今回はパクリの極意について紹介します。
みなさんはこの言葉をご存知ですか?
商工業の世界では誰もが盗む。わたしもずいぶん盗んだものだ。 肝心なのは、いかに盗むかである。
起業家 トーマス・エジソン
世の中にあるビジネスモデルの80%は他業種の業態のマネであると言われています。
世界的に評価されているイノベーションの中にも他業種のビジネスをマネして生まれたモデルは数多く存在するそうで、新しいビジネスモデルを考える場合に、アナロジー(類推)な思考を取り入れることで今までにない良いアイデアが思いつくかもしれません。
そこで、この記事では「アナロジー思考とは何か?」「真似は悪い行為では無い」「似ている点を探す」を論点にアナロジー思考について記事にしたエッセイになります。
アナロジー思考について気になる方の参考になれば嬉しいです。
アナロジー思考とは?
アナロジーとは日本語訳すると類推(るいすい)と言う訳で、一方が他方と似る(幾つかの)点に基づいて、(既知の一方から)他方の有様を全体的に推し測ることという意味になります。
簡単にまとめると、アナロジー思考とは全く違うように見える2つの世界の相関性を見つける考え方のことです。パクリと言われればその通りですが、違う業界の方法をパクっているのであれば別に良いのかなと思います。
ただ、やっぱり真似をすることに抵抗感がある人も多いと思うので、まずアナロジーについて理解するための参考になる例を紹介したいと思います。
真似は悪くない
日本では真似をすることはいけないことだと言った風潮があります。
例えば、日本が開発した商品やデザイン、キャラクターを近隣諸国が真似すると「日本の真似をする悪い国」と言って批判します。
もちろん、著作権の侵害を容認しているわけではありませんが、日本の歴史も大して変わらず、種子島の鉄砲伝来の際に購入した鉄砲2丁の内1丁を分解して真似をして鉄砲を大量生産したり、イギリスの蒸気機関車やパソコン、スマホなど日本も欧米の真似をして商品を作ってきた歴史的背景があります。
現在日本で使われている商品やサービスが海外の真似から出来たものばかりなのに自国は正当化し、他国は批難する現状に違和感を覚えます。
それに昔の日本人は真似をすることを悪いことと捉えていなかったようです。
松下電器(パナソニック)は「マネシタ電器」?
日本が誇る電機メーカーの松下電器(パナソニック)も以前はよく『マネシタ電器』などと揶揄されていました。
松下電器の特徴はファーストペンギン(1番最初に飛び込む)ではなく、それを真似て、さらに改良をを加えてから2番、3番に参入し市場で1番をとる手法を使っていました。
ところが不思議と『松下電器は商売上手』という声の方が圧倒的に大きく、世間からの評価はとても高いものでありました。
大丸百貨店の創業者からの言葉
「大丸百貨店」というと日本人では、その名前を知らない人はいないと言っても過言ではないほどの名店です。
しかし、そんな名店大丸百貨店の創業者下村彦右衛門(しもむらひこえもん)は『真似ることを恥じる必要はない』などという言葉を残しています。
これではまるで大丸百貨店が真似てきたような言い方に聞こえます。
実はその通りで、当時繁盛していた「江戸の越後屋(後の三越)」のビジネススタイルを真似して大丸百貨店は大阪で繁盛させます。
ただ、そっくりそのまま真似るのではなく越後屋のビジネススタイルをさらに発展させてより良いものに変えたうえで展開しました。
真似ることを恥じる必要はない。むしろそれに工夫を加えて元祖を超えてしまえばよい
下村彦右衛門
以上の2つの例からわかる通り、「真似ることは悪い」という社会の風潮とは逆に、歴史的に真似ることは「商売上手」として肯定されてきた背景があることがわかっていただけたと思います。
似ているポイントを探す
ただ、なんでも真似すればいいというわけではなく、アナロジー思考で重要になる「別世界の事柄と似ている点」を探す必要があります。
この似ている点を探すために重要なことは3つあります。
①現状を認識する
「現状認識」というと言葉で語る人もいますが必ず数値で認識するようにしましょう。
例えば、【売上総利益(粗利)】・【粗利率】・【営業利益】・【利益率】・【原価率】などがあると思います。
計算方法
【売上総利益(粗利)】=売上 − 売上原価
【粗利率】=売上総利益(粗利)÷ 売上 × 100(%)
【営業利益】=売上総利益(粗利) − 販売費&一般管理費
【利益率】=利益 ÷ 価格 × 100(%)
【原価率】=仕入れ(原価) ÷ 売上(価格) × 100(%)
②顧客を認識する
いつもお世話になっているお客様が何を求めて当店に買いに来ているのか、そして実際にどんな商品が売れているのかは統計データが必要になります。
ただ気をつけていただきたいのが統計データを作った際に購入個数&購入単価を総数から平均を出す方がいますが、それでは正しいデータが取れません。
少し手間はかかりますが一人当たりの購入個数の平均&一人当たりの購入単価の平均を必ず算出するようにしてください。
ヒストグラム(度数分布図)などを使うとわかりやすいです。
③市場を認識する
市場調査は総務省・厚生労働省が各種統計調査などを出しているのでそれらを参考にしてみてください。
ちなみに民間企業が出している市場調査もありますが、中にはいい加減なものも存在します。
どのような場所で、どのようなプロセスで、どのような人を対象にしたアンケート調査なのかの記入がない場合は市場調査に不備が出ますのでお気をつけください。
▼総務省はコチラ:http://www.stat.go.jp/
▼厚生労働省はコチラ:https://www.mhlw.go.jp/index.html
最後に
いかがだったでしょう。
近年テクノロジーの発達により、システム構築が簡単になったおかげで、想い描いたビジネスモデルが具体化しやすくなりました。
それは誰でもアイデア1つと少しの知識でビジネスが始められるということです。
しかし、そうなるとビジネスが被って「私のマネをした!」などと言う企業が必ず出てきます。
こう言ったらなんですが、自分の考えつくアイデアなんて、きっと誰かが思いついている。そんなの気にするより使うユーザー見た方がいい。
パクって全然OK!だしパクられても気にしない。これって大事なことだと思います。
読んでいただき有難うございました。