・見て覚えろは時代遅れ?
・これからの職人の教え方とは?

 

みなさん、こんにちは!畳職人の樋口です。今回は、見て覚えろは時代遅れ?これからの職人の教え方を紹介します。見て覚えろ!はどうなの?これからの教え方とは?と悩んでいる方の参考になれば幸いです。

見て覚えろは時代遅れ?これからの職人の教え方

見て覚えろは効率的

見て覚えろは効率的な教え方であると私は思います。

 

あるドイツの企業では、作業している様子を動画撮影し、それを研修生に見せて作業を覚えさせる教え方を採用しています。この教え方だと、教育係的なところに人員をさく必要もありませんし、わからないところはストップして戻せるので、教えられる側もわかりやすい。

 

ただし、職人だと危険な現場も多いですよね。作業動画見ただけで、すぐ現場で使えるかと言えば、そうではありません。やはり新人を見る係りや安全性を管理する人はどうしても必要になります。

 

見て覚えろ!だけでは、流石に教えられないですが、ある程度の基礎的なところは見て覚えろで十分なのかなと私は思います。

 

見て覚えろは時代遅れ?

見て覚えろ!は、職人への教え方としては効率的。ですが、時代遅れと言えば時代遅れであると言えます。というのも、見て覚えられる仕事ってクリエイティブじゃないですよね。

 

見て覚えられるのであれば、誰でも出来ることの証明になってしまうわけで。つまり、代替可能というわけです。見て覚えろは研修生、弟子、丁稚の段階ならまだしも、職人で見て覚えろは教え方として時代遅れであると言わざるおえないと思います。

 

では、これからの時代はどういった職人の教え方がいいのか。

これからの職人の教え方
・仕事に意味をもたせる
・学習の方法を教える
・努力の仕方を教える

 

仕事に意味をもたせる

ある有名な話があります。建築現場で作業している三人の作業員に、今あなたは何をしているのか質問したところ、三人とも答えがバラバラだった。一人目は「レンガを積んでいる」と答え、二人目は「壁を作っている」と答え、三人目は「神を讃える大聖堂を作っている」と答えた。三人とも同じ仕事をしているはずなのに、仕事に感じる意味や意義は異なっていたわけです。

 

私たちは人生の大部分を仕事に捧げています。食っていく為には仕事をしなければならないので仕方のないことですが、かといってやりたくない仕事に人生の大部分を捧げるのは嫌ですよね。

 

親方の役目はまず、職人たちの仕事に意味をもたせること意義を教えることだと思います。仕事への情熱をもっているのと、もっていないのとでは学習意欲に差が出ます。強いては、成長に大きな差が生まれます。

 

今、どんな仕事をしているのか。誰のためになる仕事をしているのか。仕事への意味、意義をしっかりと教えましょう。

 

とはいえ、やりがい搾取には注意が必要です。やりがい搾取とは、やりがいを押し付けて払うべき対価を支払わない、といった社会問題の一つで、特に夢を持つ若者をターゲットにすることが多いと聞きます。

 

仕事に意味をもたせることは重要なことですが、報酬は正当に支払いましょう。

 

ちなみに、弟子制度がやりがい搾取だという意見もあります。弟子制度と言ってもお店によって違うし、一概に言えないのですが、弟子制度経験者から言えばやりがい搾取とは言えないのではないかと思います(もしかしたら弟子制度を利用し、やりがい搾取をしているお店もあるのかもしれない)。

 

技術技能は一子相伝が基本ですからね。それを学ぶのに犠牲の一つや二つ、つきものでしょう。

 

学習の方法を教える

先ほど私はクリエイティブな仕事と言いましたが、クリエイティブな仕事とは誰もやっていないからクリエイティブなわけであって、誰かから教えてもらえるものではありません。つまり、親方から教えてもらって作った物というのは、クリエイティブではないということです。

 

親方ができることは学習の方法を教える。これしかありません。

 

では、学習の方法とは一体どんな方法か。これはすごく簡単で、挑戦失敗の二つです。ドンドン新しいことにチャレンジさせて、ドンドン失敗させる。これが一番効果的な学習の方法です。

 

この学習のキモは挑戦させて成功することじゃない。失敗から何を学び何を考え何を得られるか。だから、むしろ失敗してくれた方がいいんです。

 

ネットでググれば近道が見つかるようなことも、あえて教えず失敗させる。それがこの学習方法で大切なことです。

 

努力の仕方を教える

教えて学ぶことには限界がある。しかし、個人の努力には限界がありません(スポーツは別)。つまり何かを教えることに専念するよりも努力の仕方を教えてあげる方が何倍も職人の為になります

 

では、努力に仕方とは一体どういった方法なのか。これもすごく簡単で、努力なんてのは微調整の反復をひたすら継続する、これしかありません。

 

例えば、畳を縫うのがすごい遅い子がいたとして、その子が速く縫えるようになるには、姿勢や身体の向きや針への力の込め方を微調整し、繰り返し練習する。これが一番です。

 

基礎的なものはあるけれど、人によって力の入り方とか、縫いやすさは違うものです。私と同じやり方にしたからといって格段に速くなるわけではなく、自分で微調整し繰り返し練習することが一番成長します

 

こうしたらいい、ああしたらいい、と職人は教えがちですが、私はお勧めしません。生涯かけて使えるのはやり方より努力の仕方だと思うので。

 

▼関連記事:ダメな職人ってどんな職人?仕事ができない職人5つの特徴

 

▼関連記事:【必ず上達する】職人になる前に知っておくべき守破離の考え方

 

以上、見て覚えろは時代遅れ?これからの職人の教え方でした。

最後に

いかがでしたか。これからの職人の教え方について参考になりましたか。

 

今の時代、優しい教え方、傷つかない教え方が優秀な指導者だっていうじゃないですか。私は間違いだと思います。優しい教え方なんて何も優しくないし、傷つかない教え方なんて誰も幸せにしないと私は思います。

 

危険が伴う現場、確かな技術を売りにしている作業場、安易なミスはちゃんと叱るべきです。ただ、怒ると叱るは全く違います。そこを区別して、しっかりと叱れるのが優秀な指導者だと私は信じています。

 

読んでいただきありがとうございました。

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