞いてみてください!
むしろ、掃除しようと思えば畳をあげて掃除できるのだから衛生的だろって私は思います。
畳が嫌いだ!畳が苦手です!みたいな素直な批判なら全然いいのですが、畳は不衛生だ!といった適当に口軽く批判するのは許せない。ネットで書かれていたことなので、ネットで描き返してやろうと思い、記事を書きました。
読んでいただきありがとうございました。