【職人YouTuber】YouTubeに職人技を投稿するメリットとデメリット

 

皆さん、こんにちは!畳製作一級技能士の樋口です。今回は、【職人YouTuber】YouTubeに職人技を投稿するメリットとデメリットを紹介します。

 

職人がYouTubeやる

メリットとデメリットを教えて

 

最近、職人でもYouTubeやる人増えてきましたよね。

 

自分の作業風景や製作した工芸品を投稿し、沢山のユーザーから注目を集めている職人YouTuberです

 

実は私もYouTubeに作業動画と独立するのに困っている職人さんに向けてYouTube動画を投稿しています。

 

*作業動画

 

【京都の職人技】畳職人の早技/Tatami craftsman quick work

 

*独立するまでの動画

 

https://youtu.be/hoeyK7kPwLo

 

もし宜しければ見て下さい。

 

さて、職人の動画投稿ですが、これにはメリットもあればデメリットもあります。

 

そこで今回は、YouTubeに職人技を投稿するメリットとデメリットを紹介します。

 

YouTubeに動画投稿しようかなと思っている職人の皆さんに役立つ情報であれば嬉しいです。

 

YouTubeに職人技を投稿するメリットとデメリット

 

そもそも、YouTuberと聞くと『〇〇をやってみた』とか『〇〇を食べてみた』とか『〇〇を買ってみた』とか『ゲーム実況』とか『ASMR』とか『一日のルーティン』とか『ネットで稼ぐ系』が主流ですが、今回の主題である職人YouTuberは少し毛色が違います。

 

職人がYouTubeに投稿している職人技の動画は『作業工程の透明化』『技術の継承』『技術力のPR』などの宣伝が主です。

 

職人の多くはYouTubeをあくまでツールとして捉えており、YouTubeを使ってお金を稼ぐ事を目的にしているわけでないので、一般的なYouTuberとネタの趣向も違います。無論、職人YouTuber全員の総意ではありませんが、多くの職人YouTuberは広告の掲載をしていませんし、企業案件もやっていません。ちなみに私のYouTube動画もアドセンス広告は一切掲載しておりませんし、今後視聴回数が伸びたとしても掲載しないと思います。

 

つまり、同じYouTubeを使っての動画投稿でも、一般的なYouTuberと職人YouTuberには目的に違いがあり、そこまで視聴回数や登録者の数を気にする必要がないです。

 

昨今のYouTuberのように炎上させたり、過激な傾向に行く必要もないので、職人YouTuberは気楽に始められると思います。

 

それでは、YouTubeに職人技を投稿するメリットとデメリットを紹介します。

 

YouTubeに職人技を投稿するメリット

YouTubeに職人技を投稿するメリット
・作業工程の見える化
・こだわりの可視化
・若手へのメッセージ

 

作業工程の見える化

皆さんは実店舗とネットどちらで物を購入しますか?以前であれば実店舗がほとんどだ!と答える人が多かったと思います。とはいえ、近年アマゾンや楽天などのECサイトが台頭し、市場を大きく変えました。これをご覧の読者の中にはほとんどネットでしか物を買わないと言う人もいるかもしれません。その購入プロセス自体は批判するものではないのですが、ただ物を買う際に現物を見て購入するわけではないので、商品が届いて全然イメージと違かったというクレームは多いと聞きます。それがネットで購入する事のデメリットですが、一方で動画を視聴して購入するというユーザーも多いと聞きます。商品の良し悪しを実際に見て判断出来ないので、すごく便利だと人気があるそうです。これは職人にも関係すると私は思います。作業工程をYouTube動画に投稿する事で、製造の見える化つまり透明性を高める狙いがあります。YouTubeに職人技を投稿する事でお客様との信用構築に一役買うのではないかと私は思います。

 

こだわりの可視化

職人のこだわりは金銭的価値に交換し難い。職人の皆さんであればこの言葉の意味がよく理解できると思います。畳に関して言えば、タッカーで畳表を止めようが糸で縫おうが料金が安ければ安い方を買うわけで、どのように施工するかは然程重要なものではないです。では、こだわりを捨て物を生産した方がいいのか。私はそうは思いません。職人のこだわりは長く使ってもらうための技術であり、深みを出す為の技能であるからです。そこで職人技をYouTube動画に投稿する事で、当店のこだわりを伝えることが出来ます。上手くいけばこだわりの収益化だって可能かもしれません。ちょっと夢みたいなことですが。

 

若手へのメッセージ

職人の技術や技能は経験を積めば積むほど高くなる。これは当然の摂理です。職人の勘というものも発揮しますし、力を入れずに切断、接合する能力も身につきます。とはいえ、時が経てばその技術は棺桶の中に沈め肉体と共に燃えて消え失せてしまいます。そんな事あってはいけない事ですよね。貴方が学んだ職人の技術や技能は誰かに継いで残していかなければならない。職人技をYouTube動画に残す事は若手へのメッセージと自らが生きた証になると私は思います。出来れば長い年月積み重ねた技術者ほどYouTubeに動画投稿してほしいものです。

 

YouTubeに職人技を投稿するデメリット

YouTubeに職人技を投稿するデメリット
・顔を晒す
・人に技術を見せてしまう
・批判も多い
・動画を撮るのにカメラを回すのが面倒

 

顔を晒す

昭和を代表する作詞家永六輔氏が残した言葉に「有名になりたい若者は沢山いる。でも、有名になったら失われるものについて考えている若者はいない」というのがあります。YouTubeは素人革命を爆進させた素晴らしいプラットフォームです。とは言え、有名になる(人に顔を知られる)事にはリスクがあります。ニュースでも御存知の通り、イタズラ行為に迷惑行為、盗撮など有名になると好き勝手される可能性があるのです。もちろん、言うまでもなく悪いのはそういった行為をする者たちです。ですが、有名になる事はそういったリスクと隣り合わせだと理解する必要はあります。

 

人に技術を見せてしまう

職人の世界には昔から技術は人に見せびらかすな!と言う教えがあります。これは技術を盗まれる事により、自分の仕事を奪われる為だと思われます。現に情報機密は日本は甘々で、諸外国に漏れまくっています。YouTubeはグローバルのプラットフォームです。無論、動画投稿すると世界中の人に技術を伝える事になります。編集スキルがある方だったらモザイク処理などを使って加工出来るかもしれませんが、無い人は技術を盗まれてしまうのでYouTube投稿は控えた方がいいかもしれません。

 

批判も多い

職人の技術について知らない人からの批判はほとんどないのですが、同業者はやたらと批判的に語ってくる人が多いです。私の知る限り特に飲食業界は批判が多いです。あの業界はヒエラルキーでもあるのでしょうか。批判が好きでない人はYouTube投稿はやめた方がいいかもしれません。とはいえ、私は思うのです。批判するくらいなら動画を投稿して無言のプレッシャーを与えればいいって。わざわざ批判だけして自分で動画投稿できないなら大した技術を持っていないのではないでしょうか。そんな人の批判など真に受ける必要はありません。無視でいいと私は思います。

 

動画を撮るのにカメラを回すのが面倒

正直、作業中にカメラ回すって面倒じゃないですか?忙しい時なら尚更です。職人にとって動画を撮ると言うのは簡単ではないように思えます。それこそ誰かに頼んで撮影したり、広角カメラで撮影したりと工夫が必要です。果たしてそこまでして本当に価値のあるものなのだろうかYouTube動画は・・・。と思う方はやめておいた方がいいかもしれません。

 

以上、【職人YouTuber】YouTubeに職人技を投稿するメリットとデメリット

最後に

いかがでしたか。

 

YouTubeに職人技を投稿するメリットデメリットはわかりましたか?

 

参考になれば幸いです。

 

YouTubeに職人技を投稿するのは、職人さん全員におすすめというわけではありません。

 

嫌だな・・。と思ったらやめておいた方が絶対に良いです。ただ、YouTubeを限定公開にしてコミュニティだけに投稿するという方法もあります。

 

YouTubeの戦略は一つではないと私は思います。

 

読んでいただきありがとうございました。

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